徴用訴訟場賠償問題の解決模索のための官民協議会、突然の幕切れの話

徴用訴訟賠償問題について「現金化」を避けるための解決策を見つけるとして立ち上げられた官民協議会が、期間としてはわずか2ヶ月、たった4回会合を開いただけで活動を終了しました。
いや、そもそも始まってすらいなかったのかもしれません。
なにせ、最終的に出てきた結論が「日本の謝罪が必要」であり、初回から最終回まで恐らくメインで話し合っていたであろう「代位弁済」案は、「韓国政府の予算が投入されるのは望ましくない」ですから。何一つ進展はありません。

 



ヘラルド経済の記事からです。

「強制徴用賠償に政府予算の使用は不適切...日本の謝罪が必要」


(前略)

外交部は5日、チョ・ヒョンドン第一次官の主宰で午後3時から午後5時まで第4回官民協議会を開催した。政府はこの間、対日交渉努力を紹介する一方、参加者らは△被害者側の立場△最高裁の賠償確定判決履行△履行主体と判決金支給財源△強制徴用問題対象者規定△日本の謝罪△追慕・研究事業など追加措置などこれまで議論されてきた争点を総網羅して討議した。

特にこの日の会議では、賠償問題に対する解決法として議論されてきた「代位弁済」について議論が続いた。日本の被告企業の国内資産売却(現金化)を防ぐためには賠償金を被害者に支給するために財源を造成しなければならないが、被害者側は責任具現のために日本企業が必ず参加しなければならないという立場だ。会議では日本政府が自国企業の財源参加を容認するかどうかがまた別の問題だという点が言及された。

債権者(被害者側)の同意を前提としない案のうち、日本企業の債務を買収する案も話し合われた。参加した法曹界関係者などは元債務者の債務はそのままある状態で第3者が新たに債務を買収する「併存的債務買収」方案を挙げたと知られた。外交部当局者は「政府予算で代位弁済することは望ましくないというのが参加者の衆論」とし「新しい財団が新設されたり強制動員被害者支援団体など既存の組織も役割を果たせるのではないかという意見があった」と話した。

日本の謝罪問題に対しては被害者mp協議会も必ず必要だという立場だ。特に被害者側は日本企業の謝罪を要求している。ただ謝罪の主体や水位などは日本の呼応がなければならないため協議会が具体的な水準を提示することは難しいという趣旨で議論が出た。

日本の誠意ある呼応がカギであるだけに今後の政府の対日交渉が重要になる見通しだ。

(中略)

被害者側が三次会議から参加してこなかっただけに政府は官民協議会形式はコレ以上侵攻製図に被害者側と専門家たちと意見を継続して取りまとめ「政府案」を導き出す作業を進行する展望だ。当局者は「真剣にできるだけ迅速に方案を用意できるよう努力している」と述べた。



ヘラルド経済「“강제징용 배상에 정부 예산 사용 부적절...日사과 필요”(「強制徴用賠償に政府予算の使用は不適切...日本の謝罪が必要」)」より一部抜粋

結局、官民協議会というのは「継続努力中」を演出するための装置でしかなかったんですね。最高裁の「審理不続行判断の保留」で必要なくなったからお片付けした、と。その際に、(自称)被害者と国内世論側を納得させようと「日本の謝罪が必要」と言っておいた、と。
邪推ですけど2日にパク・ジンさんが(自称)被害者側に会いに行ったのはこのシナリオを伝えるためだったのかもしれませんね。

しかしこれでよく分かりました。官民協議会は先入観なく色んな観点から話し合う目的で立ち上げられたという触れ込みでしたが、「韓国最高裁の判決」の是非に踏み込むつもりは微塵もなかったということです。
「日本の誠意ある呼応がカギ」としている所からも「韓国が何かする必要は無い。日本が謝って金を出せば済む話」と考えていることが伺えます。いかに日本に謝らせるか、いかに日本に金を出させるかを「協議」するのが官民協議会の役割。少なくとも記事の認識はそうなのでしょう。

これは言い換えると「日本側の主張」について精査するつもりが元々無かったと同じ意味でしょう。韓国では「話を聞く」と「相手の言い分を認めた」ことになりますからね。