戒厳軍司令官、軍の国会投入を「知らなかった」「命令しなかった」という話

戒厳令の後処理で韓国国政は完全にストップしてしまいました。野党のせいで国政麻痺状態→打開のために戒厳令のはずが、ユンさんが完全に止めてしまったというのは皮肉です。(ユンさんは「俺は悪くねぇ!!」と言っているようですが...)

それはさておき、今回の戒厳令で投入された戒厳軍は国会を制圧できませんでした。もし、軍による国会制圧が達成されていれば、解除要求案が決議されることもなくユンさんによる「クーデター」は成功していたでしょう。
戒厳令後処理の中では当時の戒厳軍司令官などへの聴取も行われており、その中で「なぜ失敗したのか?」な質問もあったようです。
その回答が意外というか...「急に進められた計画だったので準備できていなかった」というものでして。「少し落ち着かない雰囲気」との発言から浮足立っていたようにも受け取れます。
何よりビックリなのが戒厳軍の国会投入を「知らなかった」と答えている点です。

 



ソウル新聞の記事からです。

「戒厳はなぜ失敗したのか」と聞いたら…前戒厳司令官、意外な答弁


12・3非常戒厳当時、戒厳司令官を務めたパク・アンス陸軍参謀総長が5日、戒厳失敗の原因について「急に進行され軍事的には計画、備えができていない点がある」と明らかにした。

パク総長はこの日、国会国防委員会全体会議に出席した席に「戒厳が失敗した理由が何だと思うか」というファン・ヒ共に民主党議員の質問にこのように答えた。

パク総長は「軍で言うことを聞かなかったのか」というファン議員の質問に「言うことを聞かなかったのではなく、少し落ち着かない雰囲気に感じられた」と話した。

(中略)

一方、パク総長とキム・ソンホ国防部長官職務代行(次官)は、「キム・ヨンヒョン前国防部長官が戒厳軍の国会投入と撤収指示を下した」と明らかにした。パク総長は「(戒厳軍を)投入したことも知らなかった。私は命令しなかった」と述べた。

同日、パク総長は今回の非常戒厳事態の責任から距離を置く姿を見せた。彼は戒厳軍投入と布告令など非常戒厳当時の主要措置に対して「知らなかった」とか「戒厳軍に命令を下せる組織がなかった」、「指揮所構成ができなくて正常的活動ができなかった」等の発言をして自身が実質的に戒厳軍を指揮することが難しかったと明らかにした。



ソウル新聞「“계엄 왜 실패했나” 물었더니…前계엄사령관, 뜻밖의 답변(「戒厳はなぜ失敗したのか」と聞いたら…前戒厳司令官、意外な答弁)」より一部抜粋

クーデターが成功すれば良かったなんて言うつもりは微塵もありません。
しかし、それと軍が「準備不足で動けなかった」は全く別問題として見るべきではないでしょうか?しかも戒厳軍総司令官が戒厳軍の国会への投入を「知らなかった」「指揮するのが難しかった」と、指揮系統が混乱していたかのような証言をしています。

こんなんで真北とか北西とか北東とか…いざというとき大丈夫なのでしょうか?