昨日チラっと触れましたけれども、韓国がWGBI(世界国債指数;World Goverment Bond Index)に編入されることが決定しました。
WGBIとは、FTSE Russel(英フィナンシャルタイムズ・ストックエクスチェンジ・ラッセル)が提供する主要な指標の一つで、各国の国債パフォーマンスを測定するのに使われます。投資家はこの指数を投資戦略判断に活用するわけです。
で、WGBI編入条件というのが、経済の安定性や市場の透明性など結構厳しいのです。よって、ここに編入されるということは、その厳しい条件を満たしたとお墨付きを貰った、と。韓国が「YATTA!YATTA!」しているのはそういうわけです。
昨日はWGBI編入決定に触れただけでしたので、今日はどんな感じに「YATTA!YATTA!」しているかお伝えします。
韓国経済の記事からです。
韓国、世界国債指数に編入…来年から90兆ウォンの海外資金流入
(前略)
いわゆる「先進国国債クラブ」であるWGBI編入により来年から最大90兆ウォン程度の海外資金が国内に流入し外国為替市場需給安定に大きく寄与できるという分析が出ている。相対的に低い国債地位で起きた「ウォン貨債ディスカウント」現象も大きく解消される展望だ。
(中略)
FTSEラッセルはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)と共に二大グローバル指数の提供会社に挙げられる。MSCIが米国系ファンドが主に追従する指数であり、FTSEラッセルは欧州系投資資金のベンチマークの役割を果たしている。
特にFTSEラッセルが運営するインデックスであるWGBIはブルームバーグ・バークレイズグローバル総合指数、JPモルガン新興国国債指数と共に世界3大債券指数に挙げられる。米国・英国・日本・中国など25カ国の国債が編入されている。
(中略)
FTSEラッセルは△国債発行規模(500億ドル以上)△国家信用等級(S&P基準A-以上・ムーディーズ基準A3以上)△市場接近性などを考慮して編入するかどうかを決める。通常、観察対象国への登録後、WGBIの最終編入までは2年ほどかかる。韓国は観察対象国指定の時から定量的基準である国債発行規模と国家信用等級は全て充足したが、市場接近性が足を引っ張った。
WGBI編入のためには市場接近性レベルを2段階に上げなければならないが、韓国の市場接近性レベルは1段階にとどまった。
(中略)
当初、市場では韓国国債のWGBI編入が来年3月に先送りされる可能性もあるという観測も提起された。ICSD連携と外国為替市場の構造改善が施行されて数ヵ月しか経っていないため、追加時間が必要だという理由からだった。
(中略)
FTSEラッセルは「韓国政府が外国為替市場接近性強化方案を相次いで出し、市場接近性水準を1段階から2段階に引き上げた」と明らかにした。企画財政部関係者は「政府がこの間、積極的に海外投資家のフィードバックに対応してきた」として「編入決定後、投資家が準備できるように十分な猶予期間が付与されるので今回編入が確定したものと見られる」と明らかにした。
(中略)
韓国国債がWGBIに編入され国内市場にグローバル流動性が大挙流入する見通しだ。企画財政部と海外金融機関は来年から最大90兆ウォンの海外資金が債券市場に流入するものと見ている。1年の猶予期間を経た後、資金が流入する。
FTSEラッセルは、韓国国債の割合は国債市場規模を考慮すると全体の2.2%に決定される可能性が高いと明らかにした。WGBI追従資金が3兆ドルと推定されるという点を勘案すれば、660億ドル(89兆~90ウォン)の追従資金が流入する可能性があるという意味だ。WGBI編入によって流入が予想される90兆ウォンは、年間国庫債の純発行規模に迫る。
6月末基準でWGBIで編入比重が最も高いのは米国国債で、41.3%だ。続いて△日本(10.4%)△中国(9.9%)△フランス(6.8%)△イタリア(6.2%)△ドイツ(5.4%)などの順だ。韓国がWGBIに編入され、米国、日本、中国など規模の大きい国を中心に比重が減少し、地域的にはアジアの比重が拡大する見通しだ。特に、韓国国債はWGBIに編入されるやいなや、9番目に多い割合を占めることになる。
WGBI編入に伴い、外国人の国庫債投資が増加し、金利安定および外国為替需給改善などの肯定的な効果を同時に出せるようになる。企財部によると昨年、外国人投資家の国庫債保有比重は20.6%だ。
(中略)
企財部は、WGBI編入によって、2026年末には外国人保有比重が27%まで増えるものと期待している。
国債市場に海外投資資金が入ってくると、国債調達金利が低くなる効果も見られる。これまでは相対的に低い韓国国債の地位のため、ウォン建て債券に対するディスカウント現象が発生し、国債金利が高かった。WGBI編入に伴い、債権価格上昇にともなう金利引き下げで年間最大1兆1000億ウォンの利子費用が節減できるというのが企画財政部と海外金融機関の分析だ。
(中略)
大規模な海外資金流入によりウォン・ドル為替レート安定にも大きく役立つ可能性がある。韓国国庫債投資のためのウォン需要が増加し、外国為替市場の需給が改善され、ウォン・ドル為替レートを下げる効果が発生する。債券金利の下落やウォン高によって、コスピ指数上昇の動力になりえるという見方も出ている。
(後略)
韓国経済「한국, 세계국채지수 편입…내년부터 90조 해외자금 유입(韓国、世界国債指数に編入…来年から90兆ウォンの海外資金流入)」より一部抜粋
「先進国国債クラブ」なんて呼び方初めて聞きました。コレに限らず、なんでもかんでも「先進国クラブ」と付けたがる韓国の先進国コンプレックスはちょっとどうかと思います。
いや、しかしよくもまぁ…ここまで自分に都合の良いバラ色の未来が妄想できますね。WGBIはあくまで指標の一つで、投資家それだけで判断するわけではないでしょうに。
「信用」や「肩書」だけで人が集まったりコネでモノゴトが回ったりする社会の慣習的な発想なのでしょうか?(さすがに偏見ですかね...)