韓国の輸出不振、他国と比べて「より深刻」という話

昨年の第3四半期と比べると第4四半期は世界的に輸出不振でした。その中でも韓国の輸出不振が他国に比べてより深刻との評価が出ました。
去年の第4四半期基準で見ると、前年同期比では米国は8.2%、イタリアは3.3%増加しています。しかし、韓国は前年同期比9.9%減少しています。同じく前年同期比マイナスだった国々(中国-6.9%、日本-4.6%、ドイツ-1.9%)と比較しても韓国の減少幅が大きいのが「より不振が深刻」の理由です。

 



ハンギョレの記事からです。

韓国の輸出不振、他国より程度が深刻だった


輸出実績不振の流れが続いている。1月の輸出が昨年同月比16.6%減少したのに続き、2月に入っても10日までの1日平均輸出額が昨年同期比14.5%も減少した。

(中略)

韓国貿易協会は15日、ソウル江南区COEXで開催した「最近の輸出不振原因診断と対応方向」説明会を通じて「輸出減少幅を考慮すると、韓国の輸出が相対的に大きく不振な状況」と明らかにした。輸出上位6ヵ国の中で韓国・中国・ドイツの輸出が昨年第4四半期から減少傾向に転じ、そのうち韓国の輸出下げ幅が最も大きいという点からだ。昨年第4四半期の韓国輸出は前年同期比9.9%減少したのに比べ、米国は8.2%、イタリアは3.3%増加したものと集計された。

(中略)

チョン・マンギ韓国貿易協会副会長はこの日の説明会で「我が国の輸出産業が景気変動に敏感な中間財中心品目群で構成された側面から主に起因したもの」と解説した。貿易協会の分析結果で昨年第4四半期の総輸出減少額175億ドルのうち150億ドル(85.7%)が中間財輸出減少から始まった。地域別では生産基地である中国(-17.8%)、ベトナム(-10.7%)への輸出が大幅に減少した。品目別では半導体-44.5%、ディスプレイ-36.0%、鉄鋼-25.9%、石油化学-25.0%などだ。半導体1品目の輸出減少が総輸出減少額の半分以上(52.4%)を占めた。

(中略)

貿易協会は半導体輸出の回復時期を今年下半期以降と見込んでいる。

(中略)

貿易協会は「モバイルなど前方産業需要減少と在庫累積などを考慮すると単価回復には相当な時間がかかるだろう」と展望した。ただし「半導体輸出物量増加と中国のリオープニング(経済活動再開)効果で単価が回復する場合、半導体輸出に弾みがつく展望」と明らかにした。

貿易協会は輸出不振は上半期中ずっと続くものと予想した。上半期中、世界景気の下落傾向は優勢で交易量の回復が限定的だという見通しからだ。貿易協会は「中間財中心の韓国輸出は経済危機のたびに世界交易の流れより大幅に騰落してきただけに今年も中国経済の回復力、ロシア-ウクライナ戦争事態の鎮静化など対外環境の変化に弾力的な回復傾向を示すだろう」と明らかにした。

(後略)



ハンギョレ「한국의 수출 부진, 다른 나라들보다 정도 심했다(韓国の輸出不振、他国より程度が深刻だった)」より一部抜粋

「対外状況が良くなれば良くなります」...コレって分析って言えるんでしょうかね?
しかも「中国がリオープニングさえすればすべてが元通りになる」と言わんばかりです。仮に中国経済が再始動したとして、今までのような経済発展を続けられるでしょうか?今までのように「半導体」を韓国から買うでしょうか?私はちょっと懐疑的です。


特に記事中で触れられていないんですが、輸出が占めるGDP割合という意味ではもっと深刻な話になるかもしれません。
内需型経済である米国は輸出が占めるGDP割合は大体10%前後です。日本も20%行くか行かないか。
一方で韓国は40%を超えます。ドイツも同じくらいですけど、ドイツは-1.9%と下げ幅が少ないので韓国ほど深刻ではないでしょう。