アジア経済の記者が台湾のTSMC工場の周辺をウロウロする記事を書いています。TSMCは2nmの収率が60%に迫っており、これは記事曰く「グローバル2位のファウンドリシェアを占める」サムスンの2倍、とのこと。
どこのメディアか忘れましたが少し前にはTSMCの熊本工場の周囲や北海道のラピダスの工場周囲もウロウロして記事にしていました。
もちろん、工場内部には入れませんので周辺をウロウロしただけです。
韓国メディアの半導体記事の視線はずっと「東」にばかり向いています。意図的なのか無意識なのか、「西」に視線を向けるメディアが極端に少ない現状です。
しかし、少し前にサムスンはメモリ半導体に注力する宣言をしていたはずなので、本当は東のTSMCより西の中国にこそ向き合わないといけません。
2月の輸出動向が発表され、韓国の対中半導体輸出が15%減少したことが分かりました。
昨年12月に中国メモリ半導体会社のCXMTがDDR5の量産を始めたと発表しており、今まで韓国製品が使われていた所が中国国内製品に本格的に置き換わっているものと思われます。
朝鮮日報の記事からです。
中国、先端メモリ本格量産へ...半導体、対中輸出15%減少
(前略)
CXMTをはじめとする中国メモリー企業が昨年下半期から中国内需市場の供給量を大幅に増やし韓国の対中半導体輸出が減っている。1日、政府が発表した2月の輸出動向によれば、最大輸出品目である半導体輸出だけで16ヵ月ぶりにマイナスになった。米国に向けた半導体輸出は63.5%、アセアンは22.2%、インドは20.4%ずつ増加した反面、主要輸出国の中で唯一中国だけが15.3%減少した影響が大きい。中国を含めすべての国に対する半導体輸出が増えた1年前と比べても異例の状況だ。中国の低価格DRAMが自国の内需市場に大量に供給され韓国企業の輸出物量が大幅に減った影響だ。中国は韓国のメモリ輸出の半分ほどを占めている。中国内の半導体自給が増えれば、韓国企業が直接的な影響を受けざるを得ない。
韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「CXMTと揚子メモリ(YMTC)など中国メモリ生産の半分以上は中国市場で売られるが、これは直ちにサムスン・SKなど韓国企業実績減少につながる」として「先月の対中半導体輸出減少は中国のために韓国がグローバルメモリ市場で押され始めたという確実なシグナル」と話した。
(中略)
中国メモリーの躍進で堅調に維持されていた韓国メモリのシェアも揺れている。市場調査会社のトレンドフォースによると、サムスン電子は昨年第4四半期に世界のDRAM市場で売上シェア39.3%を記録した。2023年第4四半期の45.5%から昨年第3四半期には41.1%と着実に下がったのに続き、第4四半期にも下落したのだ。
(中略)
中国メモリが短期間韓国を脅かすほど成長した背景には攻撃的な投資がある。CXMTは2022年下半期に始まった半導体の低迷にもかかわらず、2023年の生産設備投資規模(61億4300万ドル)を前年比131.9%増やした。
(中略)
CXMTは今年、前年比5.3%増の76億8800万ドル(約11兆ウォン)を投資する計画だ。相当部分は韓国がリードするHBM(高帯域幅メモリー)分野に集中する見通しだ。一方、サムスン・SKはメモリの主要生産基地である中国工場への投資を生半可に決められずにいる。現在、米半導体法(チップス法)は中国内の一部投資を許容しているが、トランプ政権になって全面禁止する可能性が高いためだ。サムスン電子は中国西安にNAND工場、蘇州にパッケージング(後工程)工程を運営しており、SKハイニックスは無錫と大連に各々DRAM・NAND工場がありトランプがチップス法を修正する場合、直接影響圏に入る。
朝鮮日報「중국, 첨단 메모리 본격 양산… 반도체 對中 수출 15% 줄었다(中国、先端メモリ本格量産へ...半導体、対中輸出15%減少)」より一部抜粋