航空機事故の疑問とユンさんへの逮捕状の話

非常に慌ただしい年の瀬です。

 



まず、先日の航空機事故ですが、バードストライクではないのでは?との疑問の声が専門家から出ているそうです。正確には、バードストライクだけであそこまで致命的な(ランディングギアが下りない、フラップが開いていない)事態になるとは思えない、という話のようです。
ChatGPTに聞いたところ、バードストライクが原因でランディングギアが下りなくなるほどの致命的な損傷が発生するケースは「理論的にはあり得るが極めて稀」とのこと。その理由として、仮に油圧が失われても重力でランディングギアを展開できる「フリー・フォール・モード」という機構が設計上備わっているからだそうです。

また、事故当時の映像を紹介した際に「滑走路が短いような違和感」について触れましたが、これはある意味正しかったです。
滑走路の長さ自体は足りていたものの、胴体着陸した地点が滑走路の半分弱の1200メートル地点だったそうです。滑走路の全長は2800メートルですから、ほぼ半分の地点です。
車輪のブレーキが無い状態で制動距離が延びるのになぜそんなところに下りたのか?これも謎です。

どちらにしろ事故調査の結果を待つしかありませんが、事故直後の時点ですでに「人災」に言及するような報道を目にしています。韓国で大きな事件・事故が起こったときには必ずこういう声が上がります。セウォル号しかり、ハロウィンの梨泰院しかり。「誰かのせい」にしたがる傾向が強いです。
そのせいもあり、私自身「(すぐ人のせいにするから、という)先入観」を持って見てしまうため、なかなかフラットに疑問報道を見ることが出来ません。そのためこの件に関しては「こういう声があるよ」程度の紹介に留め、記事の引用はせずにおきます。

次にユンさん関連ですが、逮捕状が請求されました。現職大統領に対しては初めての事態です。
大統領には不逮捕特権がありますが、内乱罪は適用外との判断です。動いているのは高位公職者犯罪捜査処。ムンさんの時に作られた組織です。
ユンさん側はこの公捜処に内乱罪の捜査権限は無い、と逮捕状そのものの効力無効を主張しています。

聯合ニュースの記事からです。

ユン逮捕状、大統領権限侵害…憲法裁に権限争議・仮処分」


ユン・ソンニョル大統領弁護団が裁判所の逮捕令状発給に不服して憲法裁判所に権限争議審判を請求し、効力停止仮処分申請を出す計画だと明らかにした。

ユン大統領の弁護人であるユン・ガプグン弁護士は31日、「逮捕令状に対して憲法裁判所に権限争議審判と逮捕令状効力停止仮処分を申請する予定だ」と明らかにした。

公捜処にユン大統領の内乱罪捜査権限がないにもかかわらず、令状専担判事が公捜処が請求した逮捕令状を発行し、憲法66条による大統領の憲法守護責務権限行使と三権分立による統治権者としての非常緊急権行使権限を侵害したというのが申請趣旨だ。

これと関連し、ユン大統領側のソク・ドンヒョン弁護士は同日、法務法人事務所で記者団に対し「国家首班としての大統領の統治行為は、司法的審査の対象にならないという憲法原則に反するため、憲法裁に申請を検討することだ」と説明した。

(中略)

彼は捜査権のない公捜処が短期間内に出席要求を繰り返し逮捕令状請求のための「3回不応」外形を作ったとも主張した。

ソク弁護士は「きちんとした捜査手続きなら事案と身分によって調査する内容が膨大だろう」とし「非常戒厳をするようになった過程に対して(調査するための)最小限の準備ができたのか疑問」と指摘した。

それと共に「事案が整理されていない状態で追い込みをすることは結局、強制手続きを踏むために名分を積もうとすること」とし「捜査の基本メカニズムに対する理解が多くない公捜処長の足りない処置」と批判した。

(中略)

これに先立ち、公捜処はユン大統領が3回の出席要求にも応じないとし、前日0時、ソウル西部地裁に逮捕令状を請求、西部地裁のイ・スンヒョン令状専担部長判事は同日午前、発行した。



聯合ニュース「尹측 "체포영장, 대통령 권한침해…헌재에 권한쟁의·가처분"(종합)(ユン逮捕状、大統領権限侵害…憲法裁に権限争議・仮処分」)」より一部抜粋

私は今夜はマリオを観て、久しぶりに紅白の後半だけ観てソバ食べます。
今年一年、日本も色々ありましたし、現在進行形でありますけれども、せめて年越し年明けくらいは「事も無し」で過ごしたいものです。
今年一年ありがとうございました。みなさま良いお年を。