水素自動車劣勢の韓国、「日韓で水素協力を模索しよう」という話

韓国の産業通商資源部の発表によると、14日ソウルで日本と韓国の水素関連機関が日韓水素協力対話の第一回目を開いたとのことです。
内容について詳しくは報じられていませんが、あくまで「民間主導による水素サプライチェーンの協力」ということになっています。
5月の日韓首脳会談の際に、両国の水素分野の協力を強化することで合意していましたので、その後続措置として設置された会合だそうです。
日韓首脳会談は5月26日実施でした。まだ1ヵ月も経っていないのに、早いですね。
実は韓国には急がないといけない理由があります。それは後述するとして、まずは会合に関する報道を引用します。

 



ヘラルド経済の記事からです。

韓日水素協力模索…清浄水素供給網の協力強化


(前略)

産業通商資源部は14日、ソウルで両国の11の水素関連機関とともに「第1回韓日水素協力対話」を開催したと明らかにした。

韓国側からはH2KOREA、韓国電力、韓国石油公社、ガス安全公社、エネルギー経済研究院、韓国貿易保険公社などが、日本側からは日本水素協会(JH2A)、クリーン燃料アンモニア協会(CFAA)、鉱物・エネルギー安全保障機構(JOGMEC)、高圧ガス保安協会(KHK)、JBIC(日本国際協力銀行)などが参加した。

(中略)

双方は同日の会議で、最近、自国の水素政策の方向性を共有し、国家温室効果ガス削減目標(NDC)の達成及びエネルギー安全保障などのため、清浄水素及び水素化合物分野の相互協力を強化することにした。

また、両国の水素関連機関が共に参加する炭素集約度認証、標準・基準、安全分野作業班(ワーキンググループ)をまず開設し、細部協力を具体化していく方針だ。

(後略)



ヘラルド経済「한일 수소협력 모색…청정수소 공급망 공조 강화(韓日水素協力模索…清浄水素供給網の協力強化)」より一部抜粋

韓国が急がないといけない理由についてですが、実は水素自動車で韓国は一人負けをしています。

今年1月から5月までの水素自動車輸出台数は、前年同期間に比べ74.2%減、5月の輸出台数に至ってははゼロ台です。グローバルシェアは日本のトヨタが36.4%台でトップ(確か、関連特許もトヨタがトップ)、国別にみると水素自動車の普及率は中国が30%台です。

 

 



デジタルタイムズの記事からです。

水素自動車市場の主導権を失った韓国…先月の輸出量「0台」


(前略)

水素自動車の輸出量は昨年10月に続き、7ヵ月ぶりに再び0台を記録した。今年1~5月の累積輸出量も60台で、前年同期(233台)比74.2%急減した。

水素自動車の輸出量が下半期に大幅に減少する傾向を考慮すると、このような減少傾向が続く場合、今年の年間水素自動車の輸出量は100台を超えるのは難しいと予想される。

水素自動車はこれまで、現代自動車がネッソとエクシエントトラックを前面に出しグローバル市場で主導権を握っていたが、充電インフラの不足、水素充電費用の上昇、限られた車両の選択肢などで逆成長を繰り返している。

(中略)

2021年に1121台でピークに達した水素自動車の輸出量は、2022年に400台、昨年296台と減少傾向を免れずにいる。

これを受け、一部では水素自動車が未来モビリティの中核の一つであるだけに、水素自動車産業育成対策をまとめ、現在までの主導権を維持しなければならないという声が出ている。

(中略)

今年第1四半期のグローバル水素自動車市場で、日本のトヨタがミライを前面に出し、36.4%のシェアで1位になった。

国別では、中国が水素商用車を中心に持続的な成長を記録し、34.6%のシェアで1位を占めた。 いずれも現代自動車(29.0%)と韓国(26.5%)を上回ったシェアだ。

(中略)

大林大学未来自動車学部のキム·ピルス教授は「グローバル水素自動車市場の規模が大きくないため、今は次世代のための投資と考えて水素バリューチェーンというビッグピクチャーで支援しなければならない」と述べた。



デジタルタイムズ「수소차시장 주도권 잃은 한국…지난달 수출량 `0대`(水素自動車市場の主導権を失った韓国…先月の輸出量「0台」)」より一部抜粋

韓国はこの一人負けの原因を「充電インフラの不足」や「充電費用の高騰」と分析しているようで、これらを解消する必要があるとみているようです。
しかし、水素自動車はまだ主流ではありませんので先行投資という形になってしまいます。日本を巻き込むことでこの費用を抑えようという算段ではないかと思われます。

協力することは大いに結構ですが、そこには常に技術流出や費用負担の問題があるということを充分意識して、日本はいいように使われないように緊張感を持って当たって欲しいものです。