イ・ジェミョンさんの議員職除名を求めた国会請願が成立要件達成という話

韓国には公的に運用される国民請願システムが2つあります。
1つは韓国の大統領府に設置されている国民請願システムで、こちらはSNSのアカウントを使えば1つの案件に対し1人で何度でも同意できます。(ユン政権にて「国民提案」に改編されたため事実上廃止と見る見方がある)
もう一方の韓国国会請願システムは登録の際に本人確認が必要となるため同一の請願に対して1人1度までしか同意できないようになっています。

1人1度しか同意できない国会請願の方でイ・ジェミョンさんの議員職除名請願が提起され、成立要件である5万人の同意が2日で集まったとのことです。
とはいえ、だからどうなるというものでもありません。請願が成立したからと言って国会で取り上げられる保証はありません。放置される請願も珍しくないとのこと。
韓国国会請願システムは2020年1月からスタートしましたが乱発されていると言って良い状況です。
とにかく気に入らないから訴えるという感じで、一件一件律儀に取り上げていられないというのが正直なところでしょう。

 



SBSの記事からです。

「イ・ジェミョン除名」国会請願、5万人以上が同意…成立要件を満たす


共に民主党のイ・ジェミョン代表の議員職除名、イ・ミソン、チョン・ゲソン憲法裁判官弾劾を要求する国会国民同意請願が成立要件を満たしたと国会事務処が今日(10日)明らかにしました。

今月5日に公開された「イ・ジェミョン議員の除名に関する請願」は、公開後30日以内に5万人以上同意しなければならないという成立要件を今月7日に満たしました。

この請願はイ代表がユン・ソンニョル大統領に対する逮捕令状の執行を主張したなどの理由で国会議員職から除名することを要請する内容です。

イ・ミソン、チョン・ゲソン憲法裁判官が偏向的裁判を行い弾劾しなければならないという主張を盛り込んだ請願は5日に公開され、やはり5万人以上の同意を満たしました。

これらの請願は7日、所管常任委員会である法制司法委員会に回付されました。

(中略)

このほか、前科者は選挙出馬を許さないように法を改正しようという請願も5万人以上の同意を得て、行政安全委員会に回付されました。



SBS「'이재명 제명' 국회 청원, 5만 명 이상 동의…성립 요건 채워(「イ・ジェミョン除名」国会請願、5万人以上が同意…成立要件を満たす)」より一部抜粋

上でも述べましたけれど、これで何が変わるとは思えません。ただ請願の集まるスピード的に、まとまりの無いと言われていた韓国保守層が今回の件ではかなり集結しているだろうと伺えます。

前科者については「一律」という判断は好ましくないかもしれませんね。
飲酒運転やスピード違反の場合は罰金刑で済んでいても(罰金刑の場合、前科はつかない)多少厳しく見た方が良いかもしれません。こうした緩みのある人が立法府(規則を作る側)に居るのは好ましくないと思えますので。
それでも一定期間被選挙権を停止するのがせいぜいではないでしょうか?

あとは立候補時の経歴に「すべて」載せることを義務付けるか。仮に民主化運動時代の前科だけだったとして、当時「違法」とされた行為の意味や必然性を有権者自身が判断できるように。