焦る韓国野党、ハン・ドクスさんへの「再弾劾」をチラつかせる話

昨日、憲法裁によりハン・ドクスさんの弾劾審が棄却されましたが、それに対する民主党の批判が激化しています。
弾劾訴追案提出の理由には、憲法裁判事の任命を拒否したことが挙げられていますが、憲法裁は審理の中で判事任命の拒否は違憲に当たるという判断を下しています。それにもかかわらず弾劾は棄却ということで、筋が通っていないという批判です。

一応整理しておきますと、ハンドスさんに対する弾劾審理で最も重要視されていたものは、昨年12月の非常戒厳「幇助」に当たるかどうかです。
結論として積極的な行為をしたという証拠や資料は見つからなかったとして、憲法違反に当たるとは見なせないという判断です。(証拠不十分)

一方、共に民主党がゴリ押ししている憲法裁判事を任命しなかったという件に関しては、確かに任命の拒否を違憲とする一方で、憲法裁を無力化する目的や意思を認める証拠は認められず、これをもって罷免を正当化する理由にはならないという判断しています。

共に民主党にとっては「こんなはずじゃなかった」でしょうね。

 



聯合ニュースの記事からです。

「見えない手」焦燥感漂う野党…「ハンの再弾劾」論拠・憲法裁批判も


(前略)

政界では26日、イ・ジェミョン代表の公職選挙法違反控訴審判決を控えている中、ユン大統領の弾劾審判はなかなか結論が出ないなど騒々しい状況が続き、野党内に不安感がそれだけ大きくなったのではないかという分析が出ている。

パク・チャンデ院内代表はこの日、光化門テント党本部で開かれた院内対策会議で「宣告が遅れるほど憲法裁に対する信頼と権威は損傷するほかはない。憲法守護者として憲法破壊者ユン・ソンニョル罷免という歴史的責務を果たせ」と促した。

パク院内代表は特に「憲法裁は国会が選出した憲法裁判官を任命しないことは憲法違反だと明確に釘を刺した」として「ハン総理が直ちにマ・ウンヒョク憲法裁判官を任命しなければ罷免理由に該当する」と主張した。

断食座り込み中のヤン・ムンソク議員はフェイスブックに「これ以上不法行為を我慢してくれる優しい民主党はない。マ・ウンヒョクの任命と常設特別検事の任命をしなければ、直ちにハン・ドクス首相、チェ・サンモク副首相を弾劾する」と書いた。

パク・ジュミン議員も「キム・オジュンのニュースショー」に出て「憲法裁がマ・ウンヒョク候補者の未任命が違憲だと判断したので、ハン権限代行がマ候補者を任命しなければすぐにまた弾劾すれば良い」として「ハン・ドクス再弾劾論」に力を入れた。

(中略)

このように「超強硬」カードが言及されることと関連して、民主党議員の間で憲法裁内の異常気流に対する憂慮が大きくなったことが影響を与えたという分析も出ている。

特に、結果的にユン大統領に対する弾劾審判の宣告がイ代表の2審裁判の宣告より遅くなったことも民主党議員の神経を尖らせるものと解釈される。

キム・ミンソク最高委員はフェイスブックで「状況がとても怪しい。理解できない展開」として「ユン・ソンニョル罷免と早期大統領選挙を避けられないと見て、ただイ・ジェミョンだけを消せれば良いという内乱勢力の作戦でなければとうてい説明されない」と主張した。

それと共に「ユン・ソンニョル罷免遅延とイ・ジェミョン司法〇人が繰り広げられるのではないか非常に忌まわしい」として「憲法裁が原則を破り宣告日を先送りしてきた過程に見えない手が作動するのではないかと憂慮される理由」と話した。

(中略)

国会弾劾訴追団幹事のチェ・ギサン議員は「大韓民国がこのように危険なのに憲法裁が一般事件を宣告する時なのか」として「憲法裁は退勤せずに徹夜してでも直ちにユン大統領弾劾審判に対する結論を下さなければならない。これ以上、言い訳もためらいも許されない」と主張した。



聯合ニュース「"보이지 않는 손" 초조한 野…'韓 재탄핵' 거론·헌재 비판도(종합)(「見えない手」焦燥感漂う野党…「ハンの再弾劾」論拠・憲法裁批判も)」より一部抜粋

「見えない手」と言っていますが、これは経済学の概念に出てくるアダム・スミスが唱えた、市場経済において個人が利益を追求することで社会全体の利益がもたらされる(神の見えざる手)、とする考え方とは全く違うものだと思われます。
おそらく、「誰かが裏で糸を引いているに違いない」陰謀論的な意味でしょう。

しかし、この期に及んでバ〇の一つ覚えみたいに「弾劾」で脅しを掛けるなんて...なんて芸の無い人たちでしょう。