23日にお伝えした(自称)徴用工の遺族の訴訟に関する続報です。
MHパワーシステムズコリアの三菱への支払金差し押さえを求めた訴訟で第一審勝訴が出ており、「仮執行も可能」との話でしたが、これが取り下げられることになりそうです。
というのも、原告(自称)被害者遺族が第三者返済案を受け入れることになったためです。
東亜日報の記事からです。
日本強制徴用「第3者返済」14組目の遺族賠償金受領
日本による植民地時代強制徴用被害者である故チョン・チャンヒさん遺族らが日本企業の代わりに政府傘下財団から賠償を受ける政府の「第3者返済案」を受け入れたことが確認された。これで日本企業を相手に2018年最高裁で勝訴した被害者15人中14人が「第3者返済」を受け入れ賠償金を受け取ることになった。
チョンさんの遺族らは日本三菱重工業の債権を持つ国内会社に「賠償金を代わりに支払え」という取り立て金請求訴訟を起こし、最近1審裁判所で勝訴判決を受けた当事者だ。
(中略)
26日、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団(以下財団)は同日午前、遺族側に賠償金を支給した。賠償金は元金8000万ウォンに利子など約2億5000万ウォン水準だという。先立って遺族たちは昨年財団に賠償金を受け取りたいという意を伝達したと伝えられた。
(中略)
チョンさんの遺族らが国内のある会社を相手に「三菱重工業に支払わなければならないお金を賠償金として支給せよ」として出した取り立て金請求訴訟も取り下げ手続きを踏むことになる。これに先立って1審のソウル中央地裁は今月18日、同社が三菱側にITサービス手数料として払わなければならない8360万ウォン余りを遺族に支給せよという遺族側勝訴判決を下した。この判決が確定すれば強制徴用被害者が国内で訴訟を通じて日本企業の国内資産を賠償金として受け取る初めての事例になる予定だった。
(後略)
東亜日報「[단독]日강제징용 ‘제3자 변제’ 14번째 유족 배상금 수령(日本強制徴用「第3者返済」14組目の遺族賠償金受領)」より一部抜粋
遺族たちの急な転身ですが…やはり金額的な部分が大きいのでは無いかと思います。
遺族は全部で6人(配偶者+子ども5人)です。三菱の差し押さえで得られる賠償金額は8360万ウォン。配分は配偶者1930万ウォン(約198万円)、子どもは各1286万ウォン(約132万円)とされています。
大した金額ではありませんね。
では、代位弁済を受けれればどうなるか...全部で2億5000万ウォンです。3倍以上です。
お金の問題じゃない、というキレイごとはこの際置いておきましょう。賠償とか弁済とか言うのは、結局お金の多寡で誠意とか謝意を見せましょう、ということですしね。それを受け入れたとしても別に後ろめたく思う必要もないでしょう。
日本としても、国内問題を韓国が国内で解決したのであれば別にアレコレ言う必要も無いと思います。
しかし代理弁護士は話が別です。
記事にあることが事実なら、遺族らは昨年、既に代位弁済を受け入れる旨伝達していたことになります。それなのに1審判決が出るまで引っ張って代理弁護士が「直接賠償請求の道が開かれる(ドヤァ」としたわけです。
この弁護士は「日本企業からいくらの賠償金でも存在したということを歴史に残すことが出来るかの分かれ道」という発言もしており、恐らく一審の判決結果(賠償命令)が欲しかったんだろうと思われます。公的に裁判記録として残りますからね。一審判決が出るまで待つよう遺族を説得したのかもしれません。