日米首脳会談、日本の防衛力強化改めて支持、ユンさんの「独自核保有」には「朝鮮半島の非核化路線変わらず」な話

日米首脳会談が実施されました。予想通り日本の防衛力強化についてバイデンさんは全面支持、同盟強化を表明しました。
一部外信では「中韓が憂慮している」と報じているようですが、防衛力強化は明記されていないだけで「中国」の動きを懸念したものでもあります。韓国は日本の正式な軍事同盟国ではありません。

というか、この2ヵ国とも自国は軍事力強化しておいて日本はダメ、というのが意味不明です。こう言うと「過去の侵略行為が~」と言いますけれど、「過去」はもう起こったことでこれから起こる「かもしれない」ことではありません。そこは履き違えないで頂きたい部分です。
万が一に備えて防衛力を強化することと、それをどのように行使するかは別問題として議論されるべきではないでしょうか。

 



世界日報の記事からです。

外信「米・日首脳、中国に対応するため軍事強国化協力」評価


(前略)

ニューヨークタイムズ(NYT)はバイデン米大統領岸田文雄日本総理の会談内容を伝え「両国同盟を強化することでこの同盟をアジア安保問題のリンチピン(車輪を固定する核心部品)にするためのもの」と解釈した。NYTは特に日本政府が、いわゆる「3大安保文書」を改正して約1ヶ月ぶりに今回の首脳会談が開かれたという点を指摘した。

(中略)

NYTは「岸田総理がバイデン大統領と米当局の明確な支持を得た」として「日本の軍事力増強の動きが、もう一方の米国の同盟国である韓国には憂慮を引き起こす恐れがある」と分析した。

(中略)

ブルームバーグ通信は「岸田総理が(3大)安保文書改正に対してバイデン大統領の公式的な支持意思を得ようとし、これを受け入れた」と伝えた。ブルームバーグは中国だけでなく韓国も日本の安保文書改正を批判する立場だという点を付け加えた」



世界日報「외신 “美·日 정상, 中 대응 위해 日 군사강국화 협력” 평가(外信「米・日首脳、中国に対応するため軍事強国化協力」評価)」より一部抜粋

 



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「必ず核保有しなければならない。中国、日本と同等になるには核しかない。いつまで押されて生きていくのか。国民は経済制裁に耐えることができるだろう。必ず核保有せよ」(共感68 非共感5)

「政治家たち、肝に銘じよ。日本が国防を取り戻せば。我が国も核を作らなければならない。米国を信じて。ウクライナ状況になる。国力が優先だ」(共感18 非共感0)

中国はともかく日本は核を保有していないのに、「同等」になるためには「核保有しなければならない」とは、北朝鮮と同じく「核の威」を借りなければまともに外交できないということでしょうか?



これと関連して11日、ユンさんは外交部・国防部の業務報告の場で韓国独自で核武装する可能性について言及したことがあります。
北朝鮮の挑発行動がより深刻化した場合」という前提が付きで、また、オプションとして「米国の戦術核を韓国に配置するかどうか」または「自ら核を保有することもできる」という無いですので、積極的に核保有に動くというニュアンスではないのですけれど、ある種のアピールだったと思われます。

最近の韓国はサプライチェーン再編にせよ、半導体協力(チップ4)にせよ、その他もろもろにせよ...「東アジアの米同盟国」という見方において日本と比べると、どうも見劣りするという自己評価があります。(競うものでもありませんが...)
加えて、ウクライナ事態発生以後、対ロ=ウクライナ・対中=台湾と結びつけた各国のリスク議論は活発な一方、北朝鮮問題は優先度が一段下がってしまった印象があります。実際はともかく、韓国としてはそう見えることでしょう。
韓国の立場としてはウクライナや台湾より北朝鮮が第一です。なにより自国防衛のためには手段を選ばないという姿勢を見せたかったのだろうと思います。(ゼレンスキーさんがそれで一定の成功をしてますからね)

しかしユンさんの思惑とは裏腹に直後、ホワイトハウスは韓国独自の核武装の可能性について否定的な立場を表明しました。「朝鮮半島の非核化」路線に変わりはない、とのことです。

 

 



東亜日報の記事からです。

ユン「独自の核保有」言及に...米「韓半島非核化不変」と線引き


ホワイトハウスがユン・ソンニョル大統領の核保有言及について「米国とジョー・バイデン大統領は韓半島の完全な非核化に専念しており、これは変わっていない」と明らかにした。北韓はもちろん、韓国を含む「韓半島の完全な非核化」原則を強調し、韓国の独自の核開発に対して事実上反対の立場を明らかにしたものと分析される。

ジョン・カービー・ホワイトハウス国家安保会議(NSC)戦略報道調整官は12日(現地時間)のブリーフィングで、ユン大統領が北韓核脅威の高まりを前提に独自の核武装の可能性に言及したことについて「韓国も核兵器を追求しているわけではないという点を明確にした」とし、このように述べた。続いて「韓米は共同で拡張抑制強を推進している」とし「我々はそのような方向に進む」と付け加えた。韓国の核自強論には距離を置き、拡張抑制と韓米日3国の安保協力強化を通じて北韓の核脅威に対応するのが米国の政策だという点を強調したのだ。

(中略)

国防総省は国際核不拡散体制などに言及し、韓国の独自の核開発に対する懸念を示した。パトリック・ライダー米国防総省報道官は「北韓と中国、ロシアがいずれも核兵器保有しているのに、韓国の核開発はなぜ出来ないのか」との質問に対し「潜在的核兵器使用の可能性を防止するという点で、核兵器の不拡散、域内安保および安定と関連がある」と述べた。それと共に「韓国が米国の拡張抑制位の傘の中にあるということを記憶することが重要だ」と話した。

(後略)



「尹 ‘자체 핵 보유’ 언급에…美 “한반도 비핵화 불변” 선긋기(ユン「独自の核保有」言及に...米「韓半島非核化不変」と線引き)」より一部抜粋

韓国の世論調査では7割が核兵器保有に「賛成(71.3%)」と答えたとの調査結果があります。
恐らく、ユンさんの発言はそういった層に向けて、韓国風に表現するなら「道を開けておいた(=可能性を残した)」程度の意味合いだったのでしょうが、米韓政府間に「温度差」があるかのように見える結果を招いてしまっています。ユンさんってこういう不用意な言動が結構目立ちますね。