日韓関係改善についての日本側と韓国側の温度差(@NATO首脳会談)の話

NATOでの日韓ネタです。日韓関係についての発言で速報まで出ています。2国間で首脳会談をしたわけでも無いのにコレだけ騒げるってのもある意味スゴイ気がします。
NATO首脳会談の注目度は高いのですが、その割に戦略概念改定に関する記事など、中身の部分を取り扱った記事はあまり見かけません。せいぜいがユンさんが「新戦略概念を支持表明」というくらいです。

韓国政府はともかくとしても、韓国メディアはNATOを単に「日(や米)首脳に会うための場」としか見なしていないのでは...?ふとそんな考えがよぎりました。

 



中央日報の記事からです。

ユン大統領「岸田総理、両国関係を発展させるパートナーと確信」


ユン・ソンニョル大統領が岸田日本総理に対し「両国関係を発展させるパートナーと確信する」と述べた。また「北韓の核が高度化するほど韓米日協力が強化されるだろう」と明らかにした。

(中略)

前日、初めて会った岸田日本総理に対しては「昨日、国王晩餐会で少し対話を交わし、本日、相当の時間、アジア・太平洋4ヵ国会議をするが私が受けた印象は岸田総理と韓日の懸案を解決し、両国共同の利益のために関係を発展させるパートナーになれると確信するようになった」と肯定的に話した。

(後略)



中央日報「尹대통령 "기시다 日총리, 양국 관계 발전시킬 파트너로 확신"(ユン大統領「岸田総理、両国関係を発展させるパートナーと確信」)」より一部抜粋

文脈から「印象」を語ったのは晩餐会の席で挨拶した段階であって、日韓豪NZ4ヵ国会談の前のはずです。
で、愛想よく歓談してくれたからイケる、と?そう言っているように受け取れるんですけど...。

うーん...なんかすぐ「印象」とか「心証」で判断しようとしますね、なんなんでしょう?謝罪に真正性を求めるのにも繋がる部分がある気がするのですが...。
もしかしたら、そこが現実のあり様より「本来あるべきあり様(こうであるべき)」を重視する儒教的考えが出ている部分かもしれません。
「日本は韓国に関係改善を願うべき(=あるべきあり様)なのだから、それが態度に顕れているはず。話した感じがイイ感じだったのはそのために違いない」と。


 

 

中央日報の記事には日本側の反応は一切書かれていません。
日米韓3ヵ国会談後の話ですが聯合ニュース共同通信朝日新聞の報道を引用する形で日韓の温度差を伝えています。
ただこの記事、旬のNATOネタかつ日本絡みであるにも関わらず、なぜかコメントが一件も書き込まれていません。

岸田「日本の一貫した立場を土台にユン大統領と緊密に意思疎通」


(前略)

共同通信によると、岸田総理は29日、韓米日首脳会談後、記者団に対し「韓日関係を健全な関係に戻すため、日本の一貫した立場をもとにユン大統領をはじめ韓国側と緊密に意思疎通していく」と述べた。

(中略)

韓日首脳は公式会談の代わりに短い時間、立って言葉を交わしたが、岸田総理の発言に対する両国の発表に違いが会ったと朝日は指摘した。

韓国側は岸田総理が「日韓(韓日)関係がより健全な関係に発展できるよう努力しよう」と明らかにしたが、日本側は「非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すため努力して欲しい」と発表した。

韓国側の発表は韓日双方が努力しようという意味だが、日本側の発表は韓国が先に解決策を出すよう要求する趣旨だと朝日は付け加えた。



聯合ニュース「기시다 "日의 일관된 입장 토대로 尹대통령과 긴밀히 의사소통"(岸田「日本の一貫した立場を土台にユン大統領と緊密に意思疎通」)」より一部抜粋

日本の一貫した立場とは当然「約束守れ」です。言っていることは今までと変わりません。
「両国関係を発展させるパートナーと確信」したというユンさんの心証などどこ吹く風...まあ、それが当たり前なんですけど。大統領が変わったとか、首相が変わったとかは副次的なもので問題の根本ではありませんからね。