韓国外貨準備高、2008年11月以来13年ぶりに最大の減少幅を記録した話

韓国の外貨準備高が2008年のリーマンショック以来、最大の減少幅となったそうです。
外貨準備高の金額ではなく、あくまで減少幅ではありますが、当局が通貨防衛のために介入を余儀なくされているものと思われます。

 



ペンアンドマイクの記事からです。

6月の外貨準備高、2008年の金融危機以来最大幅の減少...IMF勧告水準以下に墜落


(前略)

5日、韓国銀行が発表した外貨準備高統計によると、6月末基準で韓国の外貨準備高は4382億8千万ドルで、前月(4477億1千万ドル)より94億3千万ドル減少した。
このような減少幅はグローバル金融危機に見舞われた2008年11月(117億5千万ドル)以降。13年7か月振りの最大水準だ。

韓銀はこれに対し「その他通貨外貨資産の米国ドル換算額と金融機関の仮受金減少とともに、外国為替市場の変動性を緩和するための措置などに起因した」と説明した。

先月、ウォンドル為替レートが急騰し、2009年7月以降13年振りに1300ウォンを超えた当時の市場は外国為替当局の微調整物量が出たものと見ている。当局の介入規模は公開されていない。

外貨保有額を試算別に分けて見れば、国債社債など有価証券が1ヶ月前より62億3千万ドル減って4千億ドル台から下がり3千952億7千万ドルを記録した。
預置金は192億3千万ドルで26億4千万ドル減少した。

国際通貨基金IMF)に対する交換制通貨引き出し権利である「IMFポジション」(44億2千万ドル)と特別引き出し権である「SDR」(145億7千万ドル)はそれぞれ6千万ドルと5億1千万ドル減少した。

韓国の外貨準備高は5月末時点で世界9位だ。

(中略)

しかし韓国の外貨準備高は国際通貨基金IMF)が勧告する適正水準以下に下がった状態だ。

IMFは年間輸出額の5%、市中通貨量の5%、流通外債の30%、外国為替証券およびその他の投資金残高の15%などを合わせた規模の100~150%水準を適正外貨保有額としている。

IMFによると昨年、韓国の外貨準備高の割合は98.94%で、関連統計が作成された2000年以来、史上最低水準であり今年の割合はさらに下がる見通しだ。



ペンアンドマイク「6월 외환보유액,2008년 금융위기 이후 최대폭 감소...IMF 권고수준 아래로 추락(6月の外貨準備高、2008年の金融危機以来最大幅の減少...IMF勧告水準以下に墜落)」より一部抜粋

韓国銀行の説明が分かりにくいんですけど、これは通貨防衛のために介入したという意味でいいんでしょうね。

  2018年末 2019年末 2020年 2021年 2022年5月末 2022年6月末
(前月比)
外貨準備高 4,036.9 4,088.2 4,431.0 4,631.2 4,477.1 4,382.8(-94.3)
有価証券 3,796.0 3,850.2 4,098.4 4,216.9 4,014.9 4,382.8(-62.3)
預置金 137.3 128.5 202.8 166.3 218.6 192.3(-26.4)
SDR 34.3 33.5 33.7 153.7 150.8 145.7(-5.1)
IMFポジション 21.4 27.9 48.2 46.3 44.8 44.2(-0.6)

※単位=億ドル

韓国銀行の資料によるとこんな感じだそうです。(この他に金が47億9千万ドル)
先日、経団連が韓国の経済団体と会議を行った際に「スワップ再開」要請があったとかなんとか。
共同声明にはスワップの件は入っていないようなのですが、政府官僚でも無い経済団体が経済団体に要請する、というはあまりない事態のような気がします。使えるコネは何でも使えということでしょうか?