ユンさんの弾劾騒動に隠れてしばらく静かだったムンさんの収賄事件が、実は進展していたようです。全州地検がムンさんに召喚状を送ったとのこと。
この件ちょっとややこしいのですが、ムンさんの娘さんとその旦那さん絡みです。
元議員さんが創業した航空会社の専務にムンさんの娘婿が採用されたのですけど、この娘婿、元ゲーム会社勤務で航空ビジネスとは縁もゆかりもない人なのですね。それがいきなり専務として迎えられ、2018年7月から2020年4月までの間2億2300万ウォン(給与月800万ウォン・住居費350万ウォン)受け取っていたのです。
この航空会社の創業者は、娘婿を雇う約4ヵ月前に中小ベンチャー企業振興団の理事に任命されてまして、そのことに対する「見返り」だったのでは?との疑惑です。
他にも回顧録出版時のお金のやり取りとか、細かいことはあるようですが、一番突っつかれているのがこの部分です。恐らく、一番崩しやすい所(期間も長いし金額も大きいし)なので、ここを足掛かりに踏み込むつもりでしょう。
中央日報の記事からです。
ユン弾劾政局でムン召喚通知…全州地検「どうして処分しないのか」
(前略)
30日、検察などによると、全州地検刑事3部(部長ペ・サンユン)は、ムン前大統領の婿のソ某氏(45)の特恵採用および子どもの海外移住不正支援事件と関連し、先月、ムン前大統領宛に具体的な日付が書かれた出席要求書を送った。その後、ムン前大統領側と協議して書面質疑書を送ったことが把握された。検察は答弁書を受け取った後、ムン前大統領に対する調査方式・場所・時点を決める方針だ。
(中略)
昨年12・3非常戒厳事態以後、法曹界内外では「ムン前大統領捜査は水泡に帰したのではないか」という話が出回った。しかし、検察は正攻法を選んだ模様だ。これと関連して全州地検関係者は「ユン大統領弾劾審判の結果や早期大統領選挙の可否と関係なく迅速に事件を終える」と明らかにした。政治的な有利・不利を問わず、法と原則どおりムン前大統領に対する起訴するかどうかを決めるという意味だ。
捜査対象もムン前大統領の娘のダヘ(42)氏にまで拡大した。参考人の身分だったダヘ氏は昨年11月、ある市民団体の警察告発で収賄と租税犯処罰法違反疑惑被疑者に転換された。先月、ダヘ氏の事件を引き受けた全州地検は、ダヘ氏夫婦が単にムン前大統領が受け取った賄賂の受益者ではなく共犯と見て、ソ氏の立件可否も検討中だ。
(中略)
しかし野党の反発は検察が「越えなければならない山」だ。ムン前大統領の召還通知の便りに共に民主党の前政権政治弾圧対策委は29日声明を出し「ユン・ソンニョル政権がまだ正気を失って前任大統領に対する政治弾圧の剣舞を止めずにいる」として「弾劾認容で罷免される前に何とか最後の剣舞を踊れという龍山の『オーダー(命令)』でもあったのか」として捜査中断を促した。キム・ドンヨン京畿道知事も同日、社会関係網サービス(SNS)で「内乱首魁を釈放する時は抗告さえしなかった検察がムン前大統領を召還すると言うのであきれる」とし「国と国民に忠誠しない検察は解体水準の強力な改革だけが答え」と糾弾した。
(中略)
一方、検察は昨年8月30日、ダヘ氏のソウルの家と済州の別荘などを押収捜索した。イ元議員のソ氏採用とタイ移住支援の前後に、ムン元大統領夫妻とダヘ氏夫婦の経済的依存関係を把握するためだ。ダヘ氏は2018~2020年、家族と共にタイに滞在した時、少なくとも3人以上の青瓦台職員と金の取引をしたと調査された。
(後略)
中央日報「尹탄핵 정국에 文 소환 통보…전주지검장 "어떻게 처분 안하냐"[이슈추적](ユン弾劾政局でムン召喚通知…全州地検「どうして処分しないのか」)」より一部抜粋
「法と原則どおりムン前大統領に対する起訴するかどうかを決める」、こんな当たり前のことが報じられる時点でオカシイんだと気づいて欲しいものですが...。
現大統領が弾劾局面にあるからといって前大統領の検察捜査が中止されたらそれこそ、政治的思惑で動いていたことの証左になりますよね?