中国国内半導体シェアで韓国一人負けの話

2019年に米商務省がファーウェイ関連で大規模な輸出管理強化を行いました。
ファーウェイのスマホには日本企業の部品が多く使われているため、過去にはファーウェイの幹部が「半分は日本製」と冗談(リップサービス)を言ったこともあります。輸出管理強化後は会長自ら日本のサプライヤーの重要性を強調していました。
この当時、韓国に対してファーウェイがどういう態度だったのかは、チェックしていなかったので分かりません。

が、どうもこのファーウェイ関連のドタバタ以降、中国国内の半導体シェアで韓国が一人負けをしていたらしいです。台湾と日本は増加、米国は微減、韓国は減少していることが分かったとのこと。
輸出管理強化を行った当事者である米国が微減なのに韓国が減少とは...まあ、半導体と言っても種類は様々。それぞれ需要が異なりますから米国の輸出管理だけが原因かどうかは正直微妙なところです。

 



アジア経済の記事からです。

揺れるK-半導体..JY経営活動の制限に投資が止まったサムスン(総合)


世界最大の半導体市場である中国でのK-半導体の地位が墜落している。米国が中国半導体企業に供給される装備に対する輸出規制を本格化し、K-半導体の中国輸出が直撃弾を受けたのだ。イ・ジェヨン・サムスン副会長の経営活動制限でK-半導体の超格差確保に歯止めが掛かっている間に後発組の中国は攻撃的な政府支援を追い風に「半導体屈起」の頭角を現している。

(中略)

全国経済人連合会(全経連)が25日、米国の中国半導体規制が始まる前後の主要な中国半導体輸入市場のシェア変化を分析した結果、韓国の打撃が最も大きかったことが分かった。

2018年と比べ、昨年の台湾の中国半導体輸入市場シェアは4.4%、日本は1.8%増加した反面、韓国は5.5%減少したことが分かった。韓国のシェア減少幅は米国の0.3%より大きかった。

(中略)

中国の半導体輸入が増えた時期にも、韓国の半導体企業は米国の制裁でその恩恵を充分に享受できなかったことが分かった。昨年、中国の半導体輸入は4686億ドルで、米国の中国半導体供給規制開始直前の2018年と比べて37.2%増加した。台湾、日本に対する半導体輸入はそれぞれ57.4%、34.8%増加した。

(中略)

一方、中国の韓国半導体輸入は6.5%増に留まった。これは米国の規制によるファーウェイの韓国製メモリーの購入中止、メモリー半導体価格の下落などの影響で中国がメモリー全体のメモリー輸入を0.7%減らしたためだ。サムスン電子とSKハイニックスの全体売上の内、ファーウェイが占める割合は2019年当時、それぞれ3.2%と11.4%に達した。メモリーが強みのK-半導体の特性上、2021年の中国の韓国製メモリー輸入は2018年と比べて13.7%も減少する結果に繋がった。

全経連のキム・ボンマン国際本部長は「2019年の米国の対中半導体供給規制以後、せ相最大の半導体市場である中国でシステム半導体強国の台湾と伝統半導体強者の日本が躍進した」とし「一方、メモリー半導体中心のK-半導体は中国内の地位が大きく弱まった」と分析した。

(中略)

中国市場でK-半導体の地位が墜落している中、中国は半導体自給率を引き上げるために世界の半導体生産装備を総なめしている。
国際半導体装備材料協会(SEMI)によると、昨年、全世界の半導体生産装備の売上高は44%急増した1026億ドルを記録した。世界各国の半導体企業が攻撃的に生産を増やすことに投資した結果だ。特に2018年までは半導体装備購入131億1000万ドルを費やした中国は、昨年は2倍を超える296億ドルを支出し、2年連続で装備購入世界1位を占めた。

(中略)

全経連のキム・ボンマン国際本部長は「米国、中国、欧州、日本など主要国が国家力量を総動員して自主的に半導体生態系構築、供給網再編を加速化しているだけに、5月発足の新政府はK-半導体のグローバル超格差確保のため、半導体企業の研究開発(R&D)投資、税制優遇などの政策支援を強化していかななければならない」と助言した。



アジア経済「흔들리는 K-반도체..JY 경영활동 제한에 투자 멈춘 삼성(종합)(揺れるK-半導体..JY経営活動の制限に投資が止まったサムスン(総合))」より一部抜粋

「超格差確保」とは「超格差戦略」のことだと思われます。半導体事業の突破口作りのためにサムスンが提唱した戦略の一つです。
絶対的な技術優位を確保することを目標にしたもので、「代替え不可」なモノづくりを目指したもののようです。さらに、イノベーションを起こすためには相応しい格を備えたリーダーが必要、というリーダー論的なものも含むみたいです。

 

各国が自国内で自主的に半導体供給網を確保しようとする動きは、半導体が安保に直結するという危機意識もそうですが、コロナの影響で世界的な半導体不足が起こったことも大きかったと思います。
昨年の半導体生産設備の売上が急増したのはそのせいでしょう。

ただ韓国(サムスン)にとってタイミングが最悪だったのは確かです。でもイ・ジェヨンさんをパク・クネさんやチェ・スンシルさんと一緒に罰することを望んだのは韓国自身でもあります。

どうなるかはともかく、ユンさんには始まる前からありとあらゆるツケが回されていきますね。