地下駐車場のEV車火災事故を受けてEV車を手放す人が急増している話

韓国では少し前から電気自動車は販売台数が伸び悩んでいました。今年1月~7月までの韓国内のEV車登録台数は8万613台で、前年同期比13.4%減です。
理由は色々あるかと思いますが、一番のボトルネックはやはりバッテリー性能でしょう。

韓国ではそこに、今回の大規模火災事故が起こったことでEV車を手放す人が増えているそうです。ある中古車買い取り業者によると、火災事故発生前後でEV車の買取受付件数が184%増加したとか。

 



ソウル経済の記事からです。

「電気自動車が火事になったら個人破産…」「『在庫処分』しても売れない」「電気自動車フォビア」拡散」


(前略)

16日、業界によると中古車メーカーのケイカー(KCar)がチョンラのベンツ事故後から今月7日までに「マイカー販売」サービスを通じて受け付けた電気自動車の販売台数は、直前の1週間(7月25~31日)に比べ、なんと184%も増加した。このうち、チョンラ火災事故を誘発したベンツEQEシリーズモデルが10%程度だ。直前の週にベンツEQEの売り物は1台もなかった。

中古車売買業者の「エンカー」でもベンツEQEの売り物は112台だ。これらのうち100台ほどがチョンラ火災以後に登録された売り物と知らされた。車の持ち主が不安で車に乗れないというのだ。

このように売り物が増え価格も下落している。ベンツEQEは事故以前の6000万半ばから7000万ウォン台に相場が形成されたが、最近は5000万ウォン台の売り物が登場している。

(中略)

業界関係者は「最近『電気自動車フォビア(恐怖症)』が最近ベンツ電気自動車など火災以後に拡散し、自動車業界に非常事態になった」とし「不安感が解消されなければ電気自動車市場が長期低迷に陥る恐れがある」と伝えた。彼は続けて「火災の原因分析も難しいうえに火災が大きく広がる場合、他の車をはじめ建物火災被害補償など手に負えない状況に突き進む恐れがあるという恐怖感が非常に大きい状況」と付け加えた。



ソウル経済「"전기차 불나면 개인파산…벤츠 '땡처리'해도 안 팔려요" '전기차 포비아' 확산(「電気自動車が火事になったら個人破産…」「『在庫処分』しても売れない」「電気自動車フォビア」拡散」)より一部抜粋

15日にも地下駐車場でメルセデス・ベンツの車両が燃える事故が発生しました。
こちらはEV車では無かったそうで、火災発生後40分で鎮火したのですが...1日にEV車両火災が発生したマンションと通りを挟んだ向かい側だったそうです。
状況的に放火の可能性は低いです(※駐車中でしたが車内に人が乗っていました。また、1日の火災事故は発火の瞬間のCCTV映像があります)。
事故の関連性は分かりません。というか、恐らくほぼ無いと思うのですけれど、「メルセデス・ベンツ」という看板へのダメージは避けられないでしょうね。

ちなみにですが、米国で採られた統計によると、自動車火災はハイブリッド車の発生件数が一番多く報告されています。10万件当たり発生率は約3.5%です。ガソリン車が約1.5%で半分以下、EVは約0.025%です。圧倒的にハイブリッド車の火災発生件数が多いことが分かりますね。まあ、仕組みとしては当然という気もしますが。

ただEV車は一度燃えると自己発熱する上に、電極の活物質が熱分解の過程で酸素を放出するので鎮火が難しいという最大の欠点があります。
それでも車両火災発生件数としては韓国でも相対的に低いはずなので、過剰に怖がるのはどうかと思いますし、EV車の火災発生件数「だけ」を報じるメディアの報道姿勢も疑問です。