韓国の青年雇用は低下し続けています。
統計庁が発表した10月のデータでは、青年就職者数は18万2000人減少しました。雇用率は45.6%です
韓国は日本以上の速度で少子高齢化が進んでいますから、就職者数には人口動態による自然変化も要因として作用します。しかし、雇用率は該当年齢層の全体人数が母数です。人口減少による変化は関係ありません。
失業者数は1万1000人増え、失業率は5.5%です。
「休んだ」人も41万8000人と、1年前より15%近く増加しています。
数値を見る限り、韓国青年雇用は芳しくは見えません。
しかし、韓国政府の自己評価は違うようです。企画財政部が発表した報道資料では、ユン政権が「歴代政権最高の青年雇用率を達せいした」と自画自賛しています。
世界日報の記事からです。
「青年雇用率最高」政府の叫びにも…寒風吹く青年雇用
(前略)
16日、統計庁によれば10月の15~29才の青年層就業者は18万2000人減少し、雇用率は45.6%で0.8%下落した。本格的に雇用市場に参入する20代後半の雇用率も72.2%で、前年比0.5%ポイント減少し、2ヵ月連続下落傾向を示した。
逆に失業率を上昇した。15~29才の失業率は5.5%で前年同月対比0.4%上昇した。20代の失業者数も1万1000人増えた。
(中略)
さらに大きな問題は「休んだ」青年人口だ。求職活動をしない非経済活動青年層が大きく増えている状況だ。先月の「休んだ」青年は41万8000人で、1年前より5万2000人(14.3%)増加した。10月基準で見ると、新型コロナウイルス感染症の危機だった2020年以降、4年ぶりの最大値だ。
にもかかわらず、政府の立場は違う。企画財政部は11日、報道資料を通じてユン・ソンニョル政府の前半期の成果を広報した。企画財政部は「この2年半の間、危機対応と経済運用の正常軌道復帰に全力を尽くしてきた」と明らかにした。この中で歴代政権最高の青年雇用率を達成したという点も前面に出した。10月の雇用指標と関連しても「雇用増加速度が調整される過程で青年など雇用脆弱階層の困難が持続している」としつつも「民間消費条件改善と基底効果などを勘案すれば11~12月には雇用増加幅が拡大するだろう」と肯定的展望を出した。
だが、政府が成果として発表した「歴代最高青年雇用率」も細部的に調べれば状況は違う。20代の賃金勤労者10人中4人は非正規職で、いわゆる「良質の働き口」とは距離が遠い。時間制労働者が大幅に増加し、20代の非正規職の割合は史上最高値を記録している状況だ。
8月基準で20代賃金勤労者の内、非正規職は146万1000人で全体(338万9000人)の43.1%に達する。 これは2003年に関連統計を取り始めて以来、最高の割合だ。
(後略)
世界日報「“청년고용률 최고” 정부 외침에도… 찬바람 부는 청년고용(「青年雇用率最高」政府の叫びにも··· 寒風吹く青年雇用)」より一部抜粋
本格的に雇用市場に参入するのが20代後半ってやっぱり遅いですよね。それで50歳くらいで定年です。
そのまま自営業(チキン屋やカフェ)を始めるのがテンプレなんですけど、なぜかテンプレなのに全く準備しない人が多すぎるんですよね。とても不思議。
記事でも指摘しているように、青年雇用率に見かけ上の数字は非正規職の拡大によるものです。(非正規職が一概に悪いというわけではありませんが)
また「休んだ」人たちを母数から除外することでも数値をかさ上げしている可能性があります(確証はありません)。
ところで、日本で最も就職が厳しかった超氷河期とされる2003年の非正規職の割合は30.4%でした。
もっとも、この数値は20代に限定されていませんが、当時の日本でもこのくらいの数字だったという目安程度にはなるでしょう。