ユン政権への否定評価60%台の話

ユンさんの国政に対する否定評価が60%台と集計されました。
ギャロップとリアルメーターと、2つの世論調査で似たような水準の結果となっています。

 



韓国日報の記事からです。

「トリプル悪材料が重なった」...「否定評価60%」に危機を感じる大統領室


(前略)

韓国ギャラップの3月3週(14~16日実施)の世論調査でユン大統領の国政運営に対する肯定的な評価は33%、否定的な評価は60%だった。ユン大統領に対する否定的な評価が60%台に再び上昇したのは昨年12月の2週間(12月6~8日調査)で59%を記録して以来3ヵ月ぶりのことだ。

(中略)

リアルメーターの13~17日の調査でもユン大統領の職務遂行に対する否定評価は60.4%を記録した。同じ調査で否定評価が60%を記録したのは2月の2週(60.3%)以来5週間ぶりのことだ。

大統領室の公式立場は「支持率に一喜一憂しない」というものだ。しかし内部的には「否定評価60%」を危機信号と認識している。肯定評価の場合、一部騰落差があったとしても30%台のコンクリート支持層はなかなか崩れない。反面、否定評価には中道・無所属層の民心が含まれているだけに国政運営動力に直撃弾になりうる。大統領室の核心関係者は通話で「否定評価が60%を超えるのは中道層が怒ったという意味」とし「長期間続けば各種政策ドライブをかけられる空間が狭くなり、3大(労働・年金・教育)改革の動力も落ちる恐れがある」と憂慮した。

大統領室は危機原因を大きく3つに分類している。①第3者返済を骨子とした日帝強制動員賠償解法に対する世論悪化だ。韓日関係を正常にすることが国益に役立つという次元で決断を下したが、直ちに日本から誠意ある呼応措置を引き出すことが出来なかったという点がジレンマだ。

②現在、週52時間の最大勤労許容時間を週69時間に増やす勤労時間制度改編案も支持率下落要因に上げられる。大統領室は雇用労働部の立法予告以後、波紋が大きくなると計5回も改編趣旨の説明ブリーフィングを行い世論戦に乗り出したが支持率下落傾向を防ぐには力不足だった。

国民の力党大会の過程で起きた大統領室の介入論議とその結果発足した「親ユン指導部」にも世論は否定的にだった。実際、韓国ギャラップ基準の国民の力の支持率は3月の第1週の39%から3月の第3週に34%へとユン大統領とともに下落している。

専門家たちは大統領室が「事前世論の収斂の無い一方通行式疎通」で災いを自ら招いていると見ている。オム・ギョンヨン時代精神研究所所長は「韓日関係正常化目標だけを気にして速度だけにオールインしたが、ステップがこじれてしまった」とし「事前世論の収斂なしhに事後広報だけに注力することが繰り返されるので、国民と疎通ができない」と指摘した。

問題はどれ一つ直ちに支持率下落傾向を反転させることができる性格ではないという点だ。韓日関係の正常化が反日感情を乗り越えられる成果に繋がるには時間がかかるしかない。大統領室高官は「韓日首脳会談推進による国内批判感情は十分予想したが、未来のために下した犠牲的決断」とし「外交成果は続く韓米首脳会談などを通じて可視的成果が出れば国民がより高く評価するだろう」と話した。

(後略)



韓国日報「"트리플 악재 겹쳤다"… '부정평가 60%'에 위기 느끼는 대통령실(「トリプル悪材料が重なった」...「否定評価60%」に危機を感じる大統領室)」より一部抜粋

「誠意ある呼応」と聞くたびに違和感を覚えます。「誠意」って期待するものでも要求するものでも、ましてや引き出すものでもないでしょうに。


それはともかく、②と③については日本は基本関係ありません。ただ、外交・内政ともに難しい局面であることが伺えます。
しかし外交、特に日韓関係に関しては今のところ転換する可能性は低いと思われます。少なくともユンさんは就任前から「米国サイド」アピールをしてきましたし、米韓関係を発展させる上で日韓関係の修復は必須となってしまっています。韓国としては大いに不本意かもしれませんが、就任後1年掛けてようやくここまで漕ぎ着けたのですから。
反日感情を利用して(煽って)国内世論をまとめるようなことも無いと思います。まあ、政権が変わって再び左派政権になったときに揺り戻しが出そうな気はしますが...。


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「労働時間の問題かな?wwwお前には死んでも分からないと思うよ?お前の無能が答えだということが...」(共感607 非共感48)

「ソンニョルとチョン・ジンソクの存在自体が最大の悪材料だ。それさえもユ・スンミン、イ・オンジュのように正しいことが言える保守がいて絶望の中で一筋の希望を持つ。私も保守なのに、どうして進歩側に票を入れるのか分からない。一昨日の、ユ・スンミンの最小限の民族自尊心を守りながら国益のための外交が真の外交なのに、これはまあ国を売るという表現がぴったりだったから。慰安婦、福島水産物についてなんといったのか、韓国国民にまで言えない秘密は何か?」(共感281 非共感21)

「金のスプーン出身で一生権力だけを振り回して生きて、勤労の手間と汗の価値を軽く見ている~。親日派の子孫だから歴史認識が歪曲され、国家のアイデンティティや国民の自尊心に対する無理解が深刻で~。性格はせっかちで度量は狭く、傾聴することを知らないので舌先三寸、霊媒謀議に詭弁まで頻繁にあるし~。その国の人々は限りなく疲れているんじゃないだろうか、おまけに赦免を出すから竜飛御天歌*1だけを歌ってくれるので、いつまで経っても下請けだ~。ホントに頼みますよ」(共感253 非共感9)

「ただの無能だよ...30%は何が無能なのかも分かってないし」(共感179 非共感7)

ユ・ソンミンさんというのは国民の力の元議員で、ユンさんの対日外交を批判しています。曰く、「日本が加害者、我々が被害者である歴史の真実は変わらないのに、なぜ被害者が加害者の心を開かなければならないのか」だそうです。

*1:朝鮮初期に刊行されたとされる叙事詩。政治圏で使うときは政権への「賛美歌」という意味になる。