韓国、米対ロ制裁でスマホ・車など「一般消費財」は対象外と確認の話

対ロシア制裁に関連して、韓国製スマートフォン、車については「一般消費財」の扱いで制裁対象外との確認が取れたそうです。

韓国は米国との協議で、第三国が米国の製品や技術を使用して製造した製品の輸出を規制する「外国直接製品規制(FDPR:Foreign Direct Product Rule)」の例外国に韓国を含めるよう要請しているのですが、こちらについては「輸出規制の強度を高めれば可能」との返答があったとのこと。
やはり「独自制裁」の中身が判断材料となりそうです。

 



アジア経済の記事からです。

スマートフォン・車のロシア輸出、道は開けたが...米「統制水準高めればFDPR例外」


(前略)

米国がロシア輸出統制制裁措置で例外を適用して欲しいという韓国政府の要請に対し、輸出統制のレベルを高めてこそ可能だ、という立場を再度示した。ただし「海外直接生産品規則(FDPR)」非免許国もスマートフォン・自動車・洗濯機などの消費財のロシア輸出は可能と確認された。

産業通商資源部(産業部)は3日、対ロシア輸出統制協力に関して米商務省産業安保局(BIS)と協議する過程でこのような答弁を受けたと明らかにした。FDPRは米国ではなく第3国で作った製品だとしても、米国の技術やソフトウェア(SW)を活用して生産した場合、輸出を禁止する措置だ。これに先立ち、ドナルド·トランプ元米大統領が中国華為を圧迫する時に活用した。

米商務省はスマートフォンや完成車、洗濯機などはFDPRの適用対象だが、原則的に一般消費者を対象にした消費財として例外に当たるという立場だ。ただし「軍事関連ユーザー(Military End User)」への輸出ではない場合に制限される。

したがって、韓国企業のロシア現地子会社の輸出も米国の拒否原則(policyofdenial)を適用しない。米商務省は、ロシア子会社への輸出は事案別審査を通じて許可される可能性があると明らかにした。ベトナムなど第3国に所在する韓国子会社がロシア所在の子会社に輸出する場合も同じだ。

しかし韓国政府が要請したFDPR免除国を含めることは容易ではない。米商務省は「対ロFDPR免除国に含まれるための条件は米国など国際社会と似た水準の対ロ輸出統制を自主的に実施すること」と述べた。韓国政府の輸出統制水準が米国の望む水準に及ばないことを示唆したものと思われる。

(中略)

政府は一歩遅れて収拾に乗り出した。産業部によると、ヨ·ハング通商交渉本部長は同日、メキシコ出張日程中に急きょ米国に向かった。ヨ本部長は翌日未明、米国で米商務省の局長など高官と面談する。ヨ本部長は、韓国のFDPR免除国に含めるかどうかなどについて話し合う計画だ。



アジア経済「스마트폰·車 러 수출길 뚫렸지만…美 "통제수위 높여야 FDPR 예외"(スマートフォン・車のロシア輸出、道は開けたが...米「統制水準高めればFDPR例外」)」より一部抜粋

そういえば、今回の米国の対ロ制裁は「輸出統制(수출통제)」と書かれています。日本の輸出管理強化は「輸出規制(수출규제)」としています。
記事とは全く関係ありませんが、ふと目に付きまして、用語使い分けてるんだろうなぁ、と。

 

それはそうと、現地工場で組み立てるにしても、完成品を持ち込む or 持ち出すにしても、ロシア向けの物流がほとんど停まっています。そもそも金融決済が出来ませんから輸出代金の回収が出来ない可能性があります。
消費財が適用外でも何ら関係ないですね。物理的にしばらくの間ロシアへ輸出は出来ない状態になるんだろうと思います。

それより韓国は同盟国でありながら「FDPR例外国に指定されなかった」というマイナスを払拭しようと必死なように見えます。
ここまで来たら独自制裁を発表してしまうのが一番早いのですけれど、通商交渉本部長が米国に行くという事でまたぞろ「韓国の都合」を分かってもらいたいんでしょう。