韓国の敏感国家指定理由、米研究所から持ち出し厳禁の資料を韓国人職員が持ち出そうとして摘発されたことが原因という話

韓国が米国エネルギー省に「敏感国家」指定を受けた件で、戒厳令からの弾劾事変による政局不安定化が原因ではないか、的な話を以前書きました。
しかし、どうやら違ったようで、原因はセキュリティー問題と見られます。

 



東亜日報の記事からです。

「米研究所に搬出禁止品目があるが、韓国人訪問者が問題を引き起こす」


ジョセフ・ユン駐韓米国大使代理が韓国が米エネルギー省(DOE)の敏感国家対象に指定されたことに対して「敏感な情報を誤って扱ったため」と話した。

ユン大使代理は18日、ソウル鍾路フォーシーズンズホテルで開かれた駐韓米国商工会議所(AMCHAM*1招請特別懇談会で「外部に搬出してはならない『輸出敏感品目』を扱う色々なエネルギー部傘下研究所がある」と説明した。

彼は「昨年2000人を越える韓国人学生、研究員、公務員がこの研究所を訪問した。これらの研究所には外部に搬出してはならない「輸出敏感品目」があるが韓国から来た訪問者が多いためにある事件が発生した」と話した。

さらに「韓国は敏感情報の取り扱い過程で一部問題が発生し、このリスト(敏感国家)に含まれた」と付け加えた。

具体的な事件経緯は明らかにしなかったが、韓国から来た訪問客を通じて搬出してはならない品目が外部に流出する事故が発生し、韓国が敏感国家名簿に含まれたという意味と解説される。

(後略)



東亜日報「“美연구소에 반출금지 품목 있는데, 한국인 방문자가 문제 야기”(「米研究所に搬出禁止品目があるが、韓国人訪問者が問題を引き起こす」)」より一部抜粋

韓国からの「訪問者」となっていますが、別のソース記事によると「韓国人職員」とのこと。
エネルギー省傘下の研究所から、とある韓国人職員が持ち出し厳禁の資料(原子炉関連のソフトウェア)を持ち出し韓国行の飛行機に乗ろうとしたところを摘発されるという事件が2023年10月に発生していたのだそうです。(当該職員は解雇)
エネルギー省監査官室が昨年提出した報告書に、この件が一番最初に載っていることから敏感国指定の大きな原因になったと思われます。

報告書によると、この職員が「ある外国政府」と接触していたことを示すEメールやチャットの履歴も見つかっているそうです。「ある外国政府」がどこの政府なのかは明らかにされていませんが、職員が「韓国人」である点と「韓国行の飛行機」に乗ろうとしていた点から「韓国」である可能性は高いです。

他にも、そういえばスミ・テリーさんの件がありました。CSIS研究員を始め、複数のシンクタンクに所属したことのある彼女に、韓国政府関係者が接触して高級レストランでの食事やブランド物のバッグ、コートなどを送っていたという件です。
スミ・テリーさんは昨年7月に起訴されましたが、韓国国家情報院の資金による彼女への接待は2013年から10年間にわたって行われていたと訴状にあります。
もしかしたら、この件も敏感国家指定に影響しているかもしれません。

こうした政府ぐるみの動きが今回の「敏感国家」指定の原因なのだとしたら、ちょっとやそっと話したくらいじゃリストから除外してもらえないのではないでしょうか?


*1:The American Chamber of Commerce in Korea