韓国、このままだと今年の税収が20兆ウォンほど不足するかも...安易に国債発行できない理由の話

今年の韓国の税収がこのままだと20兆ウォンほど足らないかもしれません。不動産価格の下落などで譲渡税が減ったりしたのが原因のようです。

景気浮揚策を講じようにも実弾が無い状況です。しかし、財政健全化を掲げるユンさんにとって国債を発行するというのは最後の手段。国家負債は前年対比130兆ウォン以上増えた2300兆ウォンで過去最高です。しかも例によって例のごとく「急激」な勢いで増えています。

 



韓国経済の記事からです。

このままでは税金20兆ウォン足りない…景気を生かす「実弾」が無い


所得税法人税などの国税が年初だけで前年比15兆ウォン以上徴収されず今年の税金が政府の予想より20兆ウォン足りない可能性が提起されている。

(中略)

2日、企画財政部によると今年に入って2月までの国税収入は前年同期比15兆7000億ウォン少ない54兆2000億ウォンだ。もし3月から年末までちょうど昨年分と同じ税金が入れば年間税収入は380兆2000億ウォンになる。政府が当初予測した今年の国税収入400兆5000億ウォンより20兆3000億ウォン少なく徴収されるわけだ。

(中略)

問題は税収が足りないほど景気下降を挽回する財源が足りなくなるという点だ。税収が十分であれば政府は補正予算または翌年の予算を余裕をもって組むことができる。

(中略)

経済が政府予測とは異なり下半期にも難しい場合、景気浮揚政策が動力を失うこともありうる状況だ。今年の国税収入が予想を大きく下回れば来年の税収展望値の418兆8000億ウォンを下げなければならない可能性も高くなる。収入が減るだけに景気回復の呼び水である来年の予算案(支出)をさらに締め付けるしかないという意味だ。

最後の手段はある。税収のように国の財政に使える財源である国債発行だ。しかし国の借金を使わずに財政を最大節約すると宣言したユン・ソンニョル政府としては避けたい選択肢だ。国債を発行するには政治的負担を甘受しなければならない立場だ。

(後略)



韓国経済「이대로면 세금 20조 모자라… 경기 살릴 '실탄'이 없다(このままでは税金20兆ウォン足りない…景気を生かす「実弾」が無い)」より一部抜粋

「税収が足らないなら借金すれば良いじゃない」戦法をユンさんは初手で自分で封じてしまっていた、ということです。
しかし、仮に「国債発行」という最終奥義を残していたとしても急激な勢いで国家債務が増えている現状、結局は茨の道かもしれません。
コロナがあったとはいえ、ムン政権下ので増加率は急激でして。ムン政権発足直前の2016年と比較すると韓国の国家債務は62.3%増加しているそうです。

 

 

 



同じく韓国経済の記事からです。

国家債務2300兆ウォンを超えた...そんな中、政界は「選挙と補正予算」中毒


昨年、国家負債が前年対比130兆ウォン以上増え、史上最高値の2326兆を記録した。昨年の大統領選挙と地方選挙を控え、COVID-19被害支援を名分に2度の補正予算を編成し財政支出が大幅に拡大した上、公務員年金関連の負債も増えたためだ。政府の実質的な財政状態を示す管理財政収支も117兆ウォンの赤字で史上最高値を記録した。

(中略)

政府が4日、国務会議で審議・議決した「2022会計年度国家決算」報告書によると、昨年の国家負債は2326兆2000億ウォンと集計された。前年(2195兆3000億ウォン)と比べ130兆9000億ウォン(6.0%)増加した。

国公債・借入金など確定負債が907兆4000億ウォンで、前年対比89兆2000億ウォン(10.9%)増えた。これに先立って最近2年間で110兆ウォンを越える超過税収が発生したが、選挙を控えて相次いで補正予算を編成するなど拡張財政を展開したことにともなう余波が大きかった。

(中略)

国家負債は本格的にムン・ジェイン政府に入って毎年増加幅が激しくなった。ムン・ジェイン政府発足直前の2016年末の1433兆1000億ウォンに比べると893兆1000億ウォン(62.3%)増加した。中央政府と地方政府の債務を合算した国家債務は昨年1067兆7000億ウォンで、前年(970兆7000億ウォン)に比べ2.7%増加した。国家債務が1000兆ウォンを突破したのは今回が初めてだ。

(中略)

2019年54兆4000億ウォンだった管理財政収支赤字はCOVID-19の余波で支出が増え、2020年112兆ウォンまで急騰した。翌年、国税収入増加で90兆5000億ウォンに下落したが、1年ぶりに26兆4000億ウォンが増えたのだ。COVID-19事態以後「年間100兆ウォン台赤字」現象が日常化したという指摘が出ている。

当初、ユン・ソンニョル政府は健全財政復帰のため今年の管理財政収支赤字(58兆2000億ウォン)を昨年予算基準(110兆8000億ウォン)の半分水準に減らす計画だった。問題は税収が急激に減っているという点だ。今年は景気低迷と資産市場不振などにより「税収パンク」が現実化しかねないという指摘が出ている。

(中略)

問題は政界だ。野党は暖房費支援などを名分に借金をしてでも財政支出を増やさなければならないという主張を曲げていない。来年の総選挙を控え与党内部でも補正予算に賛成する動きが起きているという観測が出ている。

政界では補正予算が国家財政法上の編成要件に該当するかどうかについて議論すらまともに行われていない。現行の国家財政法によると補正予算の編成要件は戦争や大規模災害、景気低迷、大量失業、南北関係の変化、経済協力のような対内外環境の重大な変化、法令によって国家が支払わなければならない支出が該当する。

補正予算の議論は選挙シーズンを控えて票を得るために登場する「常連客」でもある。特にムン・ジェイン政府は昨年の大統領選挙を控え本予算を編成してからわずか1ヵ月も経たない1月末に補正予算の計画を打ち出した。政府発表基準で見れば韓国戦争途中だった1951年以後71年ぶりに1月の補正予算だった。ユン・ソンニョル政府も昨年6月の地方選挙を控え62兆ウォン規模の第2次補正予算を編成した。

政府は補正予算は時期尚早という立場だ。チュ・ギョンホ副総理も「全般的な経済状況などを検討した時、まだ補正予算を取り上げるのは依然として早い時点」と釘を刺した。しかし来年の総選挙を控え、政府に対する政界の補正予算への圧迫がさらに激しくなる可能性が高いという観測が支配的だ。

(後略)



韓国経済「국가부채 2300조 넘었다…이 와중에 정치권은 '선거추경' 중독(国家債務2300兆ウォンを超えた...そんな中、政界は「選挙と補正予算」中毒)」より一部抜粋

補正予算はともかく、税収が足りないなら結局は国債を発行せざるを得なくなるかと思いますが...。無い袖は振れませんからね。
ただそうなると、政府も企業も家計も負債まみれで、一体どこが経済を回すのか、という問題がありますが。