米研究者「韓国はクアッド加入よりクアッドとの協力を模索する方向へ転換」という話

久しぶりにクアッド関連の話題が出てきました。
ユンさんは候補者時代、クアッド加入を事実上の公約のように話していました。大統領に当選したらすぐ入る(入れる)と言わんばかりに。
また、バイデンさんのアジア歴訪前には米韓首脳会談、あるいは日米首脳会談からのクアッド首脳会談の流れの中で「韓国」について何かしらの言及がなされるであろうことを想定したような記事が散見されましたが、結局、韓国に一言も触れられることなく終了してからは随分静かでした。

今回は韓国内部からではなく、米国のシンクタンクの研究員から「韓国のクアッドに対するスタンスが変わった」という分析が出てきた感じです。

 



聯合ニュースの記事からです。

ビクター・チャ「韓、クアッド対応に変化...会員国の地位を得るより協力を模索」


(前略)

米国シンクタンク戦略国際問題研究所CSIS)のビクター・チャ副所長は16日(現地時間)、研究所主催の「韓日および韓米日関係」討論で「韓国がクアッドについて話し合う方式に若干の変化が発生した」と述べた。

彼は「韓国はこれまでクアッドの地位を得ることに非常に集中しており、日本を含め一部障害と見なされる会員国の反対を乗り越える方案に注力した」と指摘した。
彼は「しかし、今や韓国は一歩退いて、どのようにクアッドと協力するかについて話しており、ワーキンググループを含め一部になりたい」とし「韓国はそのような側面で提案できる部分が多い」と言及した。

チャ副所長は「この5年間、米国と日本、オーストラリアとインドなど域内地域同盟は強化されたが、韓国は不幸にもこのような側面で深く根付かなかった」とし「域内および国際安保に対する韓国政府の観点に転換が発生したという点は重要だ」と指摘した。

(後略)



聯合ニュース「빅터 차 "韓, 쿼드대응에 변화…회원국 지위얻기보다 협력 모색"(ビクター・チャ「韓、クアッド対応に変化...会員国の地位を得るより協力を模索」)」より一部抜粋

ビクター・チャさんの発言は以前も何度か取り上げています。トランプ政権時代に駐韓大使に一度内定しましたが、その後取り消された(理由は不明)韓国系アメリカ人の朝鮮半島情勢の研究者です。

 

太字にした部分...「域内および国際安保に対する韓国政府の観点に転換が発生した」... これは韓国のクアッドに対する対応の変化としてはどうなんでしょう?私は韓国がクアッドに関心を払うのは、あくまで「国際サプライチェーンの枠組みから外されないため」ではないかと考えています。(これを「安保意識」と解釈することも可能ですが...)

クアッドは軍事同盟ではありません。しかし期待されている役割を考えれば「准軍事同盟」としての性格がないとは言い切れません。合同軍事訓練など軍事的な協力も含めた包括的な集まりですから。
だからこそ「サプライチェーンの枠組みだけ」としか見ない、あるいは気候変動など、他の国際協力の場でも協力可能な内容だけに特化しようとする韓国はクアッドから受け入れられなかったのではないかと思います。