韓国の民主主義指数、1年で8ランクダウン...政治的二分対立が民主的な合意と妥協の余地を狭めているという話

英国紙エコノミスト傘下の調査機関であるEIU(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が発表した「民主主義指数2022」で韓国の民主主義成熟度が調査対象167の国と地域のうち24位(8.03点)と評価されました。8点以上あれば「完全な民主国家」と判断されます。ちなみに日本は8.33点で16位、アジア首位は10位(8.99点)の台湾です。

「韓国、8.03点で24位」とだけ聞くと「へぇ~」で終わるんですけど、実は去年から8ランクもダウンしていると聞くと、ちょっと「あれ?」となりませんか?

 



マネーSの記事からです。

韓国、民主主義の水準は世界24位...8ランク下落した理由は?


昨年、韓国の民主主義成熟度が2021年より8段階下落したという評価が出た。
2日(以下、現地時間)、英国紙エコノミストは経済分析機関EIUの発表を引用して「韓国は『民主主義指数2022』で24位に上がった」とし「韓国は評価争点10点満点中8.03点を記録した」と報じた。

(中略)

韓国は2020年、8.01点で23位に上がり、5年ぶりに「欠陥のある民主国家」から「完全な民主国家」に合流した。2021年には8.16点で16位を記録した。昨年、韓国は項目別評価で2021年より「政治文化」領域で1.25点下落し、全体平均点数が下がった。EIUは「韓国の政治的対立が民主主義に打撃を与えた」として「政治に対する二分法的解釈が合意と妥協の余地を委縮させた」と指摘した。

(後略)



マネーS「한국, 민주주의 수준은 세계 24위… 8계단 하락한 이유는?(韓国、民主主義の水準は世界24位...8ランク下落した理由は?)」より一部抜粋

政治的対立、二分法的解釈が民主主義に打撃を与えるということについては、1月に朝鮮日報が「政治的傾向が違う人とは話しても無駄(意訳)」と考えている韓国人が66%に上る、との記事を載せています。
リンク先は日本語記事なので気になる場合は記事を読んでいただくとして、ざっくり概要としては...

  • 保守系支持層の67.8%、進歩系支持層の73.1%は『自分と政治的傾向が違う人は、客観的根拠を示しても考え方を変えない』と認識している。
  • 自分たちは「合理的」、他方は「愚か者」と見ている。
  • 「自分たちの側か、そうでないか」が最優先の物差しとして適用されるからだ。


朝鮮日報の記事ではファクトチェックで否定されているにも関わらず、先行したフェイク情報が未だに事実と思われている理由も政治的傾向の分断によるものと分析しています。


乱暴にまとめると、韓国国民の3分の2が「人の話を聞かない(聞けない)思い込んだら一直線」な人ということです。