「韓国経済はまもなく日本を超える...そのために対日友好協力関係をうまく活用せよ」という話

韓国経済がいつ日本経済を追い抜くか、という記事がありました。
長いだけで「いつ追い抜く」とは書かれていません。
「日本はもう落ち目。韓国はより高い成長率を見せている。しかし素材・部品の分野はまだ不安要素がある。日本をうまく踏み台にせよ」...そんな内容です。経済の話に見せかけた政治・理念の話です。

 



国民日報の記事からです。

目前まで迫った韓国、日本経済をいつ追い越すのか?[Deep & wide]


(前略)

日本は1990年からバブル経済が崩壊し始めた。以降「失われた10年、20年」で景気低迷が続いたが、2012年にスタートした安倍晋三内閣のアベノミクスが効果を示し、株式、不動産、就職率が上昇傾向に定着し、2017年には長期不況トンネルから抜け出したという評価も出てきた。だが、COVID-19で日本景気は再び沈滞に陥り、ついに「失われた30年」という単語が登場した。

大げさに聞こえた日本専門家の韓日経済力逆転の展望も今は日本内部で深刻に受け止めている。2012年4月、日本経済団体連合傘下の21世紀政策研究所は「グローバルJAPAN - 2050年予測と総合戦略」報告書で「失われた20年の状況が続けば、2030年頃には韓国に追い越される」という予測結果を発表した。以後、10年が経った昨年8月、韓国は国家競争力総合順位および多数の経済指標で日本を上回った。スイス国際経営開発大学院(IMD)と世界経営フォーラム(WEF)が発表する国家競争力評価とS&Pムーディーズの3大国際格付け会社の国家信用格付けで韓国が日本をリードしている。それでは本当に韓国が日本を追い抜き始めたのだろうか?

世界市場で日本に追いついた韓国企業
第二次世界大戦の敗北後、韓国戦争特需で日本経済は急成長し、1980年代、日本の電子産業は最大の繁盛期を享受した。

(中略)

しかし日本の電子産業もバブル経済の崩壊とともにアナログからデジタルに移行する時期に生まれ変わった意思決定の失敗により、世界市場で姿を消すことになった。特に高価なLCDを主力製品として頼っていたシャープは韓国企業の攻勢に押されて経営難に陥った後、2016年には台湾企業フォックスコンに買収された。1986年から10年間続いた日米半導体協定の影響で日本の半導体産業は衰退期に入り、依然として回復していない。世界市場で日本の空席を占めたのは韓国製品だ。家電ではLG電子サムスン電子が、半導体ではサムスン電子とSKハイニックスが1位と2位を占めている。

(中略)

日本の就職率が高まったのは持続的な人口の減少と2010年前後に第二次世界大戦直後に生まれた「団塊の世代」の本格的引退から始まった構造的人材不足のためだ。それで日本の学生たちは学業に熱意がない。日本の大学生は卒業を控えた学年の1学期はじめに就職内定を受けるが、人材難で5、6社から内定を受けた多くの学生は、学業に精進する動機がないということだ。過度な競争が良いわけではないが、内部競争が減り組織の競争力も弱めているものと見られる。

(中略)

最近の日本経済は内外要因による国家競争力低下で低い成長率を見せている。一方、韓国は日本より高い成長率を見せ、追い上げている。しかし日本の研究開発費(R&D)投資額は米国と中国に次いで世界3位だ。特に素材・部品分野の国際競争力は依然として優秀だ。韓国の対日赤字のうち大きな部分を占めているのもここにある。日本の素材と部品に対する依存度は依然として韓国経済を脅かす基準だ。2019年7月、安倍政権の半導体・ディスプレイ革新素材に対する輸出規制強化はこのような憂慮が現実になりうるということを示した事件だった。規制強化の背景についてはいろいろな分析があるが、目的は韓国の主力産業である半導体・ディスプレイ産業をサプライチェーンで日本の地位を利用して韓国政府に圧迫を与えようとすうことが明らかだった。すなわち、韓国経済に日本が及ぼす影響力を誇示するためだった。このような状況で韓国経済は日本を超えることができるだろうか?

韓国経済が日本を超えるためには、まず核心素材・部品の対日依存度を下げることが核心だ。日本が韓国の主力産業の供給網を揺さぶる脅しをしたが、3年が過ぎた今も被害無く過ごせるのはそれだけ韓国が該当分野の依存度を下げる対抗に成功したためだ。次に、対日友好協力関係をうまく活用しなければならない。韓国と日本は産業構造上、多次元的に相互に大きな影響を与えており、断絶できない関係になった。長期間に形成されたサプライチェーンを無理に断絶し変えようとするのは、むしろ私たちの競争力に悪影響を及ぼしかねない。したがって、日本との適切な協力関係は韓国経済が究極的に日本を超えて、より大きな成長をするのに役立つだろう。

(後略)



国民日報「코앞까지 붙은 한국, 일본 경제 언제 추월할까?[Deep&wide](目前まで迫った韓国、日本経済をいつ追い越すのか?[Deep & wide])」より一部抜粋

データを示しているのかと思いきや、全くそうではないです。
示されているのは日本の研究所が2012年に出したものと、2021年の国家競争力の格付け(国際格付け会社の格付けは思惑があるので無視)ですが、競争力、経済力の基準が何か不明のため「データ」とは言えません。

日本の大学生は学業に熱意がない、も根拠が示されているわけではなく、著者の「感覚」です。この理屈が成立するのであれば就職氷河期と呼ばれた世代は勤勉で競争力が回復しているはずでしょう。

「韓国が対日依存度を下げることに成功したからだ」という部分は多分、笑うところです。

最終的に対日友好協力関係をうまく活用しなければ~と言っていますけれど、言い換えれば「日本を利用して踏み台にしろ」です。

失われた10年、20年、30年」の間に日本を越えられなかった(GDPベース)のに、今後超えると考えるのは「衰退する日本、飛躍する韓国」を下地にモノを考えているからです。韓国の現状、展望はそれほど明るいものなんでしょうか?



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「私たちが日本を超えることが出来たのに、ユン・ソンニョルが大統領になったせいで多分飛んでいくと思う。今後5年間、韓国経済、安保、政治、外交がどれほど崩れるか~頭の弱い近所の子、依然YouTubeサンプロと茶の間で足を乗せたことなどなど、あの人は無い、バカだと全部見せたが、それを選んだ人たちは無知で生きていけないものたちがユン・ソンニョルを選んだので、少なくとも味方と敵は区別しなければならない」(共感329 非共感16)

「バカたちが国をまとめて食べると、賢い人たちがまた生かす!!
 ある程度先進国入りをさせると~!!
 またボーっとした人たちがまとめて~!!!
 ユン政権以降、墜落することだけが残っているのに...追い越しなんて~~~
 各自生き抜け!!ユン式公正で~!!選択的怒り~!!それが現在の姿だ!!」(共感186 非共感4)
 
「日本の半導体輸出規制の状況をよく思い出そう。朝中東*1親日経済学者たちは、韓国を滅茶苦茶にしてすぐ跪かせよう、と言ったことを今でも鮮明に覚えている。しかし韓国政府は堂々と立ち向かって勝ち抜き、そのお陰で日本を越えられる自信を持っている。逆だったらどうなっていたかな?」(共感166 非共感1)

「経済力は一人当たりではありません。
 日本は現在、世界3位の経済大国です。
 人口は大韓民国の2.5倍の内需で暮らしています。
 国家GDPは韓国の約3倍にならないでしょう。
 まだ日本に追いつくという話をしている時ではありません。
 着々と30年ほど目標をもって進め、国家GDP2/3以内に追いつく必要があります。
 全体経済力に追いつくのは人口のため簡単ではありません。
 あんまり良い記事は嬉しくありません」(共感152 非共感8)