日本でもリメイクされたドラマの舞台となった韓国・梨泰院でハロウィンパーティーに集まった人たちが将棋倒しになる事故がありました。
記事を書いている現時点で死者は151名、けが人は82名と発表されています。死者のうち19名は外国籍で日本人も含まれています。
犠牲となられた方々とそのご遺族にはご冥福とお慰めを、けがをされた方々には1日も早いご快復をお祈り申し上げます。
事故の原因については、警察の捜査待ちとはいえ複合的な要因が考えられると思います。現場が坂道だったとか、（ふざけて）押し合いをしていたというような目撃者の話もあります。周辺の飲食店が道端にテーブルや椅子を置いて人道を塞いでいたことも原因の一つに考えられるかもしれません。とにかく、これだけの事故の原因をたった一つに特定して責任を問うというのは難しいだろうと思います。
とはいえ事故発生後、多くの人出のために消防・救急の現場到着が遅れたり、助けを求める声が聞こえていながらマイペースに動画や写真を撮影し続けたり...リアルタイムに現場にいた当事者でありながら、多くの人が「自分たちが楽しむこと」を優先したという事実には、やるせない気持ちになります。
そして、この痛ましい事故を早速政争に使おうという動きがありました。本当はこの事故の件を当ブログで取り上げるつもりは無かったのですが...どうしてもセウォル号の流れを思い出してしまったので。
イーデイリーの記事からです。
「梨泰院事故、ユンの大統領府移転のため」...ナム・ヨンヒ、結局書き込み削除
（前略）
30日午前8時頃、ナム副院長は自信のフェイスブックに「梨泰院惨事は青瓦台移転のために起きた人災」として「ハロウィーン祭りに10万人が集まると予想した報道があったが、警察など安全要員配置は当初不可能な状況だった」と指摘した。
彼女は「大統領の出退勤に投入され、昼夜夜勤までと苦しい胸の内を吐露している警察人材が700人、麻薬および性犯罪取り締まりに血眼になって投入された警察200人、全員が龍山警察署管轄人材」とし、その理由を説明した。
ナム副院長は「普段と違って途方もない人出が集まると予想しながらまともに安全要員配置が出来なかった無能な政府の素顔」と表現し「百歩譲ったとしてもこのすべての原因は龍山国防部大統領室に集中した警護人材のせいだ。拙速に決定して強行した大統領府移転が引き起こした大惨事だ。依然として瑞草洞のアクロビスタから通勤する珍しい大統領のユン・ソンニョルのためだ」と批判した。
（中略）
最後にナム副院長は「祭りを楽しもうとする国民を守ることが出来なかったユン・ソンニョル大統領はこのすべての責任を負って退け！」と叫び、イ・サンミン行政安全部長官、オ・セフン・ソウル市長の辞任も要求した。しかし該当文章は削除されている状態だ。
（中略）
先立って共に民主党のパク・ホングン院内代表もまたこの日午前、所属議員に送ったメッセージを通じて「議員をはじめとする所属地方議員と補佐人などの発言やSNS掲示などに非常に慎重を期するよう管理してほしい」と頼んだ経緯がある。
（後略）
「"이태원 사고, 尹 청와대 이전 때문"…남영희, 결국 글 삭제（「梨泰院事故、ユンの大統領府移転のため」...ナム・ヨンヒ、結局書き込み削除）」より一部抜粋
この手の発信って日本でもすぐ消す人が居ますが、消せばなかったことになるわけじゃないんですよねぇ。
公人ないし公式のアカウント発表は元の発言を残した上で訂正、謝罪を行うなり、経緯が分かる履歴を残す形の方が対応としては好ましいように思いますが...。
記事へのコメントは2060件。反応は「良い情報：740 興味深い：6 非常に共感：87 良い分析：5 続報期待：44」です。
「間違いなく政治利用が始まったね。またすみません、ありがとうをやろうと？」（共感3485 非共感143）
ナム・ヨンヒ、あなたは人なのか？未来ある20代が大勢圧死した。責任を問いたいなら収拾してからええもいい。それを我慢できず第二のセウォル号を作りたいと思うのか？あなたは人なのか？あなたのようなゴ〇こそ、どうぞ土と一体化してほしい」（共感2531 非共感115）
「まず政府のせいから長々書いて、冥福は最後に一行で祈る人間性が嘆かわしい。あの時と少しも変わらないゴミにもなれなかった政治家たち」（共感1330 非共感47）
「狂った民主党は空中分化すべきだ。どうしてこんなことが。扇動操作党。すぐに。空中分解。退出させなければならない」（共感1189 非共感117）
「www！！冥福を祈ります！TT？どういう意味だろう？タコモン*1がセウォル号の子供たちに申し訳なく感謝した気持ちと同じ気持ち？また人の死を政治的に利用して扇動するということだね？事故から何時間も経っていないこの状況で、もうそんなことを考えるのか？野卑な人間たち！！」（共感260 非共感6）
「すみません、ありがとう（미안하다. 고맙다）」はセウォル号の犠牲者弔問の記帳（ゲストブック）にムンさんが書いた文言の一部です。犠牲者に「ありがとうとは？」と、かなり批判がありました。
*1:ムンさんのあだ名の一つに「タコ（문어）」がある
