韓国銀行が政策金利を0.25%ポイント引き下げ3.00%としました。
前回の引き下げ時に、記者から年内の追加引き下げについて聞かれた際には牽制していた韓国銀行総裁ですが、恐らく予想よりも韓国経済の状況が思わしくなかったのでしょう。
現状の韓国は輸出が明らかに鈍化しています。輸出国家である韓国で輸出が鈍化するというのは成長の流れが弱まることを意味します。加えて、来年1月に発足する第2期トランプ政権という不確実性があります。
これに備えるという意味でも引き下げを決定したのだと思うのですが、しかし、今回の政策金利引き下げを各メディア「遅きに失した」と叩きまくっている印象です。状況が悪くなったから慌てて引き下げたと見えているようです。
ニュース1の記事からです。
結局、来年の成長率は1%台に...「8月はなぜ下げなかったのか?」韓銀、失機論で「ざわつく」
(前略)
30日、韓銀によると、金融通貨委員会(金通委)は28日に開催した通貨政策方向決定会議で、10月に続く連続利下げを決定した。これで基準金利は年3.00%で運用されることになった。
基準金利の連続引き下げはグローバル金融危機が発生し臨時金通委が招集された2009年以降、今回が約15年ぶりに初めてのことだ。それだけ韓国経済全般の温度が冷たくなり金利引き下げが至急だったという傍証と解説される。
統計庁によると、先月、国内産業生産と小売販売(消費)、設備投資はそれぞれ0.3%、0.4%、5.8%減少した。産業生産と小売販売、設備投資が共に減る「トリプル減少」は5月以後初めてだ。
実際、韓銀は11月の経済展望で、来年の国内総生産(GDP)成長率を前期比1.9%と提示した。再来年の成長率ではこれより低い1.8%を出した。
来年も再来年も韓国の景気は回復しにくいという暗鬱な見通しに該当する。 2年連続で経済の基礎体力である潜在成長率2%台が崩れるものと観測されたためだ。
その上、韓銀が提示した四半期別成長経路を見れば、韓国のGDPギャップ率(実際GDPから潜在GDPを引いた数値)が正の値に転換する時期は、今年上半期に予測した来年初めから来年末に確実に押された。
(中略)
これに対し韓国銀行が金利引き下げ時期を逃し景気下降を適切に防御できなかったという「失機論」が再び浮上している。
すでに先月の国会国政監査では韓銀の金利引き下げ遅延が内需景気を冷却させたという批判が多数提起された。例えばユン・サンヒョン国民の力議員は今回の金利引き下げ直後「経済はタイミング」とし「8月金利を先制引き下げ、今回は凍結することが正しい方向だった」と主張した。
しかし、韓銀は失機論に同意しなかった。
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は28日、通貨政策方向記者懇談会で「8月金利引き下げを見送ることにより家計負債を相当部分安定させ不動産価格上昇動力を阻んだ」として「金融安定のための政府政策に役立ったと考え誇らしく思う」と言及した。
この過程で通貨政策決定が適切か否か「1年後に評価してほしい」と頼んだ。今すぐには体感できないかもしれないが、来年末には韓国銀行の決定に理由があったことを理解することになるだろうという自信がうかがえる発言と評価される。
しかし、韓銀によると、基準金利0.25%ポイント(P)引き下げによる成長率向上効果は年間0.07%Pと推算された。今までの金利引き下げ(10・11月計0.5%P)で来年の成長率が潜在値以上に大きく跳ね上がることは難しい状態だ。
(後略)
ニュース1「결국 내년 성장률 1%대로…"8월 왜 안 내렸냐" 한은 실기론 '웅성'(結局、来年の成長率は1%台に...「8月はなぜ下げなかったのか?」韓銀、失機論で「ざわつく」)」より一部抜粋