韓国外交部が裁判所に徴用訴訟解決に向けた「多角的努力」をアピールする意見書を提出した話

現金化の期日が近づいている徴用訴訟ですが、韓国外交部が大法院(最高裁)に問題解決に向けて努力中であることを訴える意見書を提出したそうです。
これにより、ひとまず現金化の処理を止めてその間に日本に妥協を迫ろうという考えでしょうか。

 



ソウル新聞の記事からです。

外交部「強制徴用賠償現金化」を前に「多角的努力」の意見書提出


(前略)

29日、法曹界によると外交部は26日、日本強制徴用加害企業である三菱重工業に対する商標権・特許権特別現金化(売却)命令事件が係留された最高裁に意見書を提出し、強制徴用解決のための外交部の努力を説明した。外交部は三菱重工業強制労働被害者ヤン・クムドク氏、キム・ソンジュン氏の商標権・特許権特別現金化命令事件を審理中の最高裁民事2部と3部にそれぞれ意見書を提出したと知られた。

外交部当局者は「政府はこれまで韓日両国の共同利益に合致する合理的な解決策を模索するため対日外交協議を続けており、官民協議会などを通じて原告側をはじめとする国内各界各層の意見を収集するなど、多角的な外交努力を傾けている」と述べた。

外交部が言及した最高裁見んぞ訴訟規則は「国家機関と地方自治体は公益と関連した事項に関して最高裁に裁判に関する意見書を提出することができる」という条項だ。外交部が強制徴用訴訟と関連して意見書を出したのは強制徴用被害者が出した損害賠償請求訴訟の再上告審が進行中だった2016年以降初めてだ。

(中略)

外交部は、韓日関係に大きな影響を及ぼしかねない現金化期限が近づく前に外交的解決策を講じるべきだとの認識から最近、被害者側の関係者や学界、言論界関係者などが参加する官民協議会を設け議論を進めている。

しかし、被害者ら*1を支援する団体である日帝強制動員市民の会と訴訟代理人団は官民協議会への不参加を宣言した状態であり、彼らが現金化手続きを引き続き進めれば官民協議会で解決策が導き出されても解決策が有効性を得ることは難しい見通しだ。外交界では早ければ8~9月にも該当事件に対する最高裁の最終決定が出てくる可能性があるという観測が出ている。



ソウル新聞「외교부, ‘강제징용 배상 현금화’ 앞두고 “다각적 노력” 의견서 제출(外交部「強制徴用賠償現金化」を前に「多角的努力」の意見書提出)」より一部抜粋

原告側が現金化処理を進められないように、との時間稼ぎであることは間違いないです。これをもって韓国側の「努力」とアピールしてきそうな所が鬱陶しいです。

しかし、記事中で触れられているように官民協議会に対する(自称)被害者たちの態度は冷淡です。現金化を止めたところで官民協議会が出す案に頷くとは思えませんし、日本も慰安婦合意の前例がありますからホイホイ乗るわけにいきません。



*1:原文は「할머니(ハルモニ;おばあさん)」。