米副大統領のハリスさんが安倍さんの国葬に米国代表として参列した後、韓国に向かうとのことです。
韓国では連日インフレ削減法の件が報じられていることもあってか速報まで出ました。ペロシさん「パッシング（韓国メディア言）」で棒に振った「韓国の立場を伝える」絶好の機会として注目されています。
しかし一方で、すでに議会を通過し大統領の署名まで済んだ法案ですから今更取り下げてもらうことは無理です。それは韓国も重々承知した上で「例外」としてなんとか認めてもらおうというわけです。そのために二国間の協議体を立ち上げて代案を話し合うみたいです。韓国を「例外」として認めるのであればそれなりの名分や対価が必要でしょうから、恐らくそれを含めて代案なんでしょう。
韓国的にはバイデンさん訪韓時にすでに大々的に発表された韓国企業の大規模投資が対価になると考えているかもしれませんが、そういう所、契約社会の米国は強かですから「それはそれ、これはこれ」で別途要求してくるような気がします。
時事ジャーナルからです。
「ペロシ・パッシングの後遺症」、ハリスで挽回？...肩の荷が重くなったユン大統領
（前略）
大統領室は8日、ユン大統領が今月29日にハリス副大統領と接見すると明らかにした。大統領室は「韓米関係強化案をはじめ、北韓問題、経済安保、主要地域および国際懸案など相互関心事について意見を交換する予定」と説明した。
米ホワイトハウスも7日（現地時間）、ハリス副大統領が今月25〜29日に韓国と日本を訪問すると公式発表した。ハリス副大統領は日本政府が27日に挙行する安倍元総理の国葬に米国政府代表として参加した後、29日に訪韓する。
米政府のナンバー2である副大統領での訪韓は2018年2月、マイク・ペンス当時副大統領が平昌冬季五輪を契機に韓国を訪問して以来、約4年6ヶ月ぶりのことだ。
ユン大統領はハリス副大統領に米インフレ削減法（IRA）による韓国国産電気自動車差別問題の早期解決を要請するものと見られる。ジョー・バイデン大統領の署名まで既に終わった事案だが細部条項などを修正または調整する余地が残っているというのが韓国政府の立場だ。
韓国の反発にも「代案がない」という立場を固守してきた米当局は最近、電気自動車差別関連の別途協議体の構成に合意するなど気流の変化が感知されている状況だ。
（中略）
米国を訪れたアン・ドクグン通商交渉本部長は前日、米貿易代表部（USTR）代表とワシントンDCで会談した後、「USTRと二国間協議体の構成を今日（合意）し、これに対する具体的な協議を開始させることにした」とし、「最大限可能な限り多くの代案について議論を続ける」と述べた。
（中略）
主要外信と外交街では、ユン大統領が8月初めに訪韓したナンシー・ペロシ米会員議長を「休暇」理由で事実上「パッシング」したことによる影響が結局、韓国産電気自動車補助金支給除外にまで繋がったという分析が出ている。バイデン大統領がIRA法案に署名する前にペロシ議長に韓国の立場を十分に伝え協議して「実利」を得るべきだったが、これをこれみよがしに「パッシング」し状況が崩れたということだ。
（中略）
ハリス副大統領の訪韓を控え、韓国政府の水面下の動きがさらに早まるものと見られる中、大統領室は「ユン・ソンニョル政権発足後、韓米同盟強化に対する両国政府の堅固な意志を反映するもの」と意味付けた。
時事ジャーナル「'펠로시 패싱 후폭풍' 해리스로 만회?…어깨 무거워진 尹대통령 （「ペロシ・パッシングの後遺症」、ハリスで挽回？...肩の荷が重くなったユン大統領）」より一部抜粋
ペロシさんに会っていたところで状況が変わっていたかは分かりませんけどね。
いつもの「韓国の立場」を話せば伝わる論でしょうが、まあ法案が議会を通過する前に話せるチャンスを自ら棒に振ったことは確かです。そこは責められても仕方ないでしょう。
記事へのコメントは34件です。反応はほとんどありません。
「ペロシが訪韓した時に直接会って哀願して議会通過を阻むべきだった。米議会通過、バイデンがサインしたことを副大統領が何の力で覆すだろうか。お前らの外交力量とは目に見えるほど無いように思える」（共感23 非共感0）
「外交はムン・ジェイン政府がキレイにするようだね。ムン・ジェインの外交は親中という誤解を招いたが、結果的には米国に比重を置いた均衡外交だった。パク・クネ、ユン・ソンニョルらのニセ保守たちは右往左往の双方に怒りを買った殴打誘発外交だけをしている。米国の反対にも戦勝節に参加してから、しないと言っていたサード配置もすぐにしてしまったパク・クネ政府の外交は本当に誰が見てもコメディーだった。ユン・ソンニョル政府もそう進んでいるし。狂った外交術www」（共感16 非共感3）
「今更何ができる」と言いたくなる気持ち、分からなくもないですけれど、何もしなければしないで文句言われますから。なんというか...下手ですよね、ユンさん。
