今年の5月にはルナコインの大暴落とそれにまつわるテラのゴタゴタがありました。テラ2.0も出されましたが結局うまく行きませんでした。
発行元であるTerraform Labsの共同設立者のクォンさんには韓国検察から逮捕状が出されています。彼は暴落の一ヶ月前からシンガポールで居住していましたが、9月の時点でパスポートが取り消されビザの更新も出来ず間もなくシンガポールを出国、ドバイに向かったことまでは分かっています。しかしUAEへの入国記録は無く、経由して第三国に出国した可能性が高いとされています。
韓国のゲーム会社WEMADEは「ウィーミックス」という自社コインを発行しています。自社のモバイルゲームと連動してアイテムの売買に使用できるような仕組みだったようで、CryptoSpellsみたいな一種のPlay to earn(ゲームをプレイしてお金を稼ぐ)系のもののようです。
この「ウィーミックス」が98%暴落しました。理由は韓国内5ヶ所の取引所が流通量などの公示に重大な誤りがあったとしてウィーミックスの上場廃止を決定したためです。
朝鮮日報の記事からです。
コインの裏切り...韓国産「ウィーミックス」98%暴落
一時、時価総額4兆ウォンに達した仮想通貨ウィーミックスが24日、アップビット・ビッサムなど国内主要取引所で上場廃止決定が出て仮想通貨業界が再び暴風に包まれることとなった。上場廃止発表前に2100ウォン台で取引されていたウィーミックスは25日、500ウォン台に暴落し、同日発行会社のゲーム会社ウィーメイドと系列会社の株価は一斉に価格制限幅(30%)まで下がった。
ウィーミックス投資家の大部分が国内取引所を利用するだけに国内投資家の被害が避けられない状況だ。国内投資家らは来月8日上場廃止前までにウィーミックスを売却するか海外取引所に移さなければならない。特に5月に世界時価総額10位圏内から一夜にして紙切れになった「韓国産コイン」テラ・ルナ事態と、先月世界3位の仮想通貨取引所FTX破産保護申請に続き、上場会社ウィーメイドが発行したウィーミックスまで不透明な運営を理由に上場廃止と言う結末を迎えることになり「仮想通貨経済」に対する根本的な疑問が提起されている。
(中略)
24日、アップイット・ビッサムなど国内仮想通貨取引所5ヶ所の連合体であるダクサ(DAXA)は「流通量公示に重大な誤りがあり、透明性も不十分だった」としてウィーミックスの上場廃止を決めた。一言で言って時価総額を偽ったということだ。取引所が大きな企業は潰せないとの予想を覆して上場廃止という強硬策を取ったのは、仮想通貨の信頼性下落をこれ以上放置できないという危機意識も作用したものと見られる。これに対しウィーメイドは25日に記者会見を行い「この1ヶ月間に十分に透明性を確保し、再発防止策も提示した」として「仮処分申請など出来るすべての措置を取る」と反発した。
国内5大仮想通貨取引所(アップビット・ビッサム・コインワン・コビット・ゴックス)連合体であるダクサ(DAXA)が24日、ウィーミックス上場入り理由として明らかにしたのは流通量不一致と誤った情報提供、透明性が不十分で信頼を傷つけたというのが核心内容だった。今回の事態はウィーメイドが事前に明らかにしたウィーミックスの流通量より30%ほど多い量が流通しているという事実が知らされたのが発端だった。ウィーメイドは「担保貸出用と企業買収および投資用とに預けておいたウィーミックスが流通量として捉えられた」と釈明したが上場廃止を防ぐことはできなかった。
(中略)
昨年の仮想通貨熱風で「稼ぐゲーム(P2E・Play to earn)」がゲーム業界の話題に急浮上し、ウィーメイドの勢いも急激に大きくなった。昨年初め1万9000ウォン台に過ぎなかった株価は同年11月、取引中24万5700ウォンまで急騰した。ウィーミックス相場も共に2万8000ウォンまで上がり、一時は時価総額4兆ウォン(コインマーケットキャップ基準)を記録したりもした。ウィーメイドは発行したウィーミックスを売却して企業を買収したり、これを担保に融資を受けて事業を拡張してきた。
(中略)
しかし今年に入ってウィーメイドの「稼ぐゲーム」戦略は随所で破裂音を出し始めた。1月、ウィーメイドがウィーミックス2550億ウォン分を売却した事実が明らかになり議論が起きた。ウィーメイドは自社が発行した仮想通貨を何の事前公示もなしに売却しただけでなく、これを第4四半期の売上として反映したものだ。前例のないことに株式市場と投資家は混乱を経験し、ウィーメイドは「今後、四半期ごとに仮想通貨発行および使用先を公示する」と約束した。それでも今回の流通量論難事態で公示が不十分だった点が明らかになり結局上場廃止と言う結末を迎えることになったのだ。
(後略)
朝鮮日報「코인의 배신… 한국산 ‘위믹스’ 98% 폭락(コインの裏切り...韓国産「ウィーミックス」98%暴落)」より一部抜粋
まだ規制の追いついていないジャンルなんですよね。規制が無いからこそ、巧く乗れれば短期的に急成長できるチャンスもあるのですけれど、裏を返せば投資家が保護されていないということです。
長居は禁物。絶頂期が来る前にさっさと手じまいして後は傍観するくらいの見極めが出来る人でないと難しい市場なんじゃないかと思います。
先日のFTX破綻と絡めて仮想通貨市場全体の「信頼性の低下」を問題として見る向きもあるようですが...今回のと仮想通貨(FTX破綻)をイコールで結ぶのはちょっと違う気がしなくもありません。ある意味ではそうなんでしょうけど。
「投資」と称してその実「投機」に群がっている金融リテラシーの低さとか、そうしないと「成功」出来ないと思い詰めて借金してまでつぎ込むとか...構造としては不動産投資と同じですよね。
根っこも同じ問題をはらんでいるんでしょう。不動産投資に夢を託す人たちは自分たちの「上」の世代がやっていたことをマネしてるということなので、モノが不動産か仮想通貨かの違いでしょう。