国家保証債務が急速に拡大している話

韓国で国家保証債務が急増しています。
昨年末に10兆5000億ウォンだったものが、今年は15兆8000億ウォン、来年は26兆5000億ウォンと約50%ずつ拡大しています。このままいくと再来年には30兆ウォンを超えます。

国家保証債務とは、政府の関係機関や特殊法人基金などが資金を調達するために発行する債券の中で、政府が保証する債券のことです。
国債と似ていますが、政府が直接発行するのが国債で、保証人になっているのが国家保証債務です。

いずれにせよ、間接的には「政府の借金」と見なすことができます。

 



韓国経済の記事からです。

「隠し借金」国家保証債務、2年後には30兆ウォンを超える


(前略)

12日、企画財政部(財政部)によると、昨年末10兆5000億ウォンだった国家保証債務残高は今年15兆8000億ウォン、来年26兆5000億ウォンなどに増える。供給網の安定のために造成した供給網安定化基金債券保証規模が今年5兆ウォンから来年15兆ウォンに増加するためだ。

(中略)

サプライチェーン安定化基金の債券発行が増え、国家保証債務は2028年には38兆5000億ウォンまで増加するものと予想される。このうちサプライチェーン安定化基金債券が占める割合が66.5%に達する。

(中略)

今年基準で政府が保証した国家保証債務は供給網安定化基金債権と韓国奨学財団債権、基幹産業安定化基金などだ。韓国奨学財団債券は奨学金融資・保証のために用意された。COVID-19パンデミック時期に基幹産業支援のために設立された基幹産業安定化基金は来年に運営が終了する。

企財部は国家保証債務残高は増えるが、損失未確定債務なので、直ちには国家債務増加に及ぼす影響はないと強調した。だが、一部ではドナルド・トランプ米大統領当選者が来年1月に就任すれば、米国中心の経済・通商政策が強化されサプライチェーン安定化基金が不良化する可能性も提起している。

(後略)



韓国経済「'숨겨진 빚' 국가보증채무, 2년 뒤 30조원 넘는다(「隠し借金」国家保証債務、2年後には30兆ウォンを超える)」より一部抜粋

9月末時点での財務省公表資料による日本の政府保証債務は、29兆3360億円です。265兆ウォンくらいでしょうか。
経済規模が違いますから、総額だけで比較することの意味はあまりないかもしれません。

が、増減となると違いは明らかで、韓国が約50%増に対して日本は前年末比0.70%(2064億円)減。減っているといっても微々たるもので誤差の範囲です。
しかし、これは逆に言うと「横ばい」で「安定している」ということでもあります。