韓国リチウムイオン電池メーカー工場火災、「人災」の可能性の話

韓国のリチウム電池メーカーの工場で大規模な火災が発生し、現時点で分かっているだけで31人の死傷者と行方不明者(負傷者8名、死者22名、行方不明者1名)が出ています。

火災発生現場が出入り口付近に積み上げられた完成品バッテリーであったことから、被害者たちが避難できずに犠牲となった「人災」の可能性が指摘されています。

状況は大分違いますが避難経路対策という点で、かつて某・驚安の殿堂で起こった放火事件を思い出しました。
あれは放火でしたし、一度は全員避難できていたんでホント全然違う状況なんですけどね...。

 



文化日報の記事からです。

出入口側に積んでおいたバッテリー爆発で「避難路」が塞がれ…また安全不感


「急にバッテリーオーダー(注文)を受けた。普段は10人程度が働く包装作業台に20人が座っているほどだった。いつも出入り口の近くに包装された完成品を積んでおくが、ここで爆発が起き、人々が避難できなかったようだ」

24日、火災で31人の死傷者(行方不明者を含む)を出した京畿道華城市のリチウム電池メーカーのアリセル工場で会った職員A氏は事故当時の状況をこのように証言した。火災が起きた3棟2階のバッテリー包装のための「パッキングルーム」に火災が発生するわずか5分前に立ち寄ったというA氏は、「この日に限って日程が集中し、作業場の内に20人程度がテーブルを囲んで作業をした」として「待避するためには作業場出入り口から抜け出さなければならないが、出入り口付近で最初に火災が発生した完成品が積まれていてドアの外に出られなかっただろう」と推定した。

25日、文化日報の取材を総合すれば、今回の事故は連鎖爆発に脆弱なリチウムバッテリーの特性に、日雇い・外国人勤労者たちとのコミュニケーション不足、急な納期と待避路遮断など色々な要因が重なって作り出された惨事であった。

リチウムバッテリーのような1次電池は一般的には火災の危険性が低いと考えられるが、一度火がつくと鎮火自体が容易ではないうえに続けざまに爆発し化学物質であるフッ酸を吐き出す。特にこのように大量の完成品が積まれている場所は、一度火事が起きれば「焚き付け」の役割をしながら燃え移り、連鎖爆発が予想される状況だった。ソウル市立大学消防防災学科のイ・ヨンジュ教授は「最初の発火は他の要因よりはバッテリー自体に問題があった可能性が高い」と分析した。

(中略)

該当工場の生産技術パートの関係者は「2階で待避できる階段は計2個だが、研究所側の階段は勤労者たちが存在さえ知らないので唯一の待避路は作業者の出入り口一つ」とし、「そちらに出るドアの横に貨物エレベーターがあり、その周辺に包装された完成品を入れたボックスを積んでおく」と説明した。この関係者は「死亡者のほとんどが出入り口ではなく作業場の反対側の窓から脱出しようとしたが失敗したように見える」と付け加えた。

今回の火災で死亡·行方不明になった勤労者23人中18人が中国・ラオスなど外国人日雇い勤労者だったという点も被害を大きくした原因と把握される。彼らは内部構造をよく知らず、火災など緊急状況で疎通が円滑でなく事故対処に脆弱だったという指摘だ。火災当時、外国人労働者たちは避難動線を事前に熟知していなかったという。18人の外国人が命を失った今回の事故は、単一事故としては最も多くの外国人労働者が死亡した事件として残る見通しだ。



文化日報「출입구쪽 쌓아둔 배터리 폭발로 ‘대피로’ 막혀… 또 안전불감(出入口側に積んでおいたバッテリー爆発で「避難路」が塞がれ…また安全不感)」より一部抜粋

現時点で身元確認ができている被害者は韓国人2名だけだそうです。

文化日報の記事に現場の様子を図にしたものが載っていました。画像下側が出入り口で、そのすぐ右側が火災発生現場と見られる場所です。




コメントで指摘されていたのですが2017年にも似たような火災事故が起きていたそうです。済川市のスポーツセンターで、1階駐車場で起こった火災が8階建ての建物全体を覆う大火災になったのですが、 2階の女性用浴場では非常口が倉庫代わりとして使われていたことで避難がままならず、他にも停電による影響で正常作動しない出入り口があるなど様々な要因が重なり、最終的に29人が犠牲になったそうです。

コメントは、この事故は何の教訓にもなっておらず、結局安全面では何も変わっていない「これが韓国の現実」という指摘です。

当時はムンさんの頃です。現場にやって来たそうです。今回はユンさんが現場に行っています。韓国の大統領は何かあると現場に行きたがりますね。(そういえば日本も民主党時代、現場にやたらと行きたがる首相がいたような気がします)
大統領が現場に行けばなにか変わるのでしょうか?