私教育が盛んな韓国ですが、昨年、小・中・高の子どもに費やされた私教育費の総額29兆2000億ウォンと集計されました。前年より2兆ウォン増えた歴代最大です。
世帯収入別に見ると、月額所得が800万ウォンの世帯は月67万6000ウォン(8.45%)を私教育に費やし、300万ウォン未満の世帯は20万5000ウォン.(6.83%)を費やしているとのこと。
また、今回初めて乳幼児の私教育の実態調査結果が公開されたのですが、こちらもなかなかスゴイことになっています。
ニューシースの記事からです。
乳幼児の私教育実態を初公開…最高の背骨ブレイカー「英語幼稚園」
(前略)
教育部・統計庁が13日公開した2024幼児教育費試験調査主要結果によれば、昨年7~9月の3ヵ月間、幼児172万1000人の私教育費支出総額は約8154億ウォンだった。年間に換算すれば3兆2000億ウォンに達するものと推定される。
今回の調査で保育所の保育課程および幼稚園の教育課程以外に、私的な需要によって保育所および幼稚園の外で受ける補充教育のために個人が負担する費用を私教育費に策定した。
その結果、私教育参加幼児の1人当り月平均私教育費は幼稚園・保育園などに通う場合とそうでない場合に克明な差を示した。
幼稚園・保育園の幼児の私教育費は22万8000ウォンだったが、家庭養育は85万6000ウォンで4倍に肉迫した。
家庭養育の中でも月平均3時間以上塾に参加する場合、その費用は145万4000ウォンだ。英語塾の幼稚部は154万5000ウォンで平均金額が最も高かった。遊び塾が116万7000ウォン、芸能塾78万3000ウォン、体育塾76万7000ウォン、その他74万7000ウォンの順だった。
(中略)
「医大熱風」から始まった英語幼稚園、7才考試、4才考試などますます幼い子供たちを対象にした私教育が盛んに行われているという分析が出ている。
実際、今回の調査で受講目的の回答を見ると、一般科目および論述、私教育の受講目的は入学準備(67.6%)、才能啓発および進路探索(53.8%)、不安心理(41.0%)の順で高かった。
ク・ボンチャン私教育の心配のない世の中政策局長は「身体と情緒がガラスのような子供たちに高強度の教育をすることは虐待」として「英語幼稚園でヌリ過程を運営すれば不法行為なのに政府がコントロールできずにいる」として強く批判した。
ニューシース「영유아 사교육 실태 첫 공개…최고의 등골브레이커 '영어유치원'(乳幼児の私教育実態を初公開…最高の背骨ブレイカー「英語幼稚園」)」より一部抜粋
英語の早期教育については日本でも意見が分かれてますね。早ければ早いほど良いという人もいれば、母語である日本語がある程度固まってからでないと語彙力が身に付かず混乱する、という人もいます。
私は小学校の頃に週に1回だけとはいえ、ネイティブの先生が居る英会話教室に通っていたことがあります。その経験から言うと、少なくとも「耳」は多少良くなります。結局苦手なままの音もありますけれど。
後、残酷な話を一つすると「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人」は本当だということです。
幼少期の知能は環境要因が大きいのですが、思春期に入ると遺伝要因が優位になってくることが分かっています。子どもの頃に勉強が出来て優秀だった人が、大学受験に失敗して何浪もしている...なんてのは、その典型的な例と言えるでしょう。
トンビの子はトンビです。鷹じゃありません。必死に私教育を施しても、その子はせいぜい「親と同等」の出来に育つでしょう。
とは言え、私教育全般を否定しているわけではありません。記事で指摘にある通り、過ぎれば「虐待」になりかね 無いという点が問題だと感じます。本当に必要なことなのか、という視点を持つべきでは?という話です。