韓国与党の敗北は現政権による「ダブルスタンダード」と「分断対立を煽ったこと」という話

ユン・ソクヨルさんが次期大統領に選出されました。早々にバイデンさんから祝電を受けたそうです。
実際に政権が発足して動き始めないことには何とも言えません。しばらくは様子見となりそうですが...ユンさんが次期大統領となったことでムンさんの退任後がどうなるか分からなくなりましたね。

それはともかく、中央日報が嬉々(?)としてムン・ジェインざまぁ」と言っていた ...与党の敗因を分析していたので紹介します。

 



中央日報の記事からです。

政権再創出に失敗..ムンのダブルスタンダートと分断対立が審判された


ムン・ジェイン大統領が9日に受け取った執権5年の成績表は結局「政権継続失敗」だった。
特に後任はユン・ソクヨル次期大統領だ。検察改革に死活を掛けたムン大統領が任命した検察総長が野党候補に当選した異例のケースだ。専門家らは「ムン大統領が自ら検察改革の制度化を唯一の成果として掲げてきたという点で、国民がユン次期大統領を選択したこと自体がムン・ジェイン政府の失敗を表している」と評価する。

(中略)

ろうそくデモと前職大統領の弾劾で保守陣営が混乱に陥った状況だったため、大統領府と与党はこの5年間、政権継続に自身を持ってきた。これまでの全国選挙でも「連戦連勝」の勢いだった。

イ・ヘチャン元代表ら党内からは「20年間長期執権シナリオ」まで提起された。
しかし結局、現政権の政権継続の希望は水の泡となり、ムン大統領の国政運営方式は政権交代の最も強力な要因を提供した結果となった。

イ・サンイル・ケイスタットコンサルティング所所長は「執権初期、北韓原発政策に対する独走に続き、不動産政策など持続した政策失敗が民心離反の基礎的な土台となった」とし「しかし決定的にムン・ジェイン政府に対する確証に近い反対世論が爆発した切っ掛けは『ダブルスタンダード』に象徴される国政運営基調のため」と述べた。

イ所長は「ムン大統領が公正と統合を国政運営の目標に提示したため、それに対する期待が高くならざるを得なかった」とし「ところが『チョ・グク事態』に代表される固執に近い人事スタイルは国民の敵対と分裂に繋がり、ムン大統領が当方を主張する所か、むしろ敵味方を分けることを政治的に利用したという点に対して背曲的な審判が行われた」と述べた。

(中略)

これに対し、チェ・ジン大統領リーダーシップ研究院長は「任期末40%を超えるムン大統領の支持率は意図的な分断にによる極端な分裂の結果だ」とし「結局、40%だけを期待していたムン大統領の政治的閉鎖性のために敵として追いやられた60%の国民の審判を受けた」と診断した。

チェ院長は「ムン大統領は初の秘書室用に『86学生運動世代』の象徴であるイム・ジョンソク元室長を任命したことを皮切りに、最小限の公平性まで無視して全ての要職を運動圏一色の『味方』だけで占めた」とし「特にムン大統領は自ら検察改革を要請し、検察総長に任命したユン・ソクヨル当選者に政権を渡したという点で、大韓民国政治史で最も厳しい評価を受ける大統領として記録される可能性が高くなった」と述べた。

(後略)



中央日報「정권재창출 실패..文의 내로남불과 갈라치기가 심판 받았다(政権再創出に失敗..ムンのダブルスタンダードと分断対立が審判された)」より一部抜粋

タイトルの「分断対立」と訳した部分の原文は「カラチギ(갈라치기)」です。本来「割れる」とか「裂ける」という意味の「갈라지다」で、囲碁用語にも使われるらしいです。
北朝鮮が「米韓を離間させる」との意味で使ったことがきっかけで、よく使われるようになった表現だとかなんとか。

囲碁では単に「相手の勢力を分散させるために間に打つ」ことを言います。本来は「対立」の意味はありません。
けれど韓国では2つに分かれた勢力が互いを攻撃し合うのが常、最近は「分断対立」のように分かれたモノ同士が敵対し合う意味合いを含めた場面でも使われることが多いように思います。

 

そうそう、当ブログではユンさんの名前を「ソクヨル」表記で統一してきました。
実は韓国語の名前には読み方の標準が無くて、ユンさんの名前がメディアによく取り上げられるようになった検察総長時代はアナウンサーによって「ソクヨル(ソギョル)」だったり「ソンニョル」だったりバラバラだったんです。

しばらくして、ユンさん自身が幼少期から家で「ソンニョル」と呼ばれていたということで、メディアにも「ソンニョル」読みで統一するよう要望を出したため、今は「ソンニョル」になってるはずです。
この読み方/表記での統一を日本にも求めてくるかは分かりませんけれど、とりあえず「ソクヨル」表記を続けます。
今後もし、日本メディアの表記が「ソンニョル」多数派になるようなことがあれば合わせていくかもしれません。