ソウル中央裁判所、ユンさん側の「拘束取消請求」を容認する話

突然の話ですが、ユンさんが釈放されるかもしれません。裁判所がユンさん側が主張していた「拘束状態は不当」との主張を容れた形になります。

ユンさんの逮捕令状が執行されたのは1月15日の午前10時33分でした。その後の時間計算が各所で異なり、公捜処は拘束期間を1月28日まで、検察は27日までと認識していました。
ところがユンさん側はこれを「25日深夜」と主張しています。
なぜこれほどズレるのかですが、逮捕後に行われる各種手続きの所要時間の見積もりのズレです。時間めいっぱい2日間控除したか、被告人利益の観点から1日だけ控除したか、実際の所要時間を分単位で計算、控除したかの違いです。

いずれにせよ、今回、裁判所がユンさん側の主張(不当拘束)を認めたことで、公捜処が起訴を検察に丸投げし、泡食った検察が右往左往していた期間は丸々「不当拘束」だったことになります。
そして拘束期間が過ぎてから起訴したことになります。

 



聯合ニュースの記事からです。

ユン・ソンニョル大統領の拘束が取り消され釈放…裁判所「拘束期間が過ぎてから起訴」


(前略)

ソウル中央地裁刑事合議25部(チ・ギヨン部長判事)は7日、拘束状態が不当だと主張し、ユン大統領が出した拘束取り消し請求を受け入れた。

裁判所はユン大統領の拘束期間が満了した状態で起訴されたと見るべきだと判断した。

拘束期間は日ではなく実際の時間で計算するのが妥当だと裁判所は説明した。

また、逮捕適否審査のために捜査関係書類などが裁判所にあった期間を拘束期間に算入してはならないかについても、拘束期間に不算入しなければならないとは見難いと判断した。憲法刑事訴訟法上、身体の自由、在宅起訴の捜査原則に照らして、被疑者に有利になるように厳格に解釈するのが妥当だ」と付け加えた。

これに伴い、裁判所は拘束期間が満了した状態で起訴されたと見るのが妥当だと判断を下した。

また、たとえ拘束期間が終わっていない状態で起訴されたとしても、拘束取り消し理由が認められると見た。

裁判所は「高位公職者犯罪捜査処の捜査範囲に内乱罪が含まれておらず、公捜処と検察は互いに独立した捜査機関だが、何の法律上の根拠もなく刑訴法が定めた拘束期間を互いに協議して分けて使い、その過程で身柄の引致手続きも経ていない」という弁護人の主張に言及したりもした。

(中略)

先立ってユン大統領は先月4日、裁判所に拘束取り消しを請求し、裁判所は先月20日に審問期日を進行した。

審問では、ユン大統領側が拘束期間満了後に行われた不法な起訴だとして直ちに釈放されるべきだと主張した反面、検察は適法な起訴だという反対の立場を表明した。

(中略)

ユン大統領の弁護人は、「検察が先月25日だった拘束期限が過ぎた後、26日にユン大統領を起訴したので、違法な拘束だ」と主張した。

(中略)

一方、検察はユン大統領側の主張に反論し、拘束取り消し請求が棄却されなければならないと主張した。

拘束期間が過ぎたという主張に対しては「刑事訴訟法や今まで裁判所判例によれば拘束期間は時間ではなく、日で計算するのに異論の余地がない」として「有効な拘束期間内に適法に起訴された」と反論した。

また「拘束起訴以後、何の事情変更もなく依然として証拠隠滅の憂慮が大きい」として「不拘束裁判がなされる場合、主要人事、側近との出会いが多くなりうる」と話した。

(後略)



聯合ニュース「[3보] 윤석열 대통령 구속취소돼 석방…법원 "구속기간 지나 기소"(ユン・ソンニョル大統領の拘束が取り消され釈放…裁判所「拘束期間が過ぎてから起訴」)」より一部抜粋

検察の反論は勾留期間についてだけですが、例え勾留期間中だったとしても独立した捜査機関である公捜処と検察が、法律上の根拠無しに互いの協議だけで持ち分時間を決めたことも裁判所は問題点として指摘しているようですね。
まあ、これだけで起訴が無効になるわけではありませんが。

検察が抗告する気なら、期限は7日以内です。