本日午前10時過ぎ、韓国軍が戦闘機の実弾演習で民家を誤爆するというあってはならない事故を起こしました。標的座標入力を誤った人的ミスです。
幸い死者は出ていません。人的被害は重症2名、軽傷13名と発表されています。建物は住宅5棟、倉庫1棟、教会の聖堂1棟、ビニールハウス1棟、車両1台です。
聯合ニュースの記事からです。
ポチョンの民家に戦闘機爆撃の誤爆で15人負傷…「村が廃墟」
(前略)
関係当局によると、この日午前10時5分頃、ポチョン市二東面蘆谷里のナンユ大橋付近の路上に爆弾が落ちた。
近くの住民は「突然ドンという音と共に地面が上下に揺れた」とし、当時の衝撃がすごかったことを証言した。
この事故で現在まで15人が負傷し、10人が病院に運ばれた。消防当局は重傷2人、軽傷13人に分類した。
(中略)
消防関係者は「現場から避難した住民が追加移送を要請している状況」とし「現在まで負傷者15人のうち10人が病院に移送され、5人は移送を拒否した」と説明した。
人命被害以外の建物8棟が窓ガラスが割れ、壁が崩壊する被害を受けた。細部的に聖堂1棟、住宅5棟、倉庫1棟のビニールハウス1棟であり、ポーター車両1台も一部破損した。
(中略)
事故現場近くの防犯カメラには道路を通っていた貨物車の前方約10メートルに爆弾が落ち、火炎と煙が噴き出し、残骸が散らばるヒヤリとする場面がそのまま映っていた。
事故の原因は空軍所属の戦闘機操縦士の標的座標入力ミスによる誤爆と把握された。
軍当局によると、この日、京畿道ポチョンの昇進科学化訓練場一帯で空軍、陸軍と在韓米軍が参加する韓米連合・合同統合火力実射撃訓練が開かれ、空軍はF-35A・F-15K・KF-16・FA-50など戦闘任務機を投入した。
空軍は、このうちKF-16からMK82爆弾8発が異常投下され、射撃場の外部に落弾したと明らかにした。MK82爆弾は建物・橋梁破壊などに使われる爆弾で直径8m・深さ2.4mの爆破口を作り、爆弾1個の殺傷半径はサッカー場1個程度の大きさだ。
(中略)
落ちた8発のうち不発弾はないことが分かった。
当局は該当村の近隣に出入り阻止線を設置、統制している。 統制線内部にある約40世帯余りの住民たちは村会館などに避難した。
(後略)
聯合ニュース「포천 민가에 전투기 폭탄 오발로 15명 부상…"마을 쑥대밭"(종합4보)(ポチョンの民家に戦闘機爆撃の誤爆で15人負傷…「村が廃墟」)」より一部抜粋
韓国軍は知りませんが、米軍の陸軍が火力支援要請をする際は10m単位の精度で攻撃目標を指定すると聞いたことがあります。今回は空軍なので、事情は異なるかもしれません。それでも本来の目標座標とは相当ズレていたものと思われます。
また、座標入力のダブルチェック体制がどうなっていたのかも精査されるべきでしょうね。
先日、イ・ジェミョンさんが「国防AI化」の話をしていましたが、彼の語る「AI化」は未だSFの世界だとは思うものの、座標入力支援くらいはどうとでも出来るでしょう。
目標に指定された座標が訓練敷地外だったらアラートを出すようにする安全機構程度ならそう難しくないはずです。こうしたセーフティを用意することはAI化以前の話のような気がします。