一時、「鉄筋抜け」て大騒ぎになっていたLH(韓国土地住宅公社)のマンションですが、後の調査で一部のマンションにおいては逆に設計より「多く」発注されていることが判明したそうです。
「多いならイイじゃん」なんて話になるはずがなく...じゃ、「なぜ足りなくなったのか?」、「余分はどこへ消えたのか?」が問題となります。
発注された鉄筋を「別の場所に持ち出したのでは?」との疑いが免れないとの指摘が出ています。
京郷新聞の記事からです。
「鉄筋抜け落ち」LHマンションの反転…「設計より多くの鉄筋注文」
「鉄筋の抜け落ち」が確認された韓国土地住宅公社(LH)アパート10ヵ所中9ヵ所の割合で、当初の計画量より多くの鉄筋を持ち込んだことが確認された。鉄筋が足りなくて抜け落ちが発生したという当初の予想とは異なり、鉄筋は余裕があったという話だ。
キム・ウンヘ国民の力議員は「鉄筋をどこかに持ち出したという疑いまで持ちかねない状況」と指摘した。
10日、国会国土交通委員会のLH国政監査で、キム議員は「当時、LHの調査過程で鉄筋を最大70%まで入れなかったという調査結果が出た。そうすれば普通「鉄筋を少なく持ってきて、少なく使ったんだな」と考えるようになるが、私の考えが間違っていた」としてこのような資料を提示した。
キム議員室がLHから提出された資料を分析した結果、鉄筋の脱落が確認された23団地のうち21団地で設計量より多くの鉄筋を注文したと記録されていた。これによる鉄筋注文金額は設計の時に算出したものより少なくとも4億ウォンから最大85億ウォンまで増加した。
(中略 ※何カ所かの具体的な設計時の必要量と発注量の差を、重量と費用価格で掲載)
キム議員は「記録通りに全て入れたとすれば鉄筋脱落アパートではなく『鉄筋確実補強アパート』になっただろう」とし「通常の施工損失量を考慮して鉄筋を3%程度追加するという点を勘案しても過度な水準」と指摘した。
(後略)
京郷新聞「‘철근 누락’ LH 아파트의 반전···“설계보다 많은 철근 주문”(「鉄筋抜け落ち」LHマンションの反転…「設計より多くの鉄筋注文」)」より一部抜粋
鉄筋の量は少ないところで4%、このくらいなら余裕をもたせた発注と受け取れます。
しかし、多いところでは2倍以上。これが複数団地(記事の指摘だけで4ヵ所)確認されています。このうち1団地は実際に入れられていた鉄筋が250トンほど少ないことが確認されています。
他にも設計変更が行われていないところが18ヵ所あるので、こちらも確認要請しているとのことです。
設計変更とはそのまんまで工事進行中に色々な事情で設計と異なる施行が行われる場合(補強が必要なケースが発生したとか)、設計変更がされますが、該当の18ヵ所は追加の作業が始まっても設計変更がされていないのだそうです。
単に管理が杜撰なだけなのか、その杜撰な管理体制を利用して中抜きをしているのか、はたまた中抜きをしやすいように敢えて杜撰な管理体制を敷いているのか…。
ところで、キム議員が記事中で鉄筋が発注された通りに入れられていたのなら「鉄筋確実補強アパート」と言っていますが、それはそれで問題ですよね。
鉄筋が設計通りに入っていないことはもちろん問題なんですけど、一番の問題は「設計図通り」に出来上がっていないことだと思うんですよ。設計図の意味が無いですもの。