半導体輸出が半減した話

韓国の2月の輸出入動向が出ました。半導体が前年同比42.5%急減し、ほぼ半減しています。
今のところ中国のリオープニングによる恩恵は無いようです。

 



文化日報の記事からです。

半分になった「輸出主力」半導体...前年同期対比42.5%急減


韓国経済を支えてきた輸出が5ヵ月連続マイナス成長した。一方、輸入は増え、貿易赤字の行進が1年続いた。

産業通商資源部(産資部)は1日、このような内容の「2月輸出入動向」を発表した。先月の輸出額は501億ドルで昨年同月(541億6000万ドル)より7.5%減少したものと集計された。ただ、輸出額が前年比16.6%減少した1月と比べて減少幅が鈍化した。昨年2月の輸出が同月基準で歴代最高実績を出したことによる基底効果も一部影響を及ぼしたと産業部は説明した。

輸出はグローバル景気鈍化の流れが続く中、半導体業況悪化の直撃段を受け昨年10月から減少傾向が続いている。韓国最大の輸出品目である半導体の2月の輸出額は59億6000万ドルで、昨年同期比42.5%(44億ドル)急減し、ほぼ半分の水準になった。情報技術(IT)製品などセット需要の委縮に加え「K-半導体」主力であるメモリ製品価格が底を打っているためだ。半導体輸出は月間基準で7ヵ月連続で下り坂をたどっている。

(中略)

2月の輸入は554億ドルで昨年同月より3.6%増加した。エネルギー輸入が19.7%増えた影響が大きかった。エネルギー以外の輸入は昨年より1.5%減少した。これを受け貿易収支は53億ドルの赤字を記録し、昨年3月から12ヵ月連続赤字行進が続いた。

(後略)



文化日報「반토막 난 ‘수출주력’ 반도체…전년동기 대비 42.5% 급감(半分になった「輸出主力」半導体...前年同期対比42.5%急減)」より一部抜粋

ユン政府は2月23日に開いた第4次輸出戦略会議で今年の輸出展望値を-4.5%から0.2%と、実に4.7%も上方修正していました。これは中国のリオープニングでよる効果を期待したものです。

記事の省略箇所には自動車(+47.1%)と石油製品(+12.0%)と一般機械(+13.0%)は増加していることが触れられています。しかし肝心の対中輸出は前年比24.2%と9ヵ月連続マイナスと、今のところリオープニング効果はありません。
また、中国市場に次いで重視しているASEAN市場への輸出も16.1%マイナスです。


韓国の輸出不振を世界的景気鈍化とのみ捉えれば中国のリオープニングで一気に巻き返せる、と考えるのも不自然ではありません。しかし一応、韓国内部からも「それだけじゃない」との指摘はあります。
例えば、先月26日に京郷新聞は「中国がリオープニングしたのになぜ対中輸出が不振なのか?」として「輸出構造自体が変わった」との見方を示しています。

このような雰囲気(※注:米中葛藤により中国現地の半導体工場への素材・装備・部品の輸出に制限がかけられる状況)に中国政府が先端製品の自国生産拡大を推進するなどサプライチェーンの再編を推進し、輸出構造自体が変わった点をも否定的な要素だ。イ・チフン国際金融センター専門委員は「中国が先端製造業育成を目的とした『中国製造2025』を本格推進した2016年から韓中輸出が相互補完から競争関係に転換した」と話した。米投資銀行のゴールドマンサックスも中国のリオープニングによる韓国の輸出改善効果が2.7%で、インドネシア(4.8%)、インド(4.2%)、タイ(3.9%)より低いと予想した。

 

私もそうだと思います。コロナ禍で見えにくくなっていただけで、傾向としてはずっと続いていた流れなんだろうと。
中国経済さえ」再始動すればすべて元通り...こんな風に楽観視しているのは韓国政府だけでは?