トランプ政権が90日間の相互関税上乗せ猶予に加え、スマートフォンやノートパソコン、半導体製造装置などへの関税除外を発表しました。これは既に125%の関税が課されている中国も対象としたものです。
市場の動きを見て軌道修正を計っているようにも思えますが、ホワイトハウスの副報道官はあくまで「生産基地を米国に移転する時間を与えるためのもの」であり、「半導体とチップ、スマートフォン、ノートパソコンのような必須技術製品の製造を中国に依存できないということを明確にしている」としています。
ファイナンシャルニュースの記事からです。
米トランプ政権、中国製スマートフォン、ノートパソコンを相互関税対象から除外
(前略)
12日(現地時間)、ウォールストリートジャーナル(WSJ)とCNBC放送など外信は11日、米国税関国境保護庁(CBP)が公開した新しい指針を引用してスマートフォンとノート型パソコン、メモリーチップとその他の電子製品が相互関税対象から除外され、価格引き上げを憂慮した米消費者の憂慮を減らすことになったと報道した。
今回の指針には半導体製造用装備とコンピューターモニター、タブレットPC、アップルウォッチ、コンピューター、メモリーカードなど20個の製品が相互関税賦課対象から除外している。
指定された製品は中国産の場合、125%の関税と他の国で製造したものは10%の普遍税も免除される。
トランプ大統領は2日、輸入製品のほとんどに普遍税10%を課す行政命令に署名し、9日に中国輸入品を除いて相互税を90日猶予した。
今月初め、相互関税賦課後、中国で製品の大部分を生産するアップルは株価が11%下落し、時価総額が6400億ドル(約908兆ウォン)が蒸発するなど、最も大きな打撃を受けた。
もし関税が維持されていたらアイフォンの米国販売価格が1台当たり最高3500ドル(約497万ウォン)まで急騰するものと予想されてきた。
ホワイトハウスのクシュ・デサイ副報道官は今回の猶予に対してトランプ大統領が企業が生産基地を米国に移転する時間を与えるためのもので「半導体とチップ、スマートフォン、ノートパソコンのような必須技術製品の製造を中国に依存できないということを明確にしている」と話した。
米国ワシントンDC所在の研究所Rストリートインスティテュートの先任研究員アダム・ティアラーは今回の関税猶予で市場が安定を取り戻すことを願うとし「IT企業とアナリスト、投資家の皆が安堵のため息と共に正常に戻ることを期待している」と話した。
(中略)
ジャーナルは、スマートフォンのような製品の相互関税免除が続く場合、昨年の米大統領選挙後、トランプ大統領のフロリダ州マーラゴリゾートを訪問し、就任祝いに数百万ドルを寄付したIT業界には勝利になるだろうと分析した。
ウェドブッシュ証券のダン・アイブズ理事は、「一部のアナリストが今回の免除でIT株のラリーを期待している」と話した。
彼はトランプ大統領の「解放の日」以後、大型IT企業が最も大きな打撃を受ける状況だったが、今回の免除はIT投資家には「夢のようなシナリオ」で「スマートフォンとチップが除外されるのは中国製品関税と関連し、ゲームチェンジャーになるだろう」と説明した。
米センサー局によると、米国は昨年、中国からIT製品1000億ドル(約142兆ウォン)分を輸入しており、このような規模は中国から輸入した全体の23%を占めた。
特に昨年、米スマートフォンの81%とコンピューターモニターの78%が中国から輸入された。
トランプ大統領は大統領選用機内で記者たちに14日、関税猶予と半導体関税に対する非常に具体的な説明があると予告した。
ファイナンシャルニュース「美 트럼프 행정부, 중국산 스마트폰·노트북 상호관세 대상에서 제외(米トランプ政権、中国製スマートフォン、ノートパソコンを相互関税対象から除外)」より一部抜粋
3500ドルって、日本円だと50万円くらいですか、とんでもないですね...。「関税は外国が払うもの」と思っていた人たちも、これで現実のヤバさに気が付いたでしょうか?
ホワイトハウスの話だと、今回の措置は生産基地を米国に移行するための猶予時間との説明ですけれど、そうは思えません。もしそうなら施行前に猶予期間を設けることで市場の混乱を避ける選択をしたはずです。
それが無かったことから、申し訳ないけれど私には場当たり的な対応(つまり政策の失敗、見込みの甘さの露呈、そしてそれを認めたがらない態度)に受け取れてしまいます。
いずれにせよ、いたずらに市場に混乱をきたすような政策をヨシとする態度では、そう簡単に信頼が回復するとは思えません。まあ、こればっかりは市場が判断することですがね。