韓国国防部、自衛隊観艦式への参加検討中、また日航空機対応指針の廃棄も検討中という話

今年11月6日に海上自衛隊が国際観艦式を実施します。韓国海軍が正式に招待されているのですが参加が適切かどうか議論になっています。

韓国国防部長官は野党議員からの委員会質問を受けて「(参加については)国際慣例など総合的に考慮する」と回答しています。また観艦式参加に関連付けられる形で、先日明らかになった「日本航空機対応指針」の廃棄が検討されているという話の事実確認がありましたが、国防部長官は廃案検討を「事実」としつつも、「観艦式とは別問題」と回答しています。ここにきちんと線を引いたのは真っ当な判断だと言えるのではないでしょうか?

 



SBSの記事からです。

イ・ジョンソプ「日本観艦式参加考慮...レーダー指針撤廃検討」


日本海自衛隊創設70周年関連の国際観艦式に韓国海軍を招待したことについて国防部のイ・ジョンソプ長官が「国際観艦式の概念と慣例などを総合的に考慮して決める」と明らかにしました。

イ長官は今日(29日)、国会国防委員会全体会議で正義党所属のペ・ジンギョ議員の質問にこのように答えました。
軍事外交行事である観艦式に参加するかどうかをめぐって韓国と日本はそれぞれ政界を中心に賛否論争を繰り広げています。

韓国の政界では日本海軍が海上自衛隊の旗として「旭日旗」を掲げる行事に参加できないと反対しており、日本国内では極右強硬派を中心に「李舜臣の旗が来るようにしてはならない」と反対しています。

2018年に韓国で開かれた国際観艦式に日本政府は旭日旗を掲揚してくると言っていましたが、韓国政府の反対に参加しませんでした。
1998年と2008年に韓国の釜山と鎮海で開かれた国際観艦式には日本が「旭日旗」を付けて参加したことがあります。

民主党のキム・ヨンベ議員は、国防部が日本海自衛隊の観艦式に参加しようと両国の軍事葛藤事案である「日本航空機対応関連レーダー指針」の撤廃を検討しているのではないかと問い詰めました。

イ長官は「廃棄を検討する事案は正しい」としながらも「海上自衛隊観艦式参加検討と日本航空機対応指針の廃棄検討はそれぞれ別事案」と釈明しました。

(後略)



SBS「이종섭 "일본 관함식 참가 고려…레이더 지침 폐기 검토"(イ・ジョンソプ「日本観艦式参加考慮...レーダー指針撤廃検討」)」より一部抜粋

一応言っておきますと、「日本海軍が海上自衛隊の旗として「旭日旗」を掲げる行事(原文「일본 해군이 해상자위대 깃발로 '욱일기(旭日旗)'를 내거는 행사」)」の部分は誤訳ではありません。

旭日旗を掲げる行事に参加できない、と言っていますが韓国海軍は2015年には普通に参加しています。都合が悪いからでしょうか、記事はそこに触れていません。

日本国内で「李舜臣云々」を反対理由に挙げているのを私は聞いたことがありません。レーダー照射事件が有耶無耶になっている現状を問題視した反対論ならいくつか聞きましたし、そちらの方が主流に思えますがどうでしょう?

SBSの記事は「両国共に葛藤がある」を前提にしたがっているように見えます。韓国が「お互い様」を持ち出す時は自分たちにとって都合が悪いことを誤魔化そうとしている時と考えてまず間違いないです。

日本にとっては「レーダー照射事件」を理由に反対論が上がることは個人的に良い傾向だと思っています。
というのも、今月11日に日韓の防衛当局の局長級定例会議が復活しました。その際、韓国側の報道で「レーダー照射事件から4年近く経った今、事件の真相を究明するよりも交流を復元する方に議論がなされる(との観測も出ている)」という話が出ていました。あからさまに有耶無耶を望んでいると発信しているわけです。(上記引用元のSBSの記事でも「レーダー照射事件」には一言も触れていません)
こうした状況で、(韓国メディアが報道しようがしまいが)「レーダー照射事件」を理由に反対する声が上がることは健全なことでしょう。