自分のやっていることは棚に上げて「米国が日本の肩を持つ」と憤る話

米軍の準機関紙の「星条旗新聞」が竹島について「紛争島嶼(diputed islands)」と表現しました。
散々、竹島問題を持ち出して大騒ぎして問題を育てていたのは韓国側のはずなんですけど、韓国メディアはこの表現を「日本の肩を持った」としています。
竹島についてだけでなく、徴用判決(からの輸出管理強化)やGSOMIA問題などなども持ち出し、「日本贔屓」だと。韓国自身がやってきたことがこうして結実しつつあるんだと思うのですが...なんか全部棚に上げて憤っているように見えます。

 

 

オーマイニュースの記事からです。

挑発する日本、「独島は紛争中」と肩入れする米国


インド・太平洋戦略で日米関係が一層緊密になった中で米国が独島と関連して日本をかばうことが多くなった。強制徴用の判決に対する経済報復、GSOMIA終了問題などで韓日関係が急速に冷え込んだ2019年8月25日、韓国が独島防衛訓練に着手したときもそうだった。

(中略)

また、キム・チャンリョン警察庁長の独島訪問をめぐって日本が強く抗議した昨年11月19日、ソン・ヨンギル共に民主党代表が「独島は当然、韓米相互防衛条約の対象の領土に含まれなければならない」と言うと、国務省報道官室が<米国の声*1>で「米国はリアンクール岩礁の領有権と関連していかなる立場も取らない」と立場を伝えた。韓国が独島を支配する現実を無視して中立を守るという意思を表明したのだ。事実上、日本に傾いた対場だった。

独島は紛争地と?

このような中、独島に対する日本の態度が一層大胆になっている。自由民主党自民党)独島対応チームが「2022年夏までに新たな対策を打ち出す」と予告し、日本のマスコミは雰囲気を開いている。

このような状況で米国防総省の機関紙が沈黙を破り日本をかばうような記事を掲載した。もちろん<星条旗>は過去にも独島と関連して「紛争島嶼」との表現を使用したことがある。現地時間24日に発行された<星条旗>の記事「日本、紛争島嶼の肖像を盛り込んだ韓国酒ギフトを拒絶(Japan rejects gift of booze from South Korea that contained image of disputed islands)」は、独島を紛争島嶼(disputed islands)と表記することにより独島が「紛争中の島」という認識を明確に表した。

この記事は本文でも同一表現を使用した。また、日本大使館が酒・栗の実・梅のエキス・五味子漬けなどが含まれた旧正月の贈答品を返送した理由を説明する内容では「ソウルの日本大使館は両国が自国と主張する島の経常を込めたという理由で韓国大統領の贈ったギフト箱を金曜に返した」と報道した。「紛争島嶼」、「両国が自国と主張している島(islands claimed by both countries)」という表現が入った。実質的に日本を贔屓しているわけだ。

(中略)

バイデン大統領と岸田文雄首相の日米首脳会談を報道した今月21日付けの<星条旗>は「バイデン・岸田、初の会談で中国・核兵器議論」という記事で日本が実行的に占有し、中国が自国のものと主張する魚釣島に対してこのように報道した。

岸田は会談の後、自身は日本の防衛力を大幅に強化するという意思を表明しており、バイデンは1960年の日米安保条約を遵守するという米国の公約に言及して日本が支配する紛争島嶼である尖閣諸島(the Japanese-controlled disputed islands of Senkaku)を含むという点を明確にしたと指摘した。

このように、米国は尖閣諸島を言及する際には「日本が支配する紛争島嶼(Japanese-controlled disputed islands)」という表現を使用した。紛争はあるが、日本が支配するところであることを明らかにすることである。

米国の偏向性

独島に対する米国の偏向性を促進する要素が米国政府の「親日本化」だけでないという点に注目する必要がある。これを後押しするもう一つの要素があり、それは中国と関連がある。

ベトナムのユイタン大学のチョン・ギョンス教授が昨年「社会と歴史」第132集に寄稿した「独島論ー軍事主義を超えて」に詳しく説明されているように、米国は第二次世界大戦当時「独島は韓国領」という確固たる認識を持っていた。1944年に米海軍情報局が作成した地図では独島が植民地韓国の領域で表記されているだけでなく、植民地韓国の海洋境界線が日本西海岸に非常に接近している。「敵国日本に対する報復と報復の意思が強烈に表現された」とチョン教授は解釈した。

その米国が日本占領後に中国大陸情勢が急変すると独島に対する態度を変えた。中国国民党中国共産党を破り、ソ連(ロシア)を牽制する可能性が薄くなると米国は中国に対する友好的な態度を捨て、敵対的な態度を取り始めた。
これは中国を牽制するために対日政策を変える原因となった。

(中略)

米国の対中政策が変わる兆しは日本現地で迅速に感知された。1947年4月には日本の漁民が独島に上陸し「我が領土」と韓国の漁民に銃撃を加え、同年6月には米軍政下の日本外務省が「竹島は日本領」というパンフレットを配布した。日本を軍事的に占領した米国の同意なしには不可能なことだった。

そのような中、1948年6月8日には米軍爆撃機が独島と近隣で韓国漁民を爆撃する悲惨な事態が発生した。韓国の漁民が爆撃機に向かって太極旗を振っているにもかかわらず爆弾は落ちた。先月12日付の<東亜日報>の2面には死亡者が9人と報じられたが、1999年10月11日付<ハンギョレ>は150人、2015年2月6日付<大邱日報>は200人と報じた。

軍による独島爆撃は1952年にもあった。この年には独島を米軍訓練場として提供する協定まで韓米でなく日米間で締結された。

(中略)

この時期に米国が独島関連で同盟国の韓国を裏切ったのは、日本と提携して中国を牽制し、ひいてはソ連を牽制するためだった。米国の反中国化および親日本化が、独島に対する米国の態度に影響を及ぼしたのだ。

(中略)

ドナルド·トランプ政権はニクソン政権が獲得した「反中国化」を再び前面に押し出し、日本寄りを強化した。中国のインド洋·太平洋進出を牽制するインド・太平洋戦略によって日本の協力が一層切実になった結果だ。バイデン政府もトランプ政権の路線を継承している。

日米同盟が一層緊密になる中、韓国に対する日本の態度が史上最高に強硬になり、自民党が新しい独島政策まで予告している。さらに米国防総省の機関紙まで出て「独島は紛争島嶼」などとしている。独島に向けて新しい挑発を準備する日本を相手に米国が力を与えているのだ。日本だけでなく米国によっても独島は新しい状況に追い込まれている。



オーマイニュース「도발하는 일본, '독도는 분쟁 중'이라며 편드는 미국(挑発する日本、「独島は紛争中」と肩入れする米国)」より一部抜粋

米国が日本をかばってるとか、偏向しているとかいうより、問題の原因をいちいち全部、韓国が提供しているってことでしょう?
第二次世界大戦当時に米国が竹島を「韓国に所属する」と考えていたとして、それこそ関係ない話でしょう。



1947年の「日本漁民による銃撃」について補足しておきます。先に断っておくと、私はこんな話は初耳です。
私が知らないだけで実際にあった事件なのかと思ったのですが......大きな疑問が。1947年というとGHQ統制下です。その日本で漁民(民間人)が銃器を手に入れられるだろうか?ということです。しかも船に対しての銃撃ということは拳銃などではなく大型の火器と思われます。

で、この件と関連しそうな情報を一般社団法人日本安全保障戦略研究所の文書で見つけました。
「韓国の竹島領有「根拠」の創造過程 」という題の文書です。タイトル通り、韓国における竹島(独島)領有権主張の流れが書かれています。
これによると、最初に竹島について報道が出たのが1947年となっています。6月20日の「大邱時報」の記事に同年4月に鬱陵島から出港した漁船を「日本人某」が「機銃掃射した」という内容が出ており、恐らく上の記事内の「韓国の漁民に銃撃を加え」の元ネタはコレです。

この「機銃掃射」の話のさらに元ネタを遡ると、慶尚北道の知事が韓国暫定政府の政務官に当てた資料(韓国国家記録院所蔵 管理番号:BA0182403)中の次のような記述に行き着きます。

「某日本人個人の所有になっているので漁獲を禁止した」「今年(※1947年)四月中旬に鬱陵島漁民がこの島に出港したが国籍不明の飛行機から機関銃掃射を受けた

どういう意図があったのか知りませんけれど、この「国籍不明の飛行機」を「日本人某(漁民=民間人)」による「機銃掃射」に置き換えて報じているわけです。
時期的にこの「国籍不明の飛行機」は米軍機に間違いないと思います。翌年の6月に韓国人漁民が米軍による「爆撃」に巻き込まれていますし。(しかし被害者人数すら把握できていないとはどういうことなのか?)
爆撃に巻き込まれた方には同情しますけれども、それはそれです。サンフランシスコ講和条約で「韓国領」として認められなかった竹島で不法操業していたということには違いありません。しかも韓国の自治体も「漁獲を禁止した」地域での操業です。

*1:VOAのこと