ユンさんが釈放された話

昨日お伝えした通りソウル中央地裁はユンさんの拘束解除を決定しました。検察の抗告期限は7日間ありましたが、裁判所の決定から27時間後の本日午後5時過ぎに抗告せずに釈放することが発表されました。
ユンさんはその約30分後の午後6時頃に釈放され、すでに自宅に戻っているそうです。

 



聯合ニュースの記事からです。

検察、拘束取消でユン大統領の釈放を指揮…逮捕から52日ぶりに釈放


(前略)

検察の非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン・ソウル高等検察庁長)は8日午後5時19分頃、マスコミへの公示を通じて「ユン大統領に対する釈放指揮書をソウル拘置所に送付した」と明らかにした。

(中略)

ユン大統領は1月15日、高位公職者犯罪捜査処に逮捕され拘束された。その後、検察が拘束状態で起訴した。

このためユン大統領は逮捕されてから52日後に釈放されることになった。今後、ユン大統領は在宅起訴の状態で裁判を受けることになる。<br/ >
最高検察庁は公示を通じて「シム・ウジョン検察総長は裁判所の拘束取り消し決定を尊重し特殊本にユン大統領の釈放を指揮した」と明らかにした。

それとともに裁判所の保釈決定や拘束執行停止決定など、人身拘束と関連した即時抗告時に裁判執行を停止するようにした過去の刑事訴訟法規定に対し、憲法裁判所が違憲決定を下した事実に言及し、「憲法裁の決定趣旨と憲法で定めた令状主義原則などを総合的に考慮し、即時抗告は提起しないことに決めた」と説明した。

続けて「拘束期間算定などに関する裁判所判断は現行法律規定はもちろん、長い間裁判所と検察で形成してきた実務例にも符合しない不当な決定であるため、即時抗告を通じて是正しなければならないという特捜本の意見があり、これに対しては上記のような憲法裁決定などを勘案して本案裁判部に積極的に意見を開陳するなど対応するよう指示した」と付け加えた。

特捜本も別途公示を通じてただし「裁判所の拘束取り消し決定文中、拘束期間不算入期間を『日』ではなく『時間』と算定しなければならないので、検察の公訴提起が拘束期間満了後になされたという趣旨の判断はとうてい納得できない」と明らかにした。

特別捜査本部は該当決定が刑事訴訟法規定に反して数十年間にわたり確固と運営された裁判所判決例と実務例にも反する独自的で異例的な決定だとし「裁判所の法理的に誤った決定に対して従わず、これを是正しなければならない必要性があるという意見を開陳し、今後も特別捜査本部は同じ意見を継続主張、立証していく」と付け加えた。

(後略)



聯合ニュース「[3보] 검찰, 구속취소 윤 대통령 석방지휘…체포 52일만에 풀려나(検察、拘束取消でユン大統領の釈放を指揮…逮捕から52日ぶりに釈放)」より一部抜粋

ユンさんは保釈されましたけれど、これで起訴自体が無効になるわけではありません。このまま在宅で裁判を受けることになります。
それでも拘置所で過ごすのと自宅で過ごすのとでは全然違いますでしょうね。
また、一部メディアは「世論の流れ」の変化を気にしているようです。
今回の釈放決定は、あくまで手続き上の問題の話であって法的に起訴に問題があったわけではない、という点を強調しながらも、韓国の法治は「世論」に左右されることがよく分かっているためでしょう。


野党は「内乱首魁が街を闊歩することは容認できない」として裁判所前で抗議集会を行っています。
役立たず…公捜処のオ・ドンウンさんは、絶妙な表情で「遺憾の意」を表明しています。
釈放の決定を下した検察総長にも批判の声は集まっているようですから、いずれどこかに責任を取らせることになるのではないでしょうか?