【バンダーさん】「韓国の誇り「サムスン電子」の不振を予告する二つの兆し」の話

4月26日に投稿されたものです。
サムスンのGOS問題や、先日紹介した中国国内での半導体シェアで韓国が一人負けしていたことと少し関連があります。

 

 

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「韓国の誇り「サムスン電子」の不振を予告する二つの兆し」です。

韓国の誇り「サムスン電子」の不振を予告する二つの兆し

スマートフォン事業と半導体事業で同時に技術的限界に直面した。

<韓国の誇り「サムスン電子」の不振を予告する二つの兆し>2022.3.31.Wow!Korea

サムスン電子は韓国人に良い影響と共に悪い影響も与えた。雇用を創出し、輸出に寄与することで韓国経済を牽引した点は良い影響に属する。しかし、このようなサムスン電子の奮起が「日本に追いついた」という誇大妄想に陥れたという点は悪い影響に属する。

サムスン電子はメモリー半導体分野で30年間トップを走っている。特に2000年以降はソニーパナソニック、シャープなど日本のIT企業が伸び悩んでいる反面、サムスン電子はメモリー半導体を全面に押し出し、本格的にリードし始めた。2010年以降はスマートフォンの大衆化という事業機会をうまく生かしたお陰でメモリー半導体と共にスマートフォンを主力事業として育て、これまで急成長してきた。2021年のサムスン電子の売上は280兆ウォン(約28兆円)、営業利益は51兆ウォン(約5兆円)だった。2022年第1四半期(1〜3月)の売上は70兆ウォン(約7兆円)を超えると推定され、第1四半期の売上としては最高記録を更新するものとみられる。

サムスン電子の営業利益が日本の1〜10位のIT企業の営業利益より大きい」という表現は韓国で古くからうんざりするほど聞く話になった。この30年間、サムスン電子は韓国人の自尊心であり、克日の象徴であった。ところが自尊心が度を越したのか、今日の韓国人はサムスン電子のこのような奮起がまるで韓国の経済力が日本の経済力に追いついた証拠でもあるかのように錯覚するようになった。

錯覚はますます激しくなり、「日本は大したことない」といった雰囲気が支配するようになり、「日本はすぐに滅びる」、「日本が発展途上国に墜落する」といった話さえ実現性の高いものとして受け取られる状態になった。つまりサムスン電子の奮起が韓国人に虚栄心をもたらし、このような虚栄心が30年間累積した結果、今日の韓国社会は巨大な妄想のるつぼに陥ったのだ。日本の韓国向けの輸出審査強化措置(2019年)によって韓国経済が強まり、むしろ日本経済は大きな打撃を受けたという嘘さえ今日多くの韓国人が疑うことなく受け入れるほど韓国は誇大妄想に陥っている。

ところが、韓国人がこのような誇大妄想から目覚め、冷酷な現実を自覚する日は遠くなさそうだ。サムスン電子は今、この瞬間、華やかな業績を誇っているが、暗鬱な兆しがあまりにもはっきり現れているからだ。

第一の兆しは、サムスン電子スマートフォン事業が技術的限界に直面したという点だ。2022年2月に発売されたサムスン電子の最新作Galaxy S22の購入者約1800人がサムスン電子を相手取って3月に集団訴訟を起こした。スマートフォンの性能を低下させるGOS(Game Optimizing Service)という部品が搭載されたことと関連して、消費者にきちんと説明しなかったという理由からだ。GOSは消費者が高性能ゲームなどを実行する場合、自動的に作動しAP(CPU、グラフィック)の性能と画面解像度などスマートフォンの主要機能を強制的に低下させる役割を果たす。「発熱」を緩和させるためサムスン電子が打ち出した苦肉の策だ。サムスン電子は2016年からスマートどんにGOSを搭載してきた。「発熱」問題を根本的に解決できず、これまでGOSという一種の「目くらまし」でかろうじて耐えてきたのだ。しかし、今回のGalaxy S22の場合、GOSによる性能低下減少が著しく現れ、多くの消費者が気付くことになったのだ。

これはまるでスピードを楽しむために高性能スポーツカーを購入し、高速道路でアクセルを踏んだところ「エンジン加熱の懸念により時速100キロ以下で走行可能」という警告灯が点灯し、速度がそれ以上上がらないような荒唐無稽な状態に相当する。サムスン電子に裏切られた消費らの集団訴訟が更に続く可能性がある。

発熱原因は頭脳にあたるAPによるものとみられる。サムスン電子スマートフォンに搭載されるAPは二つのうちの一つだ。一つはクアルコムが設計しサムスン電子が委託生産(ファウンダリー)を担当した「Snapdragonシリーズ」で、もう一つはサムスン電子が直接設計と生産をすべて担当した「Exynosシリーズ」だ。iPhoneに搭載されるAP(Aシリーズ)の場合、Appleが設計して台湾のTSMCが委託生産する。ところがiPhoneはなんの問題もない反面、「Snapdragon AP」あるいは「Exynos AP」が搭載されたサムスン電子スマートフォンは発熱問題が発生している。

「Snapdragon AP」の設計(クアルコム)に問題があるため発熱が発生するという推定も可能だが、サムスン電子が設計した「Exynos AP」でも発熱が生じることを考慮すれば、設計よりはサムスン電子の生産工程の方に問題が存在する可能性が高い。発熱問題を根本的に解決できず、GOSという一時的な間に合わせに依存しているサムスン電子は、このままではノキアNOKIA)の道を歩むしかない。

過去十年間、世界市場1位を守ってきたサムスン電子スマートフォンは今やAppleiPhoneに追い越される状況になり、2021年の販売TOP10スマートフォンをみてもサムスン電子スマートフォンモデルはわずが一つがランクイン(6位)に上がっただけだ。それも中低価モデル(Galaxy A12)だった。一方、iPhoneは7モデルがランクイン(1〜5位、8、9位)に上がり、Xiaomiは2モデルがランクイン(7位、10位)に上がった。また、AppleiPhoneは2021年の世界スマートフォン市場で発生した全体利益の75%を占めることでサムスン電子を圧倒した。巨大市場の中国でサムスン電子スマートフォンシェアはもう1%にも満たない。一言で、サムスン電子スマートフォンは墜落しており、このままでは今後、中低価ブランドに転落死、かろうじて命脈を維持する可能性が高い。

二つ目の兆しは、システム半導体事業(ファウンダリー)の技術的限界だ。この部分は第一の兆し(スマートフォン事業の技術的限界)とも相互に連携する。2019年にサムスン電子は、2030年にはシステム半導体分野でも世界1位になると宣言した。システム半導体はメモリー半導体より付加価値が高く、市場規模も3倍大きい。サムスン電子はメモリー半導体分野で頭角を現すだけで、システム半導体分野ではそれほど存在感がない状態だ。サムスン電子の立場では今後の半導体市場から追い出されないためには必ずシステム半導体分野で地位を固めなければならない切迫感があるのだ。ところが、現実は暗鬱だ。

例として、サムスン電子クアルコムからシステム半導体「Snapdragon AP」の設計図を4nm(ナノ)工程で委託生産(ファウンダリー)しているのに、収率が35%しか出ていない。収率が35%なら生産した製品100個のうち35個だけが良品(正常製品)で、65個は不良品という意味になる。サムスン電子が独自設計した「Exynos AP」も4nm工程で生産しているが、収率はさらに低い30%前後に過ぎないという。

このような不安な工程を通じて生産されたAP(Snapdragon、Exynos)がサムスン電子スマートフォンに搭載され、発熱問題を起こしているのだ。今回、欧州で発売されたGalaxy S22の場合、「Exynos AP」が搭載れたが、GPS機能に不具合が出る問題も発生した。台湾のTSMCの場合、同じ4nm工程での収率が70%の水準である。サムスン電子の2倍になる。5nm工程でもサムスン電子の歩留まりは50%に過ぎない。一方、TSMCの5n工程での歩留まりは80〜90%水準だという。TSMCの技術力がサムスン電子を圧倒しているのだ。

IntelAppleは次世代3nm工程で生産することになる超精密半導体の生産をすでにTSMCに割り当てることにし、サムスン電子の顧客であるクアルコムNVIDIAまで今後、超精密半導体生産でTSMCの方に配分しようとする雰囲気だ。この場合、もしTSMCで生産したクアルコムの「Snapdragon AP」で発熱問題が発生しなければサムスン電子はさらに大きな困難に陥るしかない。なぜなら、同じクアルコムの設計図(Snapdragon)によって生産したAPなのに、サムスン電子が生産したAPでのみ発熱が生じることが確実に証明されることで、サムスン電子の生産工程に問題があるという事実が明らかになるからだ。

収率が低調だという話は、生産技術力がそれだけ足りないという話になる。結局、IntelAppleクアルコムNVIDIAなど主要顧客がTSMCの方に移動するのはサムスン電子の超精密半導体(システム半導体)生産技術力に対する不信のためと言える。サムスン電子は6月から世界で初めて3n工程を稼働する予定だが、5nmおよび4nm工程の場合のように、収率がさらに狭くなるしかない。そうなれば国家安保面で半導体の自給自足を推進する米国の政策と相まって、サムスン電子は次第に半導体市場から押し出される可能性が高い。

サムスン電子の売上の39%はスマートフォンで、34%は半導体だ。したがって、スマートフォン事業と半導体事業で同時に技術的限界に直面したという事実は非常に深刻な問題である。サムスン電子がもしこのような技術的問題を解決できずにいる場合、サムスン電子は今後、没落の道を辿らざるを得ない。

技術力の限界とともに信頼の限界も懸念される。サムスン電子は2月にGalaxy S22を発売し、大々的に高い性能を広告した。ところが、サムスン電子が広告で打ち出した数値データはすべてGOSが作動しない状態で出たものだった。このような数値データを信じて購入した消費者は、高性能ゲームなど実際にスマートフォンを使用する際にGOSの作動により性能(AP、画面解像度など)が低下する不便を強いられるようになった。「時速300キロで走れるスポーツカー」という広告を信じて購入したところ「エンジンの加熱を懸念して時速100キロ以下で走行可能」という事実を後に知ったような裏切りを消費者が感じたのだ。

サムスン電子が技術的限界に直面したことは、韓国全体の状況をそのまま象徴すると言える。サムスン電子が日本のシャープと米国のマイクロンから半導体技術を学んで成長したように、今日の韓国はこれまで日本と米国の支援のお陰で成長できた。しかし、韓国には世界を帰る核心的な技術力が足りない。日米の支援のお陰で、例えば「1」から「2」や「10」を生み出すことは出来たが、「無(0)」から「有(1)」を想像する核心的能力は無いのである。これに関連してノーベル科学賞を受賞するかどうかは、これに対する傍証だ。GDP10位圏の国の内でノーベル科学賞の無い国は韓国が唯一だ。あわせて極東アジア圏で日本はもちろん、中国、台湾もノーベル科学賞を受賞したが、韓国だけが唯一無い。サムスン電子がメモリー半導体だけで頭角を現すだけで、高度な技術力を必要とするシステム半導体分野では台湾のTSMCに圧倒されていることや、日本政府の韓国向け中核素材(3品目)輸出審査強化措置で韓国社会全体が混乱に陥ることなどは、韓国に核心的技術力が無いために現れる現象といえる。

結果的に、今のサムスン電子が直面した危機は当初から核心的技術力が不足しているために現れたものである。したがってこの問題は短期間で解決できる性質のものでは決して無い。もう少し正確に言えば、過去に日本と米国が技術的に韓国に多大な貢献をしたように、今の日本と米国が再び核心的技術を韓国に提供すれば、韓国は再び躍進する可能性があると言える。しかし、そうするには韓国がこれまで日本と米国に対して見せた恩知らずの行為が大きすぎて実現する可能性はほとんどなさそうだ。このままではサムスン電子の墜落と共に韓国人の自尊心も墜落する状況を避けられない。



趙甲濟ドットコム「한국인의 자랑 ‘삼성전자’의 부진을 예고하는 두 가지 조짐(韓国の誇り「サムスン電子」の不振を予告する二つの兆し)」より一部抜粋

SnapdragonだけでなくExynosにも発熱問題があるから設計ではなく製造の問題...これがバンダーさんの主張ですね。
他にも、発熱の問題はSnapdragonの設計にあり、Exynosがその設計図をパ◯って ...参考にして作られたから同じ発熱問題を抱えている...そんな可能性もあるかもしれません。