中国資本による韓国企業爆買いの話

中国企業による韓国企業買収の動きが活発化しています。
中国企業が米国からの制裁を回避する方法として、中国から部品を丸ごと韓国に輸出して韓国国内で組み立てる=「韓国産」として輸出…いわゆる「タグ付け替え」...言い方悪いですが「生産地偽装」ですね、このような手法で韓国を利用するやり方が最近増えています。

これに伴い、中国企業による韓国国内での企業買収案件が増えているそうです。業界関係者の話によると「価格に関係なく、とにかく買収可能な韓国メーカーを紹介してほしい」という要請も多いとのこと。

 



韓国経済の記事からです。

「社長、引退も考えてください」巨額提案…韓国企業を狙う中国


(前略)

23日、投資銀行(IB)業界によると、国内買収合併(M&A)市場から姿を消した中国資本が「大手」に浮上している。米国のドナルド・トランプ2期行政府が中国産製品のダンピングなどを理由に挙げ関税を武器に輸出にブレーキをかけると、韓国企業とのM&Aを通じてこれを迂回する生産基地を確保しようとする動きとみられる。

CJ第一製糖の世界1位グリーンバイオ事業部とHS暁星先端素材の北米1位タイヤスチールコード事業部買収戦にそれぞれ中国企業が参戦した理由だ。中国現地1、2位のライシン生産会社であるメファグループとクァンシングループは、CJ第一製糖グリーンバイオ事業部の米国現地生産設備を欲しがっている。CJ第一製糖は3億ドルを投入し、米アイオワ州に現地設備を建設して稼動している。全世界のグリーンバイオ業者の中で米国現地設備を備えたのはCJ第一製糖が唯一だ。

中国の鉄鋼メーカーはHS暁星先端素材タイヤスチールコードの売却手続き以前から関心を持ってきた。HS暁星は2005年ミシュランの米国工場と2011年グッドイヤーの米国工場を順に買収し、タイヤスチールコードを北米1位、世界3位の会社に育てた。内需建設景気の低迷と米国の関税爆弾という二重苦を経験する中国鉄鋼会社の立場では海外のスチールコード工場に原料を供給する方式で活路を見出すことができる。

(中略)

中国資本は半導体など国家核心技術に接近が制限されると海外に生産網を備えた企業や、市場で評価をまともに受けられない製造業者を集中的に狙っている。特に、キャズム(一時的な需要鈍化)で資金圧迫に直面した電気自動車素材及び部品メーカーと特殊化学素材及び造船機資材メーカーなどが第1順位として取り上げられている。国内化粧品と健康機能食品などを中国現地に流通してきた「タイグン」が資本を集めて国内中小化粧品ブランド買収を試みている事例もある。<br/ >
(中略)

中国資本をめぐって期待と懸念が交錯する。次の跳躍のための流動性を確保するという側面で中国資本を活用しなければならないという声もある。同時に技術流出と役職員反発など副作用を憂慮する声も出ている。

韓国金融研究院のチ・マンス先任研究委員は「中国の買収試みの背景をよく把握し、もう少し高い価値を認められるようにし、売却しても一部持分は残して該当企業との輪を維持するなどの努力が必要だ」と話した。



韓国経済「"사장님, 은퇴도 생각하셔야" 거액 제안…한국 기업 노리는 中(「社長、引退も考えてください」巨額提案…韓国企業を狙う中国)」より一部抜粋

最後の研究員の言葉は「安く買い叩かれんなよ。高く売れよ」と言っているように聞こえるのですが問題はそこではないような気がします。

中国企業による韓国企業の買収は、米国からの制裁の迂回路としての狙いがあるということはハッキリしています。
そうなってくると今のトランプ政権のことですから、いっそのこと韓国も制裁の対象に含めるという判断をしかねない気がします。そういった視点での指摘が無く、危機感が薄そうなのは残念です。