中国、韓国に対して初めて「ノービザ政策」...観光誘致のため?の話

中国が突然、一部の国に対してビザなし入国許可を施行しました。
対象は全部で9ヵ国。このうち1ヵ国に韓国が含まれます。

こうした処置は本来「相互」のもので、そのためには事前に何らかの協議が行われるのが普通です。ところが、少なくとも韓国に関しては何の事前協議もなく突然発表されたとのことで、韓国メディアでは色々な憶測のもと結構大きく報じられています。

以下で紹介するファイナンシャルニュースの記事は中でも比較的ニュートラルな伝え方をしているものを選んだつもりです。

 



ファイナンシャルニュースの記事からです。

中国、韓国を含む9カ国のビザなし入国を許可


(前略)

1日(現地時間)、中国外交部によると、林建外交部報道官は定例ブリーフィング後、記者との問答で「中国人と外国人の往来便宜のために中国がノービザ政策範囲を拡大する」とし「韓国、スロバキアノルウェーフィンランドデンマークアイスランドアンドラモナコリヒテンシュタインなど国家の一般パスポート所持者に対してビザ免除政策を施行する」と話した。

外交筋は「中国が韓国人を対象に一時的なビザ免除措置を取ったのは今回が初めて」と伝えた。

(中略)

今回、中国が韓国人を対象にノービザ政策を決めたのは、外国人観光客を誘致して内需を活性化させようとする意図が大きいものとみられる。国内旅行業界は今回の措置で中国旅行に無関心だった20~40世代の中国旅行が多く増えると期待した。

さらに、最近の韓中関係の改善のためだという分析もある。 匿名を求めた外交筋は「最近、韓国人半導体技術者に対する中国の初の反スパイ法適用拘束のニュースで、葛藤を緩和するための決定かもしれない」と話した。



ファイナンシャルニュース「中, 한국 포함 9개국 무비자 입국 허용(中国、韓国を含む9カ国のビザなし入国を許可)」より一部抜粋

朝鮮日報など一部のメディアは「ただし、日本は含まれない」と、わざわざ日本の心配(?)をしてくれていたりします。その心理は「日本パッシングざまぁwww」かもしれませんが。

日本人児童相手にヘ〇ト犯罪が横行しているような状況で、日本に対するノービザ政策が意味あるものになるとは思えません。むしろ中国世論を刺激しかねません。
そのため日本が対象に入っていないのは当然でしょう。

その他には、米中関係と関連して、韓国へのノービザ政策は「外交メッセージ」との見方もありました。米中の関係改善の余地を設けたもの、とのことでしたが、この見方には正直「?」です。
なんで「米中関係」なのに肝心の米国がノービザ対象に含まれず韓国なのか、が疑問だからです。この記事を書いた記者はもしかしたら、米国にとっても中国にとっても「韓国が仲介者」という意識が強いのかもしれません。それなら「米中関係改善の余地」を示すために韓国を緩衝材に挟むのは分からなくもありません。
でも、多分そんな風に考えているのは韓国だけではないでしょうか?
個人的には事前に協議や提案なしに突発的に発表する姿勢そのものが相手国への「軽視」の表れではないかと思いますけど。