19日、20日の日程で韓国経済使節団が訪米していました。「韓米同盟70年」を記念して、韓国の潜在力(?)を米国側に示すことが狙いだったそうです。
ちょっと何言ってるかよく分からないのですが参加メンバーを見るに、SKグループ会長やサムスン、現代、LGなど韓国内の産業界の大手メンバーが揃っているので、グローバル産業界における韓国企業の役割(位相)を認識してもらうことと、韓国産業の売り込みを兼ねての訪問かな、と思われます。
しかし、どうやら肩透かしを食らったようです。
米商務省長官との面談が直前で取り消され、日程を終えた帰国日に30分だけ面談出来たとか。その場で「各企業ごとに10億ドル支払えば良きにはからう(意訳)」と言われたそうです。
朝鮮日報の記事からです。
「70年同盟」を掲げ米国で冷遇された韓国経済使節団
ラトニック米商務長官が最近訪米した韓国経済使節団に対米投資を強調し「(企業ごとに)10億ドル(約1兆4000億ウォン)を払えばエクスプレス(express・急行)サービスを提供する」と明らかにした。韓国経済使節団との面談日程を一方的に取り消し、2日間の使節団日程が終わった翌日の21日(現地時間)、30分ほどを割いて面談した席でのことだった。 同氏はチェ・テウォン大韓商工会議所兼SKグループ会長をはじめ、サムスン、現代車、LGの4大グループとハンファ、HD現代、韓国水力原子力など国内産業界の関係者10人あまりを前に対米投資を数回強調したという。ラトニック長官は政権引き継ぎチームの共同委員長を務めた「関税・貿易戦争」の先鋒に立つ人物で、投資銀行カンタ・フィッツジェラルドの最高経営者(CEO)出身だ。
ドナルド・トランプ米大統領が就任と共に自動車、半導体、鉄鋼など韓国の主力産業に対する「関税爆弾」と補助金廃止など全方位的な圧迫に乗り出した中で、貿易・通商政策を総括するラトニック長官もやはり個別企業に会った席で大規模な投資を要求したのだ。韓国の参加者たちは「韓国がこの8年間1600億ドル以上を米国に投資し、これを通じて80万個以上の働き口を創り出した」と強調し、具体的な投資計画は明らかにしなかったと伝えられた。
(中略)
19~20日(現地時間)の2日間、米ワシントンDCを訪問した国内民間経済使節団約20人は、ホワイトハウスをはじめ米政府長官級高官との面談を推進したが、米国の「高い壁」を痛感して帰ってきたという。
23日、産業界によると大韓商工会議所兼SKグループのチェ・テウォン会長をはじめ、HS暁星のチョ・ヒョンサン副会長、サムスン電子のキム・ウォンギョン社長、SKオンのユ・ジョンジュン副会長、現代自動車のソン・キム社長など、大韓商工会議所の経済使節団26人が米国を訪れたが、意味ある成果を上げることができなかった。当初2日間の日程だったが初日にはホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)関係者面談と大韓商工会議所が米議会図書館で主催するガラディナーが予定されていた。2日目には、ラトニック商務部長官と財務部次官補との面談が予定されていた。
しかしラトニック商務長官が面談を控えて突然日程を取り消し、韓国経済使節団側が強く遺憾の意を示したという。当時の事情を知っている財界関係者は「参加者の間で米国が『70年同盟』にこのような待遇ができるのかという話が出てきた」と話した。また、今回の使節団の訪米日程の中で核心行事だったガラディナーの場合、米メリーランド州で開かれる共和党核心行事「保守政治行動会議(CPAC)」日程と重なって、当初参加することにした共和党核心人士の相当数が参加できなかったと伝えられた。
結局、公式日程が終わった3日目の午前、辛うじて商務部長官との面談が再び決まったが、使節団の多くは次の日程のために飛行機のチケットを予約した状態であり約10人だけが面談に参加したという。匿名を要求した使節団のある関係者は「今回の日程は米国と70年同盟という点を強調し、韓国の潜在力を主に示す顔合わせ的性格の出会いだった」と話した。
チェ・テウォン会長は21日、ワシントンDCで国内取材陣と会った席で、今回の訪米成果について「彼ら(米国)が興味を持つ話をするという計画であり、そのような側面で成果があった」として「(米国に投資するのが悪いだけでなく)人工知能分野などは他に投資するより米国に投資するのが今はるかに良いかもしれない」と話した。
(後略)
朝鮮日報「‘70년 동맹’ 내세웠다 美서 홀대만 받은 한국 경제 사절단(「70年同盟」を掲げ米国で冷遇された韓国経済使節団)」より一部抜粋
一方の言い分だけなのでなんとも言えませんが...サラっと見た限り日程管理に問題があったように見えます…気のせいですか?
ラトニックさんの立場を考えれば、韓国経済使節団を相手に米国への投資誘致の話をするのは当然のことではないかと思います。
大規模投資を行えばそれなりの見返りを期待して良いよ、というのも当然の話のように思います。
何を期待して行ったのでしょう?70年来の同盟相手なのだから、無条件に便宜を図ってもらえると期待していたのでしょうか?
というか、参加者の多くはグローバル企業の重役ですから当事者間では当たり前の話として受け止められているかもしれません。憤慨(?)しているのはメディアだけかも。
「8年間1600億ドル以上を米国に投資」との話が出てきていて思い出したことに、数日前の対米投資関連の記事があります。
2022年だったか23年だったか...ちょっとウロですが、韓国が対米投資1位だったというものです。
しかしデータの基準が異なっていて、確かに新規投資として見ると韓国が1位なのですが、得られた利益の一部を再投資に回す累計値で見ると日本が1位になるというものです。
そして、ここからが重要で米国商務省も「対米投資1位は日本」との認識を(データで)示しているという点です。
韓国が自分たちに都合の良い結果が出るよう、集計基準をズラしていても、相手のあることですから、いたずらに認識を乖離させることにしかなっていないというわけです。