少し前に韓国の第1四半期の家計負債がGDP 100%割り込んだ、という記事を紹介しました(参考)。その時にも触れたのですが、GDP対比での数字は減っていても、総額は増えています。
第1四半期は結局、1兆1590億ウォン(5大銀行貸出分のみ)増えていたそうです。これが第2四半期に入って急増しており、4月末時点で2兆4272億ウォン増えています。なんと1ヵ月間だけで第一四半期の倍以上増えたことになります。
ヘラルド経済の記事からです。
「金利はまだ下がってもいないのに...」銀行の家計負債が毎週1兆ウォン以上増える
(前略)
金融界によると、21日現在、5大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリ、NH農協)の家計向け融資残高は700兆4302億ウォンで、4月末(698兆30億ウォン)に比べ2兆4272億ウォン増えた。5大銀行の家計向け融資は先月だけで1ヵ月間、4兆4346億ウォンの増加傾向を示したことがある。第2四半期に入って毎週1兆3400億ウォン程度の融資が増えたわけだ。これは今年第1四半期を通じて増えた規模(1兆1590億ウォン)より大きい規模の増加幅だ。
このような現象は住宅ローンの残高が急激に増えたことによるものだ。5大銀行の住宅ローン残高は4月末540兆9902億ウォンから今月約3週間で543兆5934億ウォンに2兆6032億ウォン増えた。3月に4000億ウォンほど一時的に減少した住宅ローン残高は今年4月だけで4兆3433億ウォンが増えた経緯がある。市中銀行関係者は「ディディンドル*1など政策貸出需要が集中した影響と見ている」とし「同じ傾向が維持される時、今月にも4兆ウォン近い増加幅を見せる可能性があるだろう」と説明した。
(中略)
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は「あまりにも早く政策基調を転換する場合、物価上昇率鈍化速度が遅くなり家計負債増加傾向も拡大するリスクがある」とし、緊縮基調を十分に維持すると説明した。
だが基準金利引き上げ以後、着実に減っていた信用貸出残額まで減少傾向が「停滞」し家計負債拡大速度はさらに速くなっている。事実上、通貨当局の緊縮信号が家計貸出抑制効果を発揮できずにいるという解釈が出ている理由だ。第1四半期に計4兆ウォン以上減った5大銀行信用貸出残額は4月中に4000億ウォン程度増えた。今月に入っても3週間で494億ウォンの減少に止まった。
イ総裁もまた「家計負債と住宅市場状況を見れば、金融圏家計貸出は住宅関連貸出の増加傾向が拡大し、この間減少傾向を示したその他貸出も増えた」と言及した。
(中略)
金融界では主要銀行の金利行方によって家計貸出の推移が変化する可能性があると見ている。5大金融持株は今年の家計貸出増加幅を1.2~1.5%台で管理する方針を金融当局に報告した経緯がある。だが、21日基準で5大銀行の家計貸出増加幅はすでに1.15%水準に到達し限界点に肉迫した。金利引き上げを通じて家計貸出管理に乗り出すほかはないという分析が出てくる理由だ。
市中銀行関係者は「結局、家計貸出増加傾向を調節しようとするならば、住宅担保貸出需要に手をつけなければならない状況」とし「住宅担保貸出の場合、銀行が任意的に審査の敷居を調節する方案が適切でなく、全般的な金利調整を断行するほかはないだろう」と話した。
(後略)
ヘラルド経済「“금리 아직 내리지도 않았는데…” 은행 가계빚 매주 1조원 넘게 늘어난다[머니뭐니](「金利はまだ下がってもいないのに...」銀行の家計負債が毎週1兆ウォン以上増える)」より一部抜粋
4月に韓国銀行が発表した家計債務は1103兆6000億ウォン。もちろん、歴代最高額でした。
今年はどこまで記録を伸ばすのでしょうか?楽しみ(?)です。
*1:「ディディンドル(디딤돌)」とは「踏み石」や「飛び石」の意味で、新婚2人以上の世帯を対象とした住宅担保ローンのこと。「ステップアップ・ローン」のようなニュアンスかと思われる。