明暗が分かれた半導体企業の話

TSMCの今年第3四半期の業績発表は凄まじいですね。サムスンは完敗…というか、そもそも同じ土俵にすら上がっていないのだから数字を比べるべくもないのでは…?という感じです。

サムスン同様、メモリ半導体強豪企業であるSKも好調な業績を発表しています。SKに設備を納入しているハンミも好調で、およそ7割が国内での売り上げだったとの報道もあります。

同じ半導体企業でも、TSMCとSK、サムスンで業績がはっきり分かれたの要因が「AI」による需要で稼げたか、そうでないかの違いです。

 



ヘラルド経済の記事からです。

TSMCNVIDIA・SKハイニックスだけが好調」 AIで交錯した「半導体両極化」


(前略)

TSMCは17日(現地時間)、今年第3四半期の純利益101億ドル(約13兆8000億ウォン)を記録したと発表した。これは前年同期比54.2%急増した数値だ。第3四半期の売上は前年同期比36%増の235億ドルだった。これは会社の移転前の予想値である224億~232億ドルを上回った。

7ナノ以下の先端工程技術が売上の相当数を占めた。TSMCによると、3ナノの出荷量は全体ウェハー売上の20%、5ナノは32%、7ナノは17%を占めた。

びっくり実績の効果で時価総額が史上初めて1兆ドルを越えた。同日、米国証券市場で1日で株価が9.79%暴騰し、205.84ドルを記録した。NVIDIAに続き2番目に時価総額1兆ドルを突破した半導体企業になった。同日基準でTSMCは、世界企業のうち時価総額8位を記録している。

反面、先端工程装備を事実上独占供給しているASMLは前日不振な実績展望を発表し、株価が16%急落した。第3四半期の売上高は74億7000万ユーロ(11兆1100億ウォン)、営業利益は24億4000万ユーロ(約3兆6300億ウォン)と市場予想値を小幅に上回ったが、新規受注金額が予想より低調な上、来年の業績期待値まで下がったのが足を引っ張った。

(中略)

半導体企業の明暗を分けたのは「AI」だ。NVIDIATSMC、SKハイニックスなどはAI半導体市場でそれぞれ1位プレーヤーに挙げられる。

(中略)

NVIDIAの次世代AI加速器であるブラックウェル製品は、まだ発売前であるにもかかわらず、来年の物量まで売り切れたという。アマゾンウェブサービスAWS)やグーグル、メタ、マイクロソフト(MS)、オラクルなど、さまざまなビッグテックは今後1年間、NVIDIATSMCを通じて生産できるすべてのブラックウェルを事前注文した状況だ。 このようにTSMCは、ファウンドリー市場で主要ビッグテックのAI半導体製造注文を総なめしている。 工場の稼動速度が押し寄せる注文量についていけないほどだ。市場調査会社のトレンドフォースによると、第2四半期の世界ファウンドリー市場でTSMCは62.3%のシェアを占めた。 2位のサムスン(11.5%)よりおよそ50ポイント以上多い水準だ。

サムスンインテルが赤字を記録し、業績不振に苦しんでいるのとは対照的だ。

(中略)

メモリではSKハイニックスがAI最大の恩恵企業に挙げられる。高帯域幅モリー(HBM)の成長でサムスン電子とは対照的な雰囲気だ。24日、第3四半期の実績を発表するが、最近証券会社は展望値を高め肯定的な楽観論を出している。SKハイニックスの第3四半期の売上高推定値は18~19兆ウォン、営業利益は6兆9000億~7兆ウォンと集計される。一部では、サムスン電子DS部門の営業利益を追い越すものと見ている。

SKハイニックスに装備を納品している装備、部品メーカーの恩恵も目立つ。ハンミ半導体は17日、今年第3四半期の連結基準売上2085億ウォン、営業利益は993億ウォンを上げ、創業以来最大の四半期実績を達成したと発表した。売上は前年同期比568.4%、営業利益はなんと3320.9%増加した数値だ。ハンミ半導体は、HBM製作に欠かせない装備TCボンダーを納品している。



ヘラルド経済「“TSMC·엔비디아·SK하이닉스만 잘 나가” AI로 엇갈린 ‘반도체 양극화’ [비즈360](「TSMC・NVIDIA・SKハイニックスだけが好調」 AIで交錯した「半導体両極化」)」より一部抜粋

AIによる需要がいつまで続くのかは、多分だれにも分かりません。
軍事レベル、産業レベルでの活用は不可逆の所まで来ているとは思いますけれども、これが個人レベルとなると、まだまだという印象です。

最近では「AIスマホ」を推してきていますが、一部では「AI」を前面に出すマーケティングで逆に販売が伸び悩んでいるなんて話も聞きます。個人レベルだと、初めは面白がって使うでしょうけどすぐに飽きられる程度の利用範囲にしか、まだ至っていないという感じでしょうか?
本当のバブルが来るとしたら、個人が1人1人にカスタマイズされたAIを日常的に使うことが「当たり前」になるタイミングかもしれませんね。(それならサムスンはまだ間に合う?)