昨日の高麗亜鉛に関連する内容です。
どうも韓国の国民年金が高麗亜鉛の株式を7.5%ほど保有しているらしく、計画通り格安の有償増資が行われることによる影響(損失)が懸念されています。
高麗亜鉛の会長側は持ち分34.40%、利害対立が起こると思われる筆頭株主の永豊とMBK連合を合わせると38.47%になります。
その差は3.07%。国民年金が会長側に付けば引っくり返ります。実際、過去5年間、国民年金は案件の9割方で会長側(すなわち高麗亜鉛側)に票を投じてきていたようです。
しかし、さすがに今回ばかりは味方しないのではないか?との見方が濃厚です。
さらに、高麗亜鉛は永豊らによる臨時株主総会の招集要請に返答していない状態です。
ニューシースの記事からです。
「5年間手を挙げてくれたのに」...国民年金、高麗亜鉛に背を向けるか
(前略)
2日、金融投資業界に高麗亜鉛の筆頭株主である永豊は前日、ソウル中央地方裁判所に高麗亜鉛臨時株主総会招集許可申請書を提出した。
これに先立ってMBKパートナーズと永豊は新規取締役を選任し、取締役会を再構成するため先月28日、取締役会に臨時株主総会の招集を請求した。しかし高麗亜鉛がまだ総会招集手続きを踏んでいないため、臨時株主総会を迅速に開催できるよう裁判所にまで許可申請を出したのだ。
株主総会が開かれれば、7.5%の持分を持つ国民年金がキャスティングボートに浮上することになる。これに先立って永豊と高麗亜鉛は順次にそれぞれ公開買収を進め持分確保戦争を行った。チェ・ユンボム高麗亜鉛会長側は35.40%、永豊とMBK連合は38.47%の持分率を確保しているが、その差は3.07%pに過ぎない。
この5年間、国民年金は高麗亜鉛の大部分の案件に賛成票を投じてきた。しかし、今回の株主総会では高麗亜鉛に力を与えにくい状況だというのが金融投資業界内外の見方だ。国民年金をはじめとする機関投資家らは、高麗亜鉛の有償増資決定が株主価値を毀損した決定だということに異見がない雰囲気であるためだ。
(中略)
金融監督院も公開的に高麗亜鉛の有償増資に不公正取引の可能性が高いと刀を抜いた。
金融監督院が指摘している部分は、高麗亜鉛が有償増資をあらかじめ計画していたにもかかわらず、公開買収申告書ではこのような内容を記載せずに進めたのではないかという疑問だ。もし、高麗亜鉛が有償増資で調達した資金で公開買収に使われる借入金を返済することを投資家が知っていたなら、投資家の選択が180度変わる可能性があるためだ。
(中略)
既存株主の権益を大きく侵害したという市場内外の批判の声も聞き流しにくい状況だ。国民年金は8月、SKイノベーションとSK E&Sの合併案件に対して反対議決権を行使し「株主価値毀損の憂慮が大きい」と理由を明らかにした。
今回の有償増資は、公開買収価格である1株当たり89万ウォンよりも安い67万ウォンの低い発行価格で進められる。また、株主配分ではなく一般公募方式を選び、既存株主の株式で割引された利益は全て新規投資家だけに回ることになった。
ある資産運用会社の高位関係者は「1株当り価格が67万ウォンで現時価より非常に低い価格で割引発行する場合、既存に発行された株式価値は希薄にならざるをえない。割引されただけに誰かに利益が回るが、その利益が株主優先ではなく外部に戻るという点で市場では深刻な株主権益侵害と見ている」と説明した。
(後略)
ニューシース「"5년 간 손들어줬는데"…국민연금, 고려아연 등 돌리나(「5年間手を挙げてくれたのに」...国民年金、高麗亜鉛に背を向けるか)」より一部抜粋
新株発行の一部が「特別関係者」に割り当てられるという話も出ていて、ここら辺も問題点として指摘されています。
というか、普通に考えてこの措置は「特別関係者」がオイシイ汁を吸うためのものですよね?って感じ。
これでバリューアップとか、まあ無理でしょう。まずこういった企業風土から何とかしないと。