DRAMの在庫日数15週、第1四半期からほぼ倍増の話

もういくつも寝ずにお正月です。皆様、新年を迎える準備は万端でしょうか?
私は全然です。今年は大掃除をサボったせいか、全く年末感がありません。しなきゃしなきゃと思いつつ出来なかったので諦めました。人間諦めも肝心です。旧暦(1月22日)合わせで大掃除します。


閑話休題
今年の下半期、メモリ半導体市場は供給過多により在庫がダブつくと言われていました。7月を境に各社一気に業績が悪化し、現在も続いています。一時期、この状況は来年上半期には解消され景気は回復すると楽観的な見方もありましたが、どうも難しそうです。

メモリ半導体を主力とする企業は9月以降、来年度の生産量や設備投資の調整を進めています。キオクシア(旧・東芝メモリ)はNAND型フラッシュメモリのラインを3割ほど絞るようですし、マイクロンは設備投資費を3分の2に減らし、生産ラインを2割ほど減らすと発表しています。SKハイニクスも設備投資費を半分まで減らすリリースを出しました。サムスンだけはまだコレといった調整計画を発表していません。

強気なのか、何も考えていな...楽観的なのか、内情は実はそれほど悪くないのか...実際のところは分かりませんが、統計資料を基に算出された推算値では着実に在庫が積み上がっており、今年の第1四半期はせいぜい6~7週間程度であった在庫が倍以上の15週間と集計されました。3ヶ月生産ラインが止まっても困りません。
SKハイニクスに至っては39.5週間という異次元の規模です。



毎日経済の記事からです。

サムスンも「在庫大乱」避けられないのか...10年ぶりの半導体赤字危機[ウィークリー半導体


(前略)

市場調査会社のトレンドフォースと証券業界によりますと、今年第4四半期始め基準でサムスン電子とSKハイニクス、マイクロンのDRAM在庫日数はそれぞれ15週間と集計されました。今年第1四半期までは6~7週間に過ぎなかった在庫日数が2倍以上増えたのです。特に証券業界は今年末基準でSKハイニクスの在庫日数が39.5週まで増えたと見ています。ナム・テジョン・イーベスト投資証券研究員は「SKハイニクスの在庫水準を見れば来年は在庫だけで営業が可能なほど」と話しました。

統計庁が発表した「11月産業活動動向」によると、半導体生産は11.0%と大きく減少しました。半導体は8月(-12.8%)以来3カ月ぶりの最大減少幅を記録しました。世界景気の鈍化と情報技術(IT)需要が鈍化し、半導体生産も減少幅を拡大しています。生産能力対比実績を意味する製造業平均稼働率は73.1%で、前月より0.6%p上昇しましたが、半導体(-20.3%)、通信・放送装備(-26.9%)、電気装備(-9.2%)などが全て減り、前月より2.4%減りました。

(中略)

在庫が増える速度で輸出低迷を計ることが出来ますが、製造業の在庫は前月より1.4%増えました。在庫と出荷比率である在庫率は127.6%で前月比4.8%上昇しました。出荷が3.8%減少する間に在庫は6.2%増えました。

問題は在庫が積み上がるほど半導体業者が「在庫処分」をして価格が下がり、これが収益に影響を与える悪循環が続くという点です。サムスン証券によりますと、今年第4四半期基準のDRAM価格は昨年同期より42%下落するものと推定されています。来年の第2四半期には前年同期と比べて半値になるという予想まで出ています。

(中略)

大信証券は最近の報告書で、サムスン電子半導体事業部門の営業利益推定値を第1四半期695億ウォンの赤字、第2四半期674億ウォンの赤字と予想しました。サムスン電子半導体事業部門が営業赤字を記録したのは2009年の第1四半期(7052憶ウォンの赤字)が最後です。

(後略)



毎日経済「삼성도 ‘재고대란’ 못 피하나...10년만에 반도체 적자 위기 [위클리반도체](サムスンも「在庫大乱」避けられないのか...10年ぶりの半導体赤字危機[ウィークリー半導体])」より一部抜粋

サムスンの赤字予想は今年2022年の実績の予想です。サムスンはメモリ半導体部門の売上高・営業利益を公表してないので推定値になります。
SKハイニクスの第3四半期の営業利益は1兆6556億ウォンです。前年同期比60.3%減少しました。また第4四半期だけで1兆5000億ウォン前後の赤字を出すとの予想もあります。



記事へのコメントは38件。反応は「良い情報:2 興味深い:1 非常に共感:12 良い分析:1 続報期待:4」です。

「ムン罪人5年、イ・ジェヨン会長をさつ人的裁判所出頭と監獄に閉じ込めた結果だ。半導体は時間との闘いとトップの判断に勝敗が左右されるという。サムスンが上手く乗り切れると信じて応援する」(共感101 非共感35)

「文字通りこれがチキンゲームだ。半導体企業の在庫が沢山貯まっていて価格は下がって。このような時に持ちこたえれば、既存の市場占有企業の中で倒れる企業が出てくる。その後に市場が回復すれば他の企業の市場占有率がそれだけ上がることになっている。こういう時に現金を持っているのが最高。サムスンでこのような場合に備えているかは分からないが、現在100兆以上が積み上がっているサムスンのことは心配しない。サムスン生命法はまあ...民主党ころし屋だし。半導体は景気敏感株だ。景気が回復すればハンド歌が一番先に起き上がり、1株当たり6万ウォン台だが、着実に買い集めている。サムスンが生きてこそ我が国が生きる」(共感52 非共感6)

「メモリ半導体、本当に生産施設を建設し過ぎだ。韓国も生産施設をすごく増やしたし、SKはヨンインに大規模?さらに中国も大規模生産。米国、日本も欧州も天文学的投資中」(共感4 非共感1)

サムスン生命法」というのは、持ち株比率を株を取得した時の金額ではなく「時価」で制限しようという規制法案です。これが成立すると、サムスン生命は保有中のサムスン電子株式を大量に手放す必要が出てくるそうです。

一部コメントに「メモリ半導体」と、各国の「半導体投資」をゴッチャにしている様子のものがありますが...まあ、半導体大国と言っても普通はそんなもんですよね。