市民団体、憲法裁判所判事3名を「職権乱用」と「内乱幇助」の疑いで公捜処に告発した話

ユンさんの弾劾審の結果がまだ出ない中、野党から裁判官の任期延長案が出ています。
また、野党はハン・ドクスさんに対し「マ・ウンヒョク市を憲法裁判官に任命しなければ弾劾する」と引き続き迫っています。

一方市民団体からは、裁判官3名に対する職権乱用および内乱幇助の疑いの告発書が「公捜処」に出されました。
韓国に政治的でないものはないと言いますから、市民団体と名乗ってはいてもどうせ政治団体でしょう、告発している裁判官3名はなかなか分かりやすいチョイスとなっています。

 



ニューシースの記事からです。

ユン弾劾宣告遅延に...市民団体、裁判官3人を公捜処に告発


(前略)

31日午前11時、市民団体「司法正義を正す市民行動」は高位公職者犯罪捜査処(公捜処)を訪れ、チョン・ヒョンシク、キム・ボクヒョン、チョ・ハンチャン憲法裁判官に職権乱用および内乱幇助の疑いがあるとし、彼らに対する告発状を受け付けた。

キム・ハンメ代表は同日、記者会見を開き、ユン大統領弾劾審判の宣告が遅れている状況を指摘し「盧武鉉前大統領や朴槿恵前大統領弾劾審判が弁論終結後2週間後に宣告されたのとは異なり、ユン・ソンニョルに対する弾劾審判は弁論終結後1ヵ月以上も宣告されず、国家的混乱が加重されている」と説明した。

さらにキム代表は「ユン・ソンヨル弾劾審判の主審である被告発のチョン・ヒョンシク氏が、この事件の準備期日に『大統領に対する弾劾審判は非常に重大なため、他の弾劾審判事件より最優先的に進める』と公言したにもかかわらず、被告の3人は共同して国民の大多数の期待とは正反対に内乱首魁被告であるユン・ソンニョルに対する決定宣告自体を長期間遅延させ、罷免決定を事実上妨げている」と批判した。

ユン大統領の弾劾審判宣告が遅延する背景に、一部憲法裁判官の罷免反対があるという主張だ。キム代表はそれと共に「被告発人らはユン・ソンニョルに対する罷免決定どころか、決定宣告自体を故意的にムン・ヒョンベ、イ・ミソン憲法裁判官の任期満了日まで遅延し罷免決定を霧散させようと試みる」として「これは憲法裁判官5人の権利行使を甚大に妨害すること」と付け加えた。

(後略)



ニューシース「윤 탄핵 선고 지연에…시민단체, 재판관 3인 공수처 고발(ユン弾劾宣告遅延に...市民団体、裁判官3人を公捜処に告発)」より一部抜粋

ここで狙い撃ちにされている3名の裁判官、チョン・ヒョンシクさん、キム・ボクヒョンさん、チョ・ハンチャンさんについて見ておきます。
まず、チョン・ヒョンシクさんですが、任命したのはユンさんです。もう、これだけで充分という気がしますが、一応、政治指向も触れておくと保守ということになっています。

次のキム・ボクヒョンさん、こちらの方は現・大法院長による任命です。政治指向は保守寄りの中道。

最後のチョ・ハンチャンさんは与党・国民の力による人選(大統領権限代行による任命)です。政治指向は保守。


裁判官は現在8名ですが、残りの5名のうち2名はムンさんの任命で、ウリ法研究会(現・国際人権法研究会)出身の裁判官です。
もう1人は共に民主党による人選(任命は大統領権限代行)で、同じくウリ法研究会出身です。彼らは平たく言うと「運動圏出身」ということになります。

残る2名は前大法院長キム・ミョンスさんによる任命です。この人は2018年10月の徴用工訴訟で日本製鉄に賠償支払い命令が出た際、わざわざ自分の名前で日本語のプレスリリースを発表した筋金入りの人です。

ユンさんを罷免するには裁判官6名の認容が必要です。
5人では足らないので、共に民主党は自分たちの息のかかったマ・ウンヒョクさんを任命させたいのです。